ミラージュの罠
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ルウが選んだ髪ゴムは、休日会いに行ったレティシアへ盛大にからかわれた。ムカついたのでその足でレティシアと同じ寮に住んでいるヴァンツァーに会いに行くと、真顔でもっとマシな物を身に着けたほうがいいと言われ、非常に何とも言えない気持ちになる。
レティシアが笑いを消すほどの真顔だった。多分勉学の邪魔をするなという気持ちも篭もっていたのだろうが、それにしたってヴァンツァーの真顔はキツイ。
仕方ないので本人に使わせようと、ルウへ会いに行っていいかと連絡を入れれば、ルウはちょうど連絡を入れようとしていたところだと言う。
『シルビって情報収集得意?』
「宰妃には及ばねぇけど、なんでぇ?」
『エディの知り合いの周りがきな臭いんだよね。昨日今日と立て続けに狙われてるみたいなんだ。今日なんか薬を持ち出してきたし』
「……薬って、成分は?」
『まだ解析してない。明日大学でやろうかと思うんだけど』
しかしルウの口振りからして穏やかな物では無さそうだ。また変な事へ首を突っ込んで、と思わなくも無いが、自分もリィ達と知り合う切っ掛けは成り行きとは言え首を突っ込んだからだと思い出し、シルビは微妙な気分になる。
そしてルウ達と『友人になる』と決めた時点で、彼等に降りかかる火の粉が自分へも掛かるのだと、今までの経験で分かっていた。これは下手に断ると凶だな、とシルビが思っている事を知ってか知らずか、ルウはシルビの了承を得ずに話し始める。
『惑星ダルチェフって知ってる?』
「社会主義体制国家だろぉ」
『その星に関する噂とか良くない話って、知ってたりする?』
「漠然過ぎる。もうちょっと絞ってくれねぇと」
『じゃあ……学生一人が巻き込まれて命を狙われるようなヤツ』
穏やかではないが、一番分かりやすい説明だ。つまりはそれが起こっているという事だから。
「明日の放課後、サフノスクに行く。ソレまでに調べておく」
『エディ達も来るから丁度いいね』
会う約束だけをして通信を切り、シルビは部屋を出て寮内の資料室へ向かった。
寮の資料室など試験前以外は滅多に使われないスポットで、飲食も禁止されているので人は少ない。居ても殆どが映像媒体を楽しんでいるなどで、静かなものである。
その資料室の一角で、数年前に読んだゴシップ記事の検索をした。大学惑星では生徒の思想に良くないからと殆ど手に入らないゴシップ雑誌だが、読んだのはまだ『家』に居た頃なので問題は無い。
しかし『家族』がどうしてそんな雑誌を持っていたのかは、未だに謎である。
提示された記事に目を通してから携帯端末へ移し、シルビは資料室を出た。部屋へ戻る前にリィかシェラへ会っておこうと思ったのだが、リィはまだ帰ってきていないらしい。
レティシアが笑いを消すほどの真顔だった。多分勉学の邪魔をするなという気持ちも篭もっていたのだろうが、それにしたってヴァンツァーの真顔はキツイ。
仕方ないので本人に使わせようと、ルウへ会いに行っていいかと連絡を入れれば、ルウはちょうど連絡を入れようとしていたところだと言う。
『シルビって情報収集得意?』
「宰妃には及ばねぇけど、なんでぇ?」
『エディの知り合いの周りがきな臭いんだよね。昨日今日と立て続けに狙われてるみたいなんだ。今日なんか薬を持ち出してきたし』
「……薬って、成分は?」
『まだ解析してない。明日大学でやろうかと思うんだけど』
しかしルウの口振りからして穏やかな物では無さそうだ。また変な事へ首を突っ込んで、と思わなくも無いが、自分もリィ達と知り合う切っ掛けは成り行きとは言え首を突っ込んだからだと思い出し、シルビは微妙な気分になる。
そしてルウ達と『友人になる』と決めた時点で、彼等に降りかかる火の粉が自分へも掛かるのだと、今までの経験で分かっていた。これは下手に断ると凶だな、とシルビが思っている事を知ってか知らずか、ルウはシルビの了承を得ずに話し始める。
『惑星ダルチェフって知ってる?』
「社会主義体制国家だろぉ」
『その星に関する噂とか良くない話って、知ってたりする?』
「漠然過ぎる。もうちょっと絞ってくれねぇと」
『じゃあ……学生一人が巻き込まれて命を狙われるようなヤツ』
穏やかではないが、一番分かりやすい説明だ。つまりはそれが起こっているという事だから。
「明日の放課後、サフノスクに行く。ソレまでに調べておく」
『エディ達も来るから丁度いいね』
会う約束だけをして通信を切り、シルビは部屋を出て寮内の資料室へ向かった。
寮の資料室など試験前以外は滅多に使われないスポットで、飲食も禁止されているので人は少ない。居ても殆どが映像媒体を楽しんでいるなどで、静かなものである。
その資料室の一角で、数年前に読んだゴシップ記事の検索をした。大学惑星では生徒の思想に良くないからと殆ど手に入らないゴシップ雑誌だが、読んだのはまだ『家』に居た頃なので問題は無い。
しかし『家族』がどうしてそんな雑誌を持っていたのかは、未だに謎である。
提示された記事に目を通してから携帯端末へ移し、シルビは資料室を出た。部屋へ戻る前にリィかシェラへ会っておこうと思ったのだが、リィはまだ帰ってきていないらしい。