ソフィアの正餐会
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
生憎の曇り空となった当日。集合場所へ遅れてきたルウはその曇り空を晴らすような美少女だった。
動物に変身したり他人に変身したりするのは、今までの転生した世界の中で旧式ともいえるような魔法薬を用いて実際に見たことがあるが、完全に性別を変えて年齢を若返らせるのは初めてかもしれない。絶句しているのはシルビだけではなくリィ以外のシェラやジャスミン、ケリーもである。
身体に合っていないワンピース姿の美少女は、一切動じていないリィと朗らかに話していた。その内容は胸が小さすぎるなどと往来で話すには危なっかしいが。
「……聞いてたけど、随分可愛くなったなぁ」
「あら、ありがとう。どう? 並んでると兄妹に見えないかしら?」
隣に並んだルウがシルビの手を掴んでニコリと見上げてくる。同じ黒髪なのでまぁ見えなくはないだろう。ただ、シルビの『弟』は銀髪だし、シルビの血筋的には黒がおかしい色なのだが。
それを言ったところでどうしようもないので、シルビも微笑んで繋いでいたルウの手をリィへと渡すように差し出した。
「兄ちゃんよりボーイフレンドは如何ですかぁ?」
「兄貴公認のデートか?」
リィが笑いながらルウの手を取る。
美形の子供が大量に二メートル近い長身の男女が目立ってきたので、ふざけるのはそこまでにしてケリーの車へと乗り込んだ。その車内でこの美少女を一人増やしての買い物の事情を初めて聞かされる。
全寮制の女子校の生徒が何かの事件へ巻き込まれ、重度の意識障害に陥った。さらにはその女子生徒は事件に遭う直前に妊娠していたらしい。
その妊娠が事件と関係あるのか。相手は誰なのか。何の事件へと巻き込まれたのかを、探る為にその問題の女子校へ潜入調査をしにいくのだという。
ちなみにルウとシェラがその女子校へ、リィが一番近くて妊娠させた誰かがいる可能性の高い男子校へ入るらしい。
「今のルウは問題ないとして、シェラは平気なのか。いくら可愛くても本当は男の子だろう?」
「ご心配なく。男子校に潜入するよりは、全寮制の女子校のほうが遥かに楽ですから」
断言されても困る。
「今も充分きれいだけど、シェラは髪を長くすれば、完璧に女の子に見えると思うわ」
そう言ってルウがシェラの頭へ手を翳した。途端シェラの髪が落ちるように伸びる。シェラ本人もそれには驚いていて、髪を弄っていた。ルウはそれを時間が経てば元に戻るただの手品だといっているが、どう考えても手品ではないだろう。
そんな事よりシルビのテンションが上がった。
「シェラ! 触らせてもらってもいいかぁ? あ、三つ編みとか編み込みもさせてくれると嬉しい! 車に乗ってる間だけでもいいからぁ!」
「いきなりどうしたのシルビ?」
「俺の弟銀髪だったんだよぉ。いいなぁ銀髪……」
毛先を触らせてもらうと随分と手触りがいい。ルウの誘いを断らなくて良かったと本気で思った。
動物に変身したり他人に変身したりするのは、今までの転生した世界の中で旧式ともいえるような魔法薬を用いて実際に見たことがあるが、完全に性別を変えて年齢を若返らせるのは初めてかもしれない。絶句しているのはシルビだけではなくリィ以外のシェラやジャスミン、ケリーもである。
身体に合っていないワンピース姿の美少女は、一切動じていないリィと朗らかに話していた。その内容は胸が小さすぎるなどと往来で話すには危なっかしいが。
「……聞いてたけど、随分可愛くなったなぁ」
「あら、ありがとう。どう? 並んでると兄妹に見えないかしら?」
隣に並んだルウがシルビの手を掴んでニコリと見上げてくる。同じ黒髪なのでまぁ見えなくはないだろう。ただ、シルビの『弟』は銀髪だし、シルビの血筋的には黒がおかしい色なのだが。
それを言ったところでどうしようもないので、シルビも微笑んで繋いでいたルウの手をリィへと渡すように差し出した。
「兄ちゃんよりボーイフレンドは如何ですかぁ?」
「兄貴公認のデートか?」
リィが笑いながらルウの手を取る。
美形の子供が大量に二メートル近い長身の男女が目立ってきたので、ふざけるのはそこまでにしてケリーの車へと乗り込んだ。その車内でこの美少女を一人増やしての買い物の事情を初めて聞かされる。
全寮制の女子校の生徒が何かの事件へ巻き込まれ、重度の意識障害に陥った。さらにはその女子生徒は事件に遭う直前に妊娠していたらしい。
その妊娠が事件と関係あるのか。相手は誰なのか。何の事件へと巻き込まれたのかを、探る為にその問題の女子校へ潜入調査をしにいくのだという。
ちなみにルウとシェラがその女子校へ、リィが一番近くて妊娠させた誰かがいる可能性の高い男子校へ入るらしい。
「今のルウは問題ないとして、シェラは平気なのか。いくら可愛くても本当は男の子だろう?」
「ご心配なく。男子校に潜入するよりは、全寮制の女子校のほうが遥かに楽ですから」
断言されても困る。
「今も充分きれいだけど、シェラは髪を長くすれば、完璧に女の子に見えると思うわ」
そう言ってルウがシェラの頭へ手を翳した。途端シェラの髪が落ちるように伸びる。シェラ本人もそれには驚いていて、髪を弄っていた。ルウはそれを時間が経てば元に戻るただの手品だといっているが、どう考えても手品ではないだろう。
そんな事よりシルビのテンションが上がった。
「シェラ! 触らせてもらってもいいかぁ? あ、三つ編みとか編み込みもさせてくれると嬉しい! 車に乗ってる間だけでもいいからぁ!」
「いきなりどうしたのシルビ?」
「俺の弟銀髪だったんだよぉ。いいなぁ銀髪……」
毛先を触らせてもらうと随分と手触りがいい。ルウの誘いを断らなくて良かったと本気で思った。