暁の天使
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ダイアナを手伝ってクーア・キングダムとの連結準備をしていると、頭の上から物凄い重圧を受けた感覚を覚えた。次いで得体の知れない寒気が全身を襲うのに舌打ちする。
左手首の腕輪へ視線を投げ、それから腰のウォレットチェーンに軽く触れることで重圧と寒気を振り払いシルビは操作を続けた。
連結作業が終わったところで、シルビはダイアナへ声を掛けてからキングダムへ移る為に連結通路へ向かう。その途中で操縦室へ向かうケリーとすれ違った。
「キング」
「悪いなイブリス。再会早々こんな騒ぎに巻き込んで」
「シルビって呼んでくれぇ。騒ぎに巻き込んだのはキングじゃねぇし、気にしてねぇよ」
「そうか」
「……キング。本当は後で聞こうと思ってたんだけど、『ジャック』と『サブジェイ』を知らねぇ?」
ケリーは黙り込んでシルビを見下ろす。
「キングが五年前に死んだのは知ってる。でも俺が『死んだ』のはもっと昔で、ぎりぎりキングにダニエルって子供が出来たと報道された頃なんだぁ。だから、俺は四十年近くあの『二人』と離れてたんだぁ」
「……すまんな。オレが最後にアイツと会ったのは、お前が居た時だ」
「……そっか」
予想はしていたとは言え、シルビは残念だった。シルビの会いたい人達は公衆の面前へ堂々と出られる人達ではなかったけれど、ケリーならと期待していたのだ。
彼はクーア総帥になろうとも、『キング・ケリー』なのだから。
溜め息ではなく大きく息を吐き出してシルビは歩き出す。背後でケリーも操縦室へ向かうのが分かった。
連結通路へ向かう前にもう一つ、とシルビが向かったのは、シェラ達が身体を動かしたいからとケリーに教えられていた練習場だ。シェラ達三人は既に練習場へ来ていて、顔を見せたシルビへ不思議そうにしていた。
「シルビ。貴方はキングダムへ向かうのでは?」
「うん。シェラ。リィと『ルーファセルミィ』? を迎えに行く時、これも一応持って行ってくれねぇかぁ?」
傍に来たシェラへ腰に着けていたウォレットチェーンを外して渡す。シェラの背後からそれを覗き込むようにして見たレティシアが、面白そうに顔を上げた。
「アンタ、何者だよ」
「上手く説明出来ねぇけど、『此処じゃない世界でのラー一族』みてぇなモンだぁ」
「へえ、じゃあ人を生き返らせることも出来るのか?」
シルビは肯定も否定もせずにレティシアを見る。レティシアはそんなシルビの反応へ更に機嫌を良くしたようで、猫のような目をにんまりと細めた。
「あの……シルビ、本当に貴方は何者で?」
「リィが無事に戻ってきたら、俺の話をするついでに説明する」
左手首の腕輪へ視線を投げ、それから腰のウォレットチェーンに軽く触れることで重圧と寒気を振り払いシルビは操作を続けた。
連結作業が終わったところで、シルビはダイアナへ声を掛けてからキングダムへ移る為に連結通路へ向かう。その途中で操縦室へ向かうケリーとすれ違った。
「キング」
「悪いなイブリス。再会早々こんな騒ぎに巻き込んで」
「シルビって呼んでくれぇ。騒ぎに巻き込んだのはキングじゃねぇし、気にしてねぇよ」
「そうか」
「……キング。本当は後で聞こうと思ってたんだけど、『ジャック』と『サブジェイ』を知らねぇ?」
ケリーは黙り込んでシルビを見下ろす。
「キングが五年前に死んだのは知ってる。でも俺が『死んだ』のはもっと昔で、ぎりぎりキングにダニエルって子供が出来たと報道された頃なんだぁ。だから、俺は四十年近くあの『二人』と離れてたんだぁ」
「……すまんな。オレが最後にアイツと会ったのは、お前が居た時だ」
「……そっか」
予想はしていたとは言え、シルビは残念だった。シルビの会いたい人達は公衆の面前へ堂々と出られる人達ではなかったけれど、ケリーならと期待していたのだ。
彼はクーア総帥になろうとも、『キング・ケリー』なのだから。
溜め息ではなく大きく息を吐き出してシルビは歩き出す。背後でケリーも操縦室へ向かうのが分かった。
連結通路へ向かう前にもう一つ、とシルビが向かったのは、シェラ達が身体を動かしたいからとケリーに教えられていた練習場だ。シェラ達三人は既に練習場へ来ていて、顔を見せたシルビへ不思議そうにしていた。
「シルビ。貴方はキングダムへ向かうのでは?」
「うん。シェラ。リィと『ルーファセルミィ』? を迎えに行く時、これも一応持って行ってくれねぇかぁ?」
傍に来たシェラへ腰に着けていたウォレットチェーンを外して渡す。シェラの背後からそれを覗き込むようにして見たレティシアが、面白そうに顔を上げた。
「アンタ、何者だよ」
「上手く説明出来ねぇけど、『此処じゃない世界でのラー一族』みてぇなモンだぁ」
「へえ、じゃあ人を生き返らせることも出来るのか?」
シルビは肯定も否定もせずにレティシアを見る。レティシアはそんなシルビの反応へ更に機嫌を良くしたようで、猫のような目をにんまりと細めた。
「あの……シルビ、本当に貴方は何者で?」
「リィが無事に戻ってきたら、俺の話をするついでに説明する」