ソフィアの正餐会
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海を越えたグランピア大陸北部の巨大総合施設へと到着すると、少女向けの店舗が並ぶ区画へと向かったルウとシェラが俄然張り切りだした。
潜入捜査をする女子校は、車内で聞いたところいわゆるお嬢様学校らしい。この二人ならどんな服を着ていても見劣りする事は無いだろうが、それでも抜かりなく選んでいく。
元より女性とは買い物が好きな者が多い。この二人は正しく女性ではないが。
楽しげに買い物を続ける二人とは裏腹に、シルビ達は早々に戦線離脱して喫茶店へと避難していた。連れにジャスミン以外の女性がいないことを分かっておきながら、最初から少女向けの下着店へ突っ込んで行った時点でシルビは外で待っていたが。
同じ様な思いを吐露しあっていると、不意にケリーが話題を変えた。
「この間の一件、誰が黒幕かわかってるんだろう」
この間の一件。というのはルウが脳を弄られ一度『死んだ』あの件しかない。
「名前と居場所は分かってる」
「天使も知ってるのか?」
「おれの口からは話してないけど、多分知ってる。あの宇宙拠点で連中の顔を見てるはずだから」
「……顔を見たから?」
「相手の顔さえ特定できれば、ルーファにとってはそれで充分だ。後は手札がものを言うよ」
何事も探るには情報が多いほうがいいが、『相手の顔を見ている』というは確かに大きいだろう。得心したシルビが注文したカフェラテを飲むのとは違い、ジャスミンは驚いていたが。
そもそも『相手の顔を見ている』の差で探りやすくなる、というのは『普通』の感性ではない。シルビの様に『×××』が使える者なら、という前提が付く。そしてルウとシルビは似ている。
だからルウが『こっちを先にする』と言っていたというリィの言葉も、漠然と理解出来た。
わざわざ『女の子』になってまで、大学を休んでまで『自分で』潜入捜査。
「何度も言ったけど、おれはルーファの相棒だ」
「知っている。何度も聞いた」
「いいや、わかってない」
その説明では納得できないジャスミンにリィは言い聞かせるように言う。
「今度のことではおれなんかよりルーファのほうが遥かに怒ってる。腸煮えくり返っているはずだ」
この前の通信機越しの笑みをシルビは思い出す。面白がって女の子になる訳ではないと否定したルウは、リィの言うように腸が煮えくり返っていたのだろう。
ふと店の外を見るとルウとシェラが次の店へ向かうところが見えた。人混みへ紛れていてもその姿は良く目立つ。しかし傍目にはその怒りは窺えない。
潜入捜査をする女子校は、車内で聞いたところいわゆるお嬢様学校らしい。この二人ならどんな服を着ていても見劣りする事は無いだろうが、それでも抜かりなく選んでいく。
元より女性とは買い物が好きな者が多い。この二人は正しく女性ではないが。
楽しげに買い物を続ける二人とは裏腹に、シルビ達は早々に戦線離脱して喫茶店へと避難していた。連れにジャスミン以外の女性がいないことを分かっておきながら、最初から少女向けの下着店へ突っ込んで行った時点でシルビは外で待っていたが。
同じ様な思いを吐露しあっていると、不意にケリーが話題を変えた。
「この間の一件、誰が黒幕かわかってるんだろう」
この間の一件。というのはルウが脳を弄られ一度『死んだ』あの件しかない。
「名前と居場所は分かってる」
「天使も知ってるのか?」
「おれの口からは話してないけど、多分知ってる。あの宇宙拠点で連中の顔を見てるはずだから」
「……顔を見たから?」
「相手の顔さえ特定できれば、ルーファにとってはそれで充分だ。後は手札がものを言うよ」
何事も探るには情報が多いほうがいいが、『相手の顔を見ている』というは確かに大きいだろう。得心したシルビが注文したカフェラテを飲むのとは違い、ジャスミンは驚いていたが。
そもそも『相手の顔を見ている』の差で探りやすくなる、というのは『普通』の感性ではない。シルビの様に『×××』が使える者なら、という前提が付く。そしてルウとシルビは似ている。
だからルウが『こっちを先にする』と言っていたというリィの言葉も、漠然と理解出来た。
わざわざ『女の子』になってまで、大学を休んでまで『自分で』潜入捜査。
「何度も言ったけど、おれはルーファの相棒だ」
「知っている。何度も聞いた」
「いいや、わかってない」
その説明では納得できないジャスミンにリィは言い聞かせるように言う。
「今度のことではおれなんかよりルーファのほうが遥かに怒ってる。腸煮えくり返っているはずだ」
この前の通信機越しの笑みをシルビは思い出す。面白がって女の子になる訳ではないと否定したルウは、リィの言うように腸が煮えくり返っていたのだろう。
ふと店の外を見るとルウとシェラが次の店へ向かうところが見えた。人混みへ紛れていてもその姿は良く目立つ。しかし傍目にはその怒りは窺えない。