オンタロスの剣
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リィが死体を担いで部屋の外へ出ようとした矢先、銃を構えた男達が部屋から出させまいとばかりに入ってきてはシルビ達を取り囲んだ。天井からは複数の老人の声が降ってきて、口々に何かを捲くし立てている。申し訳ないが聞く気もなかったし、聞き分けも出来なかった。
要は痛い目を見たくなければ死体を返せと言っているらしい。自分達でルウの死体をけしかけておいて、勝手な事を言う。
後悔するなよという捨て台詞を残して天井からの声が消え、周囲を囲んでいた男達が撃ってくるかと思いきや、逆にシルビ達から距離を取った。シルビが銃を構えようとすると、どうにも手を持ち上げるのに抵抗がある。
見ればリィ達も同様らしく、全く動こうとはしない。
「ここの能力者たちがおれたちに力を集中している。――そのせいで動けないんだ」
天井から再び老人達の声が響いた。
「今のおまえは何の力も持たぬただの人じゃが、おまえとそこの小僧はまだ生かしておいてやる。その小僧も面白い力をもっておるようじゃからの」
「もしかしなくとも俺の事かぁ?」
口では緊迫感のない話し方をしながらも、動かない手でどうにか指を鳴らそうとするが動かせない。喋る事が出来るのだからまだ『手はある』が、それをこの老人共へ知らしめるような行動も避けたいところだ。
動かない身体を動かそうとシェラの身体が震えている。レティシアも舌打ちを零していて、リィだけが到って普通に、通信機へと話しかけた。
「――なるべく派手なのがいいな」
『了解』
『派手にだな?』
「そうだ。それも今すぐに」
直後襲った凄まじい揺れに、ロスタイムって何だろうとどうでもいい事を思う。全長三千メートルもある研究施設を揺らせる衝撃というのも凄いが。
変な事を考えながらも身体は動いていて、よろめいた男達を二人ほど切り伏せていた。レティシアなどは怒りに任せて六人の首を飛ばしている。
銅線を巻いているだけの姿を見ただけでは、レティシアがやったなどとは思わないだろう。リィが走り出すのにすかさずシルビ達は後へ続く。
「足を止めるな! また金縛りがくる!」
「走ってりゃあいいのかよ!」
「たぶんな!」
「んな大雑把なぁ!」
とはいえ動いているものを止めるには、何にしたって予想以上の力が必要なものだ。動いていればそれだけ停止させる力も強くしなければならない訳で、自分での思考能力が奪われている者達がそこまで出来るとは思わなかった。
そうしている間にも死体を取り返そうと武装した集団が来て、リィが死体を投げ付けてまで返り討ちにする。
「まったく次から次へと……。おれはただ不用品を捨てたいだけなんだ!」
「ある意味正しいんだけどよ。ちょっとあんまりな言い草に聞こえるのは気のせいかね?」
「安心しろぉ。俺にもそう聞こえるからぁ」
要は痛い目を見たくなければ死体を返せと言っているらしい。自分達でルウの死体をけしかけておいて、勝手な事を言う。
後悔するなよという捨て台詞を残して天井からの声が消え、周囲を囲んでいた男達が撃ってくるかと思いきや、逆にシルビ達から距離を取った。シルビが銃を構えようとすると、どうにも手を持ち上げるのに抵抗がある。
見ればリィ達も同様らしく、全く動こうとはしない。
「ここの能力者たちがおれたちに力を集中している。――そのせいで動けないんだ」
天井から再び老人達の声が響いた。
「今のおまえは何の力も持たぬただの人じゃが、おまえとそこの小僧はまだ生かしておいてやる。その小僧も面白い力をもっておるようじゃからの」
「もしかしなくとも俺の事かぁ?」
口では緊迫感のない話し方をしながらも、動かない手でどうにか指を鳴らそうとするが動かせない。喋る事が出来るのだからまだ『手はある』が、それをこの老人共へ知らしめるような行動も避けたいところだ。
動かない身体を動かそうとシェラの身体が震えている。レティシアも舌打ちを零していて、リィだけが到って普通に、通信機へと話しかけた。
「――なるべく派手なのがいいな」
『了解』
『派手にだな?』
「そうだ。それも今すぐに」
直後襲った凄まじい揺れに、ロスタイムって何だろうとどうでもいい事を思う。全長三千メートルもある研究施設を揺らせる衝撃というのも凄いが。
変な事を考えながらも身体は動いていて、よろめいた男達を二人ほど切り伏せていた。レティシアなどは怒りに任せて六人の首を飛ばしている。
銅線を巻いているだけの姿を見ただけでは、レティシアがやったなどとは思わないだろう。リィが走り出すのにすかさずシルビ達は後へ続く。
「足を止めるな! また金縛りがくる!」
「走ってりゃあいいのかよ!」
「たぶんな!」
「んな大雑把なぁ!」
とはいえ動いているものを止めるには、何にしたって予想以上の力が必要なものだ。動いていればそれだけ停止させる力も強くしなければならない訳で、自分での思考能力が奪われている者達がそこまで出来るとは思わなかった。
そうしている間にも死体を取り返そうと武装した集団が来て、リィが死体を投げ付けてまで返り討ちにする。
「まったく次から次へと……。おれはただ不用品を捨てたいだけなんだ!」
「ある意味正しいんだけどよ。ちょっとあんまりな言い草に聞こえるのは気のせいかね?」
「安心しろぉ。俺にもそう聞こえるからぁ」