ソフィアの正餐会
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金曜日の夜に外泊届けを出し、宇宙港で《パラス・アテナ》へと乗り込み、猛然とルウ達が潜入しているお嬢様学校のある惑星へ向かう中で、ケリーとジャスミンへシルビとダイアナは説明する。
「……つまりこれは、最初からこの前の黒幕と繋がっていたというんだな?」
「Si 事の始まりは老人共が、不老不死の方法をルウという『ラー一族』に求めたところからだぁ」
『ラー一族』は噂とも伝説ともつかない、科学的根拠が無い存在だ。しかし老人達はケリーの存在からルウの事を知り、そのルウがラー一族と知っていながら驚くことなく行動を起こしていた。超能力に関しても研究していたので、神秘的行為ではなく科学的根拠のある現象だと思っていたのならそれまでだが、そうとは言い切れない。
何故なら老人共が行なっていたのは、超能力の『解明』ではなく『よりよい利用の仕方の追及』だからだ。つまり彼等は科学的観点で見ていた訳ではない。
その辺は柔軟な思考だと言えなくも無いが、その価値観を押し付けてきている時点で結構迷惑だ。更に迷惑なのはその価値観で行動していることだろう。
不老不死へ拘るにあたり、なりふり構わず行動しているのである。
溺れる者は藁をも掴む。科学的根拠も神秘的不可解現象もどうでもいい。――長生きできるのなら。
「占星術に今までの犠牲者が当て嵌まるなんて、誰が気付くってんだぁ。しかもこんなまどろっこしい……俺なら賢者の石を作るほうを選ぶぜぇ」
「その賢者の石ってのは分からんが、そんな非科学的な話があるかよ」
「非科学的でも、辻褄が合ってしまうのよ」
「更に言うなら犠牲者の遺体の欠損。これも呪術儀式的に見れば納得がいっちまうんだぁ。『食人習慣』は当然この世界でも古来から行なわれてる」
「古代民族学によれば、こうした例は珍しい習慣ではないと、あくまで厳かな儀式として行なわれていたと報告されているわ」
気味が悪いどころの話ではないが、この推理が間違っていなければルウが『こっちが先』だと言っていた理由も理解できるのだ。
「今までの犠牲者は遺族や友人の証言から見た目も頭脳も秀でていたらしい。今回ルウが行く切っ掛けになった少女も優秀な可愛い子だったらしいなぁ?」
「ああ。写真を見た限りでは可愛いかったな」
「クソ爺共の犠牲者を選ぶ基準が眉目秀麗だとすりゃ彼女も該当する。だが彼女は殺されなかった。……何故だと思うぅ?」
ジャスミンとケリーをシルビは見る。
「彼女は妊娠してたらしい。……処女じゃなくなった子は神聖さを失ったただの女なんだろうよぉ。だが新共和占星術に準えるならあの惑星で食わなけりゃ成立しねぇ。だから急いで代用品を同じ場所で探す必要があった」
ルウももっと言葉を選んで言って欲しいものだ。これは『こっちが先』ではなく『今がチャンス』ではないか。
「……つまりこれは、最初からこの前の黒幕と繋がっていたというんだな?」
「Si 事の始まりは老人共が、不老不死の方法をルウという『ラー一族』に求めたところからだぁ」
『ラー一族』は噂とも伝説ともつかない、科学的根拠が無い存在だ。しかし老人達はケリーの存在からルウの事を知り、そのルウがラー一族と知っていながら驚くことなく行動を起こしていた。超能力に関しても研究していたので、神秘的行為ではなく科学的根拠のある現象だと思っていたのならそれまでだが、そうとは言い切れない。
何故なら老人共が行なっていたのは、超能力の『解明』ではなく『よりよい利用の仕方の追及』だからだ。つまり彼等は科学的観点で見ていた訳ではない。
その辺は柔軟な思考だと言えなくも無いが、その価値観を押し付けてきている時点で結構迷惑だ。更に迷惑なのはその価値観で行動していることだろう。
不老不死へ拘るにあたり、なりふり構わず行動しているのである。
溺れる者は藁をも掴む。科学的根拠も神秘的不可解現象もどうでもいい。――長生きできるのなら。
「占星術に今までの犠牲者が当て嵌まるなんて、誰が気付くってんだぁ。しかもこんなまどろっこしい……俺なら賢者の石を作るほうを選ぶぜぇ」
「その賢者の石ってのは分からんが、そんな非科学的な話があるかよ」
「非科学的でも、辻褄が合ってしまうのよ」
「更に言うなら犠牲者の遺体の欠損。これも呪術儀式的に見れば納得がいっちまうんだぁ。『食人習慣』は当然この世界でも古来から行なわれてる」
「古代民族学によれば、こうした例は珍しい習慣ではないと、あくまで厳かな儀式として行なわれていたと報告されているわ」
気味が悪いどころの話ではないが、この推理が間違っていなければルウが『こっちが先』だと言っていた理由も理解できるのだ。
「今までの犠牲者は遺族や友人の証言から見た目も頭脳も秀でていたらしい。今回ルウが行く切っ掛けになった少女も優秀な可愛い子だったらしいなぁ?」
「ああ。写真を見た限りでは可愛いかったな」
「クソ爺共の犠牲者を選ぶ基準が眉目秀麗だとすりゃ彼女も該当する。だが彼女は殺されなかった。……何故だと思うぅ?」
ジャスミンとケリーをシルビは見る。
「彼女は妊娠してたらしい。……処女じゃなくなった子は神聖さを失ったただの女なんだろうよぉ。だが新共和占星術に準えるならあの惑星で食わなけりゃ成立しねぇ。だから急いで代用品を同じ場所で探す必要があった」
ルウももっと言葉を選んで言って欲しいものだ。これは『こっちが先』ではなく『今がチャンス』ではないか。