オンタロスの剣
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それから約四日。ヴァンツァーをベティのいる惑星プラティスへと運ぶ《パラス・アテナ》へ同乗させてもらい、シルビはダイアナに手伝ってもらってひたすら調べ事をしていた。
リィ達はまだ手掛かりが何も無いからと学校へ通い続けている。何か見つかり次第連絡するとは言ってあるものの、シルビも少し業を煮やしていた。
何せ後手に回っている分手掛かりが何も無いのだ。
いや、あることにはあるのだが、それをシルビはこの期に及んでまだ『使いたくない』と考えてしまっている。
『×××』。シルビが持つ『謎の検索機能』だ。
本来は検索機能なんて可愛らしいものではないだろうが、言葉で表現すればそうなる。それを使えばこの世界の何処かに居るであろうルウの居場所など、僅かな頭痛と引き換えに一瞬で判明するだろう。
使ったらリィ達にも引かれるとか、そう考えているのかもしれない。かつて『居た』世界では、その世界で最初に支えだとした人へシルビは裏切られている。
いきなり通信音が響いてシルビはハッと顔を上げた。いつの間にか違う事を考えていたのだと気付き、慌ててダイアナがリィから座標が送られてきたと言っているのに耳を傾ける。
堂々とルウをかどわかした者から届けられたらしいそれは、惑星グールーを示しているものだとダイアナが言った。
連邦の自然文化財に登録されており、居住どころか特別な許可が無ければ上陸すら出来ない星である。
「おまえ一人で来いとは言われてないんだな?」
『ああ。それは難しいって話してたところなんだ――連れていってくれるか?』
「聞くだけ野暮だぜ」
リィの出来れば今すぐ行くという返事を聞いて通信を切ったケリーが、シルビを振り返った。
「おまえはどうする?」
「……行く」
「なんだ。もう『一般人ごっこ』はいいのか?」
お前が言うなという意味を込めて睨めば、ケリーは肩を竦めて椅子へ座り直す。
「前にも言ったけどな。『アイツ』がお前に『一般人ぶってほしい』なんて考えないと思うぜ?」
「……そんなの俺が一番分かってるつもりだぁ。俺は――『イブリス』は海賊で、間違っても平穏な生活をしていた者じゃねぇ。でも、それでも『ジャック』が時々悩んでたのも知ってる。一回でいい。一回でいいから普通に生きていけるとこも見せてぇ。それは悪い事かぁ?」
「いや、悪い事ではないだろうさ。だがな『イブリス』、そんなに『普通』に固執するのは間違ってると思うぞ」
あえて『イブリス』と呼んだ海賊王に、シルビは左手首の腕輪へ触れながら視線を逸らした。
「……とりあえず、今はリィ達に手を貸すことだけ考えてぇ」
「そうだな」
リィ達はまだ手掛かりが何も無いからと学校へ通い続けている。何か見つかり次第連絡するとは言ってあるものの、シルビも少し業を煮やしていた。
何せ後手に回っている分手掛かりが何も無いのだ。
いや、あることにはあるのだが、それをシルビはこの期に及んでまだ『使いたくない』と考えてしまっている。
『×××』。シルビが持つ『謎の検索機能』だ。
本来は検索機能なんて可愛らしいものではないだろうが、言葉で表現すればそうなる。それを使えばこの世界の何処かに居るであろうルウの居場所など、僅かな頭痛と引き換えに一瞬で判明するだろう。
使ったらリィ達にも引かれるとか、そう考えているのかもしれない。かつて『居た』世界では、その世界で最初に支えだとした人へシルビは裏切られている。
いきなり通信音が響いてシルビはハッと顔を上げた。いつの間にか違う事を考えていたのだと気付き、慌ててダイアナがリィから座標が送られてきたと言っているのに耳を傾ける。
堂々とルウをかどわかした者から届けられたらしいそれは、惑星グールーを示しているものだとダイアナが言った。
連邦の自然文化財に登録されており、居住どころか特別な許可が無ければ上陸すら出来ない星である。
「おまえ一人で来いとは言われてないんだな?」
『ああ。それは難しいって話してたところなんだ――連れていってくれるか?』
「聞くだけ野暮だぜ」
リィの出来れば今すぐ行くという返事を聞いて通信を切ったケリーが、シルビを振り返った。
「おまえはどうする?」
「……行く」
「なんだ。もう『一般人ごっこ』はいいのか?」
お前が言うなという意味を込めて睨めば、ケリーは肩を竦めて椅子へ座り直す。
「前にも言ったけどな。『アイツ』がお前に『一般人ぶってほしい』なんて考えないと思うぜ?」
「……そんなの俺が一番分かってるつもりだぁ。俺は――『イブリス』は海賊で、間違っても平穏な生活をしていた者じゃねぇ。でも、それでも『ジャック』が時々悩んでたのも知ってる。一回でいい。一回でいいから普通に生きていけるとこも見せてぇ。それは悪い事かぁ?」
「いや、悪い事ではないだろうさ。だがな『イブリス』、そんなに『普通』に固執するのは間違ってると思うぞ」
あえて『イブリス』と呼んだ海賊王に、シルビは左手首の腕輪へ触れながら視線を逸らした。
「……とりあえず、今はリィ達に手を貸すことだけ考えてぇ」
「そうだな」