オンタロスの剣
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惑星グールーの研究用拠点、通称《ネレウス》へ近付けば、《ネレウス》から停船指示と通信文が寄越される。リィに来てくれという以外には無駄な事の書かれていない通信文に、素直に連結橋から送迎艇へ乗り込むリィへ続いて、シェラとレティシア、シルビも乗り込んだ。
それぞれダイアナから渡された発信機を偽装して身に付け、完全武装してもいる。とはいえシルビは自分のナイフと銃だけで、リィ達の様にレーザーの剣は携帯していない。リィ達はリィ達で銃を持ってはいなかった。
自動操縦で迎えに来たらしい送迎艇は、やはり自動操縦で動き出す。短い距離を移動し、《ネレウス》の発着場で降りて隔壁扉をくぐれば、顔色の悪い男が案内役として待っていた。
ワイス・アーヴィンと名乗ったその男の目は濁っており、とても視力があるとは思えない。それでも案内する歩調に淀みはなく、シルビは最後尾を歩きながら納得する。
精神感応能力者がいるという話だったが、彼もその一人なのだろう。見えなくなったからその能力が発現したのかは謎だが。
途中でこの先はリィだけで、と広々とした部屋へとシルビ達三人は残され、リィのことをひたすら心配しているシェラを少しからかったレティシアが、壁に触れていたシルビを振り返った。
「何かわかるか」
「俺は超能力者じゃねぇんだけど……何かがコッチを見てる気配がする」
「監視カメラですか?」
「そこまで機械的じゃ……ああそっか、『サブジェイ』に似てんのかぁ」
「『サブジェイ』?」
不思議そうに繰り返すシェラに、その名前を聞いた覚えはないだろう。もう今は何処へ居るのかも分からない相手だ。そして人間として紹介するにはいささか言葉を選ぶ。
視線の元凶を探しながらもなんて説明しようか考えていると、急に部屋の扉が開いた。反射的にシルビは銃を抜いて構え、扉を開けた『物体』を撃つ。
撃たれてよろけた相手はルウだった。
「えっ」
「シルビ! なんて事を!?」
シェラに怒鳴られるも、シルビ自身信じられない気持ちでよろけているルウを見る。確かに自分は扉を開けたものを『物体』だと認識したからこそ撃ったのだ。味方を、ましてや知り合いを撃つなんて殺されたってしない。
ではどうして自分は撃ったのかと考えたところで、ルウが剣を抜きながら斬りつけてきた。そんなに怒ったのかと慌てて謝ろうとして、ルウが狙っているのはシルビだけではないことに気付く。
「やめてください! どうしたんです!?」
「馬鹿野郎! 言うだけ無駄だ! 分からねえのか。こいつまともじゃないぜ!」
レティシアの怒声にシェラは必死にルウの攻撃を避け続ける。シルビもどうにか止めようとルウへ撃ち込むが、レーザーの剣で弾が切られるかはじかれて終わりだ。
それぞれダイアナから渡された発信機を偽装して身に付け、完全武装してもいる。とはいえシルビは自分のナイフと銃だけで、リィ達の様にレーザーの剣は携帯していない。リィ達はリィ達で銃を持ってはいなかった。
自動操縦で迎えに来たらしい送迎艇は、やはり自動操縦で動き出す。短い距離を移動し、《ネレウス》の発着場で降りて隔壁扉をくぐれば、顔色の悪い男が案内役として待っていた。
ワイス・アーヴィンと名乗ったその男の目は濁っており、とても視力があるとは思えない。それでも案内する歩調に淀みはなく、シルビは最後尾を歩きながら納得する。
精神感応能力者がいるという話だったが、彼もその一人なのだろう。見えなくなったからその能力が発現したのかは謎だが。
途中でこの先はリィだけで、と広々とした部屋へとシルビ達三人は残され、リィのことをひたすら心配しているシェラを少しからかったレティシアが、壁に触れていたシルビを振り返った。
「何かわかるか」
「俺は超能力者じゃねぇんだけど……何かがコッチを見てる気配がする」
「監視カメラですか?」
「そこまで機械的じゃ……ああそっか、『サブジェイ』に似てんのかぁ」
「『サブジェイ』?」
不思議そうに繰り返すシェラに、その名前を聞いた覚えはないだろう。もう今は何処へ居るのかも分からない相手だ。そして人間として紹介するにはいささか言葉を選ぶ。
視線の元凶を探しながらもなんて説明しようか考えていると、急に部屋の扉が開いた。反射的にシルビは銃を抜いて構え、扉を開けた『物体』を撃つ。
撃たれてよろけた相手はルウだった。
「えっ」
「シルビ! なんて事を!?」
シェラに怒鳴られるも、シルビ自身信じられない気持ちでよろけているルウを見る。確かに自分は扉を開けたものを『物体』だと認識したからこそ撃ったのだ。味方を、ましてや知り合いを撃つなんて殺されたってしない。
ではどうして自分は撃ったのかと考えたところで、ルウが剣を抜きながら斬りつけてきた。そんなに怒ったのかと慌てて謝ろうとして、ルウが狙っているのはシルビだけではないことに気付く。
「やめてください! どうしたんです!?」
「馬鹿野郎! 言うだけ無駄だ! 分からねえのか。こいつまともじゃないぜ!」
レティシアの怒声にシェラは必死にルウの攻撃を避け続ける。シルビもどうにか止めようとルウへ撃ち込むが、レーザーの剣で弾が切られるかはじかれて終わりだ。