オンタロスの剣
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「これはもうルーファじゃない。――正確に言うと、ルーファはもうここにはいないんだ」
そう言って飛び出すリィに、ルウも対峙して襲い掛かる。下手に援護も出来やしない程互いの距離が近く、シルビが撃つのは無理に等しい。
レティシアとシェラも手を出しあぐねており、なかなか手が出せないでいる。それもそうだろう。
今のルウは『生きた死体』なだけあって痛みも疲労も感じていまい。更に言うなら呼吸もしていないだろうから息継ぎの隙を待つことも出来ず、多少骨が折れたところで動き続けるに違いなかった。
せめて動きが鈍ればいいのにと考えて、シルビは思考を巡らせる。雨の炎をぶつけても、動かしているのは制御側の超能力者なのでその鎮静の力に打ち勝てる圧力で動かされれば意味が無い。では嵐の炎でルウの身体を分解するのもあまり意味が無いだろう。
「じゃあコレしか無ぇよ、なぁ!」
ルウと対峙している三人の位置を確かめ、シルビは左手に持っていたナイフの切っ先をルウへ向け、指を鳴らす動作をする。途端ルウの足元の床から植物の蔓が床を突き破って現れ、ルウの足へと絡みついた。
流石にそれには反応できずに体勢を崩したルウの身体を、リィの剣が真っ向から切り下ろす。
心臓は動いていたのか、血しぶきが飛んでレーザーの剣が手から落ちた。
ぱたりと倒れ完全に動かなくなった相手へ、床から伸びる蔓が絡みつく。息を切らせながらリィがシルビを振り返った。
「これはシルビが?」
「Si 超能力とは言ってくれるなよぉ」
「言わないさ」
幻覚で作り上げた蔓は動かないルウの身体を雁字搦めにしている。念の為の行動だったが、同時に『後戻り出来ないな』と思ったのもシルビだ。
流石にここまでやって、もう『一般人です』なんて絶対に言えない。チラリとレティシアとシェラの反応を窺うが、二人も特に何かを言ってくる様子はなく、倒れたルウへ警戒している。
無理だったのだろうか、一般人なんて。
通信端末でこの施設内での廃棄物処理法を尋ねていたリィに、レティシアが驚きながらルウの身体を処分するのかと聞いている。分解炉へ突っ込むなどシルビも少し躊躇しかけたが、ルウを倒す際に嵐の炎で分解する事も考えたことを思い出した為、何も言えなかった。
シェラとレティシアが何を言っても、もう分解するつもりらしいリィがルウへと近付くのに指を鳴らして幻覚の蔓を消す。
「それだけ『魔法』を使っておいて、何も制約が無いなんてな」
「魔法じゃねぇよ。『友人の力』だぁ」
シルビ以外の何も知らない者達から見れば、『魔法』である事に変わりはないのだろうが。
そう言って飛び出すリィに、ルウも対峙して襲い掛かる。下手に援護も出来やしない程互いの距離が近く、シルビが撃つのは無理に等しい。
レティシアとシェラも手を出しあぐねており、なかなか手が出せないでいる。それもそうだろう。
今のルウは『生きた死体』なだけあって痛みも疲労も感じていまい。更に言うなら呼吸もしていないだろうから息継ぎの隙を待つことも出来ず、多少骨が折れたところで動き続けるに違いなかった。
せめて動きが鈍ればいいのにと考えて、シルビは思考を巡らせる。雨の炎をぶつけても、動かしているのは制御側の超能力者なのでその鎮静の力に打ち勝てる圧力で動かされれば意味が無い。では嵐の炎でルウの身体を分解するのもあまり意味が無いだろう。
「じゃあコレしか無ぇよ、なぁ!」
ルウと対峙している三人の位置を確かめ、シルビは左手に持っていたナイフの切っ先をルウへ向け、指を鳴らす動作をする。途端ルウの足元の床から植物の蔓が床を突き破って現れ、ルウの足へと絡みついた。
流石にそれには反応できずに体勢を崩したルウの身体を、リィの剣が真っ向から切り下ろす。
心臓は動いていたのか、血しぶきが飛んでレーザーの剣が手から落ちた。
ぱたりと倒れ完全に動かなくなった相手へ、床から伸びる蔓が絡みつく。息を切らせながらリィがシルビを振り返った。
「これはシルビが?」
「Si 超能力とは言ってくれるなよぉ」
「言わないさ」
幻覚で作り上げた蔓は動かないルウの身体を雁字搦めにしている。念の為の行動だったが、同時に『後戻り出来ないな』と思ったのもシルビだ。
流石にここまでやって、もう『一般人です』なんて絶対に言えない。チラリとレティシアとシェラの反応を窺うが、二人も特に何かを言ってくる様子はなく、倒れたルウへ警戒している。
無理だったのだろうか、一般人なんて。
通信端末でこの施設内での廃棄物処理法を尋ねていたリィに、レティシアが驚きながらルウの身体を処分するのかと聞いている。分解炉へ突っ込むなどシルビも少し躊躇しかけたが、ルウを倒す際に嵐の炎で分解する事も考えたことを思い出した為、何も言えなかった。
シェラとレティシアが何を言っても、もう分解するつもりらしいリィがルウへと近付くのに指を鳴らして幻覚の蔓を消す。
「それだけ『魔法』を使っておいて、何も制約が無いなんてな」
「魔法じゃねぇよ。『友人の力』だぁ」
シルビ以外の何も知らない者達から見れば、『魔法』である事に変わりはないのだろうが。