不死鳥の騎士団
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Side ハーマイオニー
『……子供だから信用ならないと。では結構。信用していただけないのでしたら俺はここに居る意味も無いでしょう』
『おいシルビ……』
『ああそうだ。この場所の事は親友と妹に賭けて、誰にも話さないことを明言しておきます』
シリウスの実家であるグリモールド・プレイス十二番地の、不死鳥の騎士団本部となった家の厨房で、数時間前にやって来たシルビとムーディやシリウスの声が『伸び耳』越しに聞こえてくる。
けれどもそれはすぐ開けられるドアの音と肉声に取って代わり、盗み聞きしていたハーマイオニーたちは慌てて隠れながらも様子が見えそうな場所へ移動した。
玄関ホールでシルビの頭が見える。季節はずれのコートと手には帽子。そのすぐ傍には付き従うようにデイモン・スペードが見えた。
「デイモン、お前は悪ぃけど残って二世とコディーを頼む。ジョット達が来れないここで見た目だけでも保護者の役割が必要な時、お前が居た方が二人も助かるだろぉ。……騎士団に協力は、お前の好きにすりゃいい」
「貴方はどうするんですか?」
「夏休みが終わるまでは勝手にする。学校へ行く前には必ず連絡を入れるから、後は頼む」
「気を付けてくださいね」
シルビが帽子を被って外へ出て行く。隠れているハーマイオニーへも聞こえるほどの溜め息を吐いたデイモンの後ろから、シリウスとルーピンが出てきた。
「デイモン、復讐者は……」
「もう行ってしまいましたよ。ヌフフ……まったく狭量な方ばかりですね」
「ムーディにも悪気があった訳では」
「ですがミスタ・ルーピン。これで貴方達は復讐者とは協力が出来なくなったも同然です。僕はシルビの頼みでここへ残りますが、戦力とは捉えないでください」
再びドアの開く音がして、今度は二世とココディーロが姿を現す。階段の手摺りから見つからないように身を乗り出すと、ココディーロが気付いて目が合った。慌てて一度引っ込むが、ココディーロ以外は気が付かなかったらしい。
「あの馬鹿はもう行ったのか」
「ええ、お二人はどうなされるおつもりで?」
「ここに残る。近いうちにハリーを迎え入れるらしいからな。お前を残して行ったという事はオレ達が残る事が分かってたんだろう」
「学校が始まる前には必ず連絡をするそうです」
「そうか。……早く大人になりたいと言っていたが、ムーディの言葉を聞いてしまってはオレもそう思ってしまうな。デイモン、協力するかは好きにすればいいが、会議はオレの代わりに聞くようにしてくれ」
「Si」
優雅に二世へ頭を下げるデイモンに、二世とココディーロが階段を上がってこようと手摺りへ手を掛けるのを見て、ハーマイオニーたちは慌てて盗み聞きしていたのがばれない様に部屋へと戻る。
音がしないように閉めたドアの向こうで、ゆっくり階段を上がってくる音。それを聞きながら、ハーマイオニーはあのシルビが仲間になれなかったことをじんわりと理解していった。
『……子供だから信用ならないと。では結構。信用していただけないのでしたら俺はここに居る意味も無いでしょう』
『おいシルビ……』
『ああそうだ。この場所の事は親友と妹に賭けて、誰にも話さないことを明言しておきます』
シリウスの実家であるグリモールド・プレイス十二番地の、不死鳥の騎士団本部となった家の厨房で、数時間前にやって来たシルビとムーディやシリウスの声が『伸び耳』越しに聞こえてくる。
けれどもそれはすぐ開けられるドアの音と肉声に取って代わり、盗み聞きしていたハーマイオニーたちは慌てて隠れながらも様子が見えそうな場所へ移動した。
玄関ホールでシルビの頭が見える。季節はずれのコートと手には帽子。そのすぐ傍には付き従うようにデイモン・スペードが見えた。
「デイモン、お前は悪ぃけど残って二世とコディーを頼む。ジョット達が来れないここで見た目だけでも保護者の役割が必要な時、お前が居た方が二人も助かるだろぉ。……騎士団に協力は、お前の好きにすりゃいい」
「貴方はどうするんですか?」
「夏休みが終わるまでは勝手にする。学校へ行く前には必ず連絡を入れるから、後は頼む」
「気を付けてくださいね」
シルビが帽子を被って外へ出て行く。隠れているハーマイオニーへも聞こえるほどの溜め息を吐いたデイモンの後ろから、シリウスとルーピンが出てきた。
「デイモン、復讐者は……」
「もう行ってしまいましたよ。ヌフフ……まったく狭量な方ばかりですね」
「ムーディにも悪気があった訳では」
「ですがミスタ・ルーピン。これで貴方達は復讐者とは協力が出来なくなったも同然です。僕はシルビの頼みでここへ残りますが、戦力とは捉えないでください」
再びドアの開く音がして、今度は二世とココディーロが姿を現す。階段の手摺りから見つからないように身を乗り出すと、ココディーロが気付いて目が合った。慌てて一度引っ込むが、ココディーロ以外は気が付かなかったらしい。
「あの馬鹿はもう行ったのか」
「ええ、お二人はどうなされるおつもりで?」
「ここに残る。近いうちにハリーを迎え入れるらしいからな。お前を残して行ったという事はオレ達が残る事が分かってたんだろう」
「学校が始まる前には必ず連絡をするそうです」
「そうか。……早く大人になりたいと言っていたが、ムーディの言葉を聞いてしまってはオレもそう思ってしまうな。デイモン、協力するかは好きにすればいいが、会議はオレの代わりに聞くようにしてくれ」
「Si」
優雅に二世へ頭を下げるデイモンに、二世とココディーロが階段を上がってこようと手摺りへ手を掛けるのを見て、ハーマイオニーたちは慌てて盗み聞きしていたのがばれない様に部屋へと戻る。
音がしないように閉めたドアの向こうで、ゆっくり階段を上がってくる音。それを聞きながら、ハーマイオニーはあのシルビが仲間になれなかったことをじんわりと理解していった。