暁の天使
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こんなところでそんな言葉を聞くとはシルビは思っていなかった。ただ一言『とある人達』へ言いたいことがあっただけだというのに、これは随分と収穫があるかもしれないと期待する。
「貴方方が先程から仰っている『ルーファセルミィ』が堕ちなければ、この世界は滅ばねぇと?」
「……その通りです。『亜種なる方』」
ガイアという女性はやはりシルビを知っているようだった。
「では『ルーファセルミィ』は俺の兄の?」
「いいえ。貴方の兄君を私達は知りません。ですがルーファセルミィは守っているわけではないのでしょう」
「……『扉の向こう側』?」
「貴方がそう表現するのなら」
リィとケリーは何の事か分かっていないようだったが、シルビでさえ上手く説明出来ないので今は完璧放置する。
「『ルーファセルミィ』は何者で?」
「おれの相棒だ」
即答したのはリィだった。
「シルビ。『亜種なる方』ってなんだ? お前は何を……」
「その『ルーファセルミィ』がリィの相棒ならリィに聞く。リィを手伝ったら『ルーファセルミィ』に幾つか質問をしてぇ」
「……手伝うって、シルビに何が出来るんだ」
「少なくとも海賊船の操縦とそれなりの戦闘は出来るぜぇ。もちろん今までも手伝うつもりだった。だがそれがボランティアからアルバイトへ変わったんだぁ。駄目ならボランティアになるだけ」
リィが画面越しにシルビを見る。碧色の激しい眼だ。背筋に冷たいものが走る。
「……全部終わったら、そっちもいろいろ説明してくれ」
「Si 金色戦士の『仰せのままに』」
ダイアナへ頼んで通信を一度切ってもらい、シルビは全身に篭もっていた緊張を解いて深く息を吐いた。
こんなに緊張したのは久しぶりかもしれない。年下に対してどころか、画面越しにでさえ緊張するとは流石に思っていなかった。
「大丈夫?」
「……うん」
腰にあるウォレットチェーンの飾り部分をそっと撫でてシルビは顔を上げる。アドミラル星系へ《ショウ駆動機関》で飛ぶという指示が客室に居るケリーから来ていた。
シルビにとって馴染みがあるのはどちらかというと《門》のほうなのだが、決してショウ駆動機関が扱えないという事は無い。それに今は初めて協力するとは言えあの《クレイジー・ダイアナ》が一緒だ。これで間違いを起こせという方が無理だと断言できる。
跳躍地点は惑星アドミラルの重力圏外ギリギリの場所で、分かっていたといえども久しぶりの感覚にゾクゾクした。
惑星の軌道上を周回している、かつて《クーアキングダム》と呼ばれた宇宙船へ接近しながらダイアナが話しかけてくる。
「腕前は鈍っていないどころか昔より冴えてるみたいね」
「今の俺は操縦課程をまともに学んでる学生だぜぇ。そうでなくとも『昔』と変わったからなぁ」
「貴方方が先程から仰っている『ルーファセルミィ』が堕ちなければ、この世界は滅ばねぇと?」
「……その通りです。『亜種なる方』」
ガイアという女性はやはりシルビを知っているようだった。
「では『ルーファセルミィ』は俺の兄の?」
「いいえ。貴方の兄君を私達は知りません。ですがルーファセルミィは守っているわけではないのでしょう」
「……『扉の向こう側』?」
「貴方がそう表現するのなら」
リィとケリーは何の事か分かっていないようだったが、シルビでさえ上手く説明出来ないので今は完璧放置する。
「『ルーファセルミィ』は何者で?」
「おれの相棒だ」
即答したのはリィだった。
「シルビ。『亜種なる方』ってなんだ? お前は何を……」
「その『ルーファセルミィ』がリィの相棒ならリィに聞く。リィを手伝ったら『ルーファセルミィ』に幾つか質問をしてぇ」
「……手伝うって、シルビに何が出来るんだ」
「少なくとも海賊船の操縦とそれなりの戦闘は出来るぜぇ。もちろん今までも手伝うつもりだった。だがそれがボランティアからアルバイトへ変わったんだぁ。駄目ならボランティアになるだけ」
リィが画面越しにシルビを見る。碧色の激しい眼だ。背筋に冷たいものが走る。
「……全部終わったら、そっちもいろいろ説明してくれ」
「Si 金色戦士の『仰せのままに』」
ダイアナへ頼んで通信を一度切ってもらい、シルビは全身に篭もっていた緊張を解いて深く息を吐いた。
こんなに緊張したのは久しぶりかもしれない。年下に対してどころか、画面越しにでさえ緊張するとは流石に思っていなかった。
「大丈夫?」
「……うん」
腰にあるウォレットチェーンの飾り部分をそっと撫でてシルビは顔を上げる。アドミラル星系へ《ショウ駆動機関》で飛ぶという指示が客室に居るケリーから来ていた。
シルビにとって馴染みがあるのはどちらかというと《門》のほうなのだが、決してショウ駆動機関が扱えないという事は無い。それに今は初めて協力するとは言えあの《クレイジー・ダイアナ》が一緒だ。これで間違いを起こせという方が無理だと断言できる。
跳躍地点は惑星アドミラルの重力圏外ギリギリの場所で、分かっていたといえども久しぶりの感覚にゾクゾクした。
惑星の軌道上を周回している、かつて《クーアキングダム》と呼ばれた宇宙船へ接近しながらダイアナが話しかけてくる。
「腕前は鈍っていないどころか昔より冴えてるみたいね」
「今の俺は操縦課程をまともに学んでる学生だぜぇ。そうでなくとも『昔』と変わったからなぁ」