ヴェロニカの嵐
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リィはやはりシルビの背中へミミズ腫れが浮かび上がった頃に背中を銃で撃たれており、更には足を痛めていて歩けないらしかった。医療施設のある星へ着くまで、《ピグマリオンⅡ》内の医療機器の中に居るリィへシェラが付き添っている。
他の生徒達がいる部屋からそこへ向かったシルビは、機器の中で今は眠っているらしいリィを見てから、シェラが握り締めているウォレットチェーンを見た。
「邪魔だから外したらしいなぁ」
「……お返しします」
「まだ君が持ってなさい」
シルビの背中の痛みは、救出される少し前からやんわりと引いていっている。おそらくその頃にリィが医療機器の中へ入れられたからだろうが、ウォレットチェーンがシェラへ渡っている事を考えると、単にリィの身体から離れたからという可能性もあるのでよく分からない。
ただ、医療機器へリィを入れる際にウォレットチェーンを渡されたダン船長曰く、リィは思っているより痛くないのだと不思議がっていたらしいので、やはり痛みがシルビへと移って半減していたのではと思う。貰い物で今まで他人に貸したことも無かった代物である為、ただの装飾品だという認識を改めるべきかもしれない。
くれた相手が相手だし。
リィが背中だけではなく足も痛めている事は、シェラへは言わなかった。こちらは見ただけでは分からない負傷の仕方をしているので、おそらくシェラも気付いてはいまい。
どうせ医療施設で診察されれば分かることだが、今此処で不安を増やしても仕方ないだろう。
「……船長が、通信でヴァレンタイン卿達を向かっている星へ来るように頼んだそうだぁ」
「そうですか」
「……ルウもそこへ向かってるらしい。付き添ってるのはいいがここにきて根を詰め過ぎて倒れたりするなよぉ」
「そう、ですね」
「シェラ」
「分かってます。でももう少し」
座っているシェラをもう一度見て、シルビはその肩を叩く。
「眠くなったら言えぇ。その間は代わりに起きててやるからぁ」
「……はい」
入口の傍で椅子に座り、腕を組んで壁へ寄り掛かる。壁へ押し付けた背中が地味に痛んだが、どうせ暫くすれば治まる痛みなので無視した。
医療施設のある星へ着く前に、出来れば腫れは引いて欲しい。でないと謎の腫れとして入院させられるかもしれないだろう。それはそれで御免被る。
とりあえずシルビは寮の個室のような、落ち着ける場所で熟睡したい。結局半月以上シルビは熟睡できていないのだ。入院してしまえばそれも出来なくなる。
ダン船長から聞いた話ではまだ手掛かりさえ見つかっていないらしい、一体誰がこんな手の込んだ誘拐を企てたのかという謎の解決は、その後でも十分だと思った。
他の生徒達がいる部屋からそこへ向かったシルビは、機器の中で今は眠っているらしいリィを見てから、シェラが握り締めているウォレットチェーンを見た。
「邪魔だから外したらしいなぁ」
「……お返しします」
「まだ君が持ってなさい」
シルビの背中の痛みは、救出される少し前からやんわりと引いていっている。おそらくその頃にリィが医療機器の中へ入れられたからだろうが、ウォレットチェーンがシェラへ渡っている事を考えると、単にリィの身体から離れたからという可能性もあるのでよく分からない。
ただ、医療機器へリィを入れる際にウォレットチェーンを渡されたダン船長曰く、リィは思っているより痛くないのだと不思議がっていたらしいので、やはり痛みがシルビへと移って半減していたのではと思う。貰い物で今まで他人に貸したことも無かった代物である為、ただの装飾品だという認識を改めるべきかもしれない。
くれた相手が相手だし。
リィが背中だけではなく足も痛めている事は、シェラへは言わなかった。こちらは見ただけでは分からない負傷の仕方をしているので、おそらくシェラも気付いてはいまい。
どうせ医療施設で診察されれば分かることだが、今此処で不安を増やしても仕方ないだろう。
「……船長が、通信でヴァレンタイン卿達を向かっている星へ来るように頼んだそうだぁ」
「そうですか」
「……ルウもそこへ向かってるらしい。付き添ってるのはいいがここにきて根を詰め過ぎて倒れたりするなよぉ」
「そう、ですね」
「シェラ」
「分かってます。でももう少し」
座っているシェラをもう一度見て、シルビはその肩を叩く。
「眠くなったら言えぇ。その間は代わりに起きててやるからぁ」
「……はい」
入口の傍で椅子に座り、腕を組んで壁へ寄り掛かる。壁へ押し付けた背中が地味に痛んだが、どうせ暫くすれば治まる痛みなので無視した。
医療施設のある星へ着く前に、出来れば腫れは引いて欲しい。でないと謎の腫れとして入院させられるかもしれないだろう。それはそれで御免被る。
とりあえずシルビは寮の個室のような、落ち着ける場所で熟睡したい。結局半月以上シルビは熟睡できていないのだ。入院してしまえばそれも出来なくなる。
ダン船長から聞いた話ではまだ手掛かりさえ見つかっていないらしい、一体誰がこんな手の込んだ誘拐を企てたのかという謎の解決は、その後でも十分だと思った。