オンタロスの剣
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携帯端末が鳴った事で目を覚ました。時間を確認すれば早朝と言うにも早い時間で、尚且つ非通知の相手にベッドから起き上がらずに通信を繋ぐ。
「お前さぁ、コッチの時間分かっててやってんのかぁ?」
『おはようございます。今日も晴天のよい天気となるでしょう。うふふ』
「天気予報はいらねぇ」
枕を抱え込むように上体をそらし、携帯端末から聞こえる三姉弟の長女の声へと耳を傾けた。
『昨日未明ですが、少しわずらわしい事が起こったようですね。無いとは思いますが念の為を考えご連絡させていただきました』
「わずらわしい事?」
『ご友人が巻き込まれておりますわ』
「……マギー。今の『俺』に『友人』はいねぇ」
端末の向こうの声が笑いを含む。
『そう考えているのは貴方だけのよう。貴方の悪い癖ね』
「お前にまで言われるとはなぁ」
本気だろうが冗談はそれくらいにして、シルビは前髪を掻き上げた。寝ている時は髪を縛っていないので、ざっくばらんに毛先がシーツの上に散らばっている。
『不老不死へ拘る者の気持ちは私には理解出来ないのだけれど、禁忌を犯してまで欲しいものかしら』
「……神代の時代の神々さえ欲しがったモンだからなぁ。で、何を教えてくれんだぁ?」
『闇の中でも太陽の明かりは目立つけれど、目立ちすぎると近付けているか分からないものよ。同じものは混ざりやすいわ』
相変わらず漠然としたヒントだ。明確な事を言わない制約でも有るのかと思ってしまうが、おそらくそうではなくて本人達は明確に言っているつもりなのだろう。
コレに長いこと付き合っていれば、リィ達とハンス達のような『一般人』の間を取り持つなんて簡単だというものだ。これからの自分の身の振り次第で、それもどうなるかという話ではあるが。
手を突いて起き上がってベッドの縁へ座り直し、丁度いいからと尋ねてみる。
「俺は馬鹿だと思うかぁ?」
『あら、貴方が愚者でなかったことがあって?』
「愚問ってことかぁ」
『でも忘れないで。愚者は“始まり”よ。それに“刑死者”である貴方は常に試練を受けている』
「……それ結局、悩み過ぎって話だろぉ」
『うふふ』
切れた通信に舌打ちして立ち上がった。
学校へ行く前にリィかケリーへ伝えておいた方がいいだろう。そう考えて着替えている途中、棚へ隠している武器の事を思い出して棚を振り返り、考え直して部屋を出た。
自室より下の階にあるリィの部屋を尋ねてみたが姿は無く、談話室や通信室のある階下へと向かえば、階段を上がってくるところだったリィとかち会う。
「おはようリィ。……朝から悪ぃけど最近ルウに何かあったかぁ?」
尋ねた途端顔色を変えるリィに、サテどうしたものかと思った。
「お前さぁ、コッチの時間分かっててやってんのかぁ?」
『おはようございます。今日も晴天のよい天気となるでしょう。うふふ』
「天気予報はいらねぇ」
枕を抱え込むように上体をそらし、携帯端末から聞こえる三姉弟の長女の声へと耳を傾けた。
『昨日未明ですが、少しわずらわしい事が起こったようですね。無いとは思いますが念の為を考えご連絡させていただきました』
「わずらわしい事?」
『ご友人が巻き込まれておりますわ』
「……マギー。今の『俺』に『友人』はいねぇ」
端末の向こうの声が笑いを含む。
『そう考えているのは貴方だけのよう。貴方の悪い癖ね』
「お前にまで言われるとはなぁ」
本気だろうが冗談はそれくらいにして、シルビは前髪を掻き上げた。寝ている時は髪を縛っていないので、ざっくばらんに毛先がシーツの上に散らばっている。
『不老不死へ拘る者の気持ちは私には理解出来ないのだけれど、禁忌を犯してまで欲しいものかしら』
「……神代の時代の神々さえ欲しがったモンだからなぁ。で、何を教えてくれんだぁ?」
『闇の中でも太陽の明かりは目立つけれど、目立ちすぎると近付けているか分からないものよ。同じものは混ざりやすいわ』
相変わらず漠然としたヒントだ。明確な事を言わない制約でも有るのかと思ってしまうが、おそらくそうではなくて本人達は明確に言っているつもりなのだろう。
コレに長いこと付き合っていれば、リィ達とハンス達のような『一般人』の間を取り持つなんて簡単だというものだ。これからの自分の身の振り次第で、それもどうなるかという話ではあるが。
手を突いて起き上がってベッドの縁へ座り直し、丁度いいからと尋ねてみる。
「俺は馬鹿だと思うかぁ?」
『あら、貴方が愚者でなかったことがあって?』
「愚問ってことかぁ」
『でも忘れないで。愚者は“始まり”よ。それに“刑死者”である貴方は常に試練を受けている』
「……それ結局、悩み過ぎって話だろぉ」
『うふふ』
切れた通信に舌打ちして立ち上がった。
学校へ行く前にリィかケリーへ伝えておいた方がいいだろう。そう考えて着替えている途中、棚へ隠している武器の事を思い出して棚を振り返り、考え直して部屋を出た。
自室より下の階にあるリィの部屋を尋ねてみたが姿は無く、談話室や通信室のある階下へと向かえば、階段を上がってくるところだったリィとかち会う。
「おはようリィ。……朝から悪ぃけど最近ルウに何かあったかぁ?」
尋ねた途端顔色を変えるリィに、サテどうしたものかと思った。