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「藤巻くん、ここいいかな?」
そう言って私は彼の隣に腰掛ける。昼食は余程のことがない限り藤巻くんと一緒に食べている。理由はもう覚えていない。お互いがギルドにいた頃からの習慣だからだ。
日向くんはよく「お前ら付き合ってんの!?」と頬を染めながら言うけど、そういうのじゃないんだよね。
「久尾津おつかれ。今日の昼は何にした?……おっ、和定食か〜焼き魚うまそーじゃん!」
「えぇ?一口あげようか?」
「マジか?!じゃあお言葉に甘えて…」
鮭の塩焼きを一口大に取り分けて、彼の口へ運ぶ。いわゆる、あーんのやり取りだ。
「絶妙な塩加減だな…!俺のラーメンも一口食うか?」
「ありがとう、じゃあ遠慮なく……!」
彼のレンゲも借りて麺とスープをいただく。まだまだ熱い麺に息を吹きかけてゆっくり啜る。うん、美味しい。
「どうだ?美味いか?」
ニカッ、という擬音が聞こえてきそうな笑みを浮かべて藤巻くんは私に問いかける。彼の笑顔に私も同じもので応え、並んで箸を動かす。
話題はいつもの通り、戦線のだれがどうしたとか、武器の話や、最近読んだ本の話とか。
藤巻くんと居ると時間が経つのも忘れちゃう。あっという間に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。もっと一緒にいたいけど、さすがになぁ……などと考えながら私はゆっくり立ち上がる。
「久尾津」
くんっ、と制服の袖を引かれる。その犯人へ視線を落とすと、少し真面目な顔つきをしていた。
どうしたの?と尋ねると彼はあーだのうーだの、頭をかきながら言葉を詰まらせる。何か言いたいことがあると藤巻くんはこうなる。わかっていることなので再度腰を下ろし、根気強くその言葉を待つことに。
「…もすこし、話そうぜ」
ようやく絞り出されたひとことはさっき私が飲み込んだものとほぼ同じで。ほわほわと胸の奥があったかくなるのを感じた。
返答なんて決まってる。イエスだ。私達は揃って立ち上がり、のんびりとトレイを返却しに向かったのだ。
道中、また日向くんと目があって。うんざりしたように「付き合ってるのかよ!」と叫ばれた。訂正しようと口を開いたけど、ちらりと見えた藤巻くんの表情が満更でもない感じで。
そのまま何も言えなくなって、口を噤むしかなかった。
そう言って私は彼の隣に腰掛ける。昼食は余程のことがない限り藤巻くんと一緒に食べている。理由はもう覚えていない。お互いがギルドにいた頃からの習慣だからだ。
日向くんはよく「お前ら付き合ってんの!?」と頬を染めながら言うけど、そういうのじゃないんだよね。
「久尾津おつかれ。今日の昼は何にした?……おっ、和定食か〜焼き魚うまそーじゃん!」
「えぇ?一口あげようか?」
「マジか?!じゃあお言葉に甘えて…」
鮭の塩焼きを一口大に取り分けて、彼の口へ運ぶ。いわゆる、あーんのやり取りだ。
「絶妙な塩加減だな…!俺のラーメンも一口食うか?」
「ありがとう、じゃあ遠慮なく……!」
彼のレンゲも借りて麺とスープをいただく。まだまだ熱い麺に息を吹きかけてゆっくり啜る。うん、美味しい。
「どうだ?美味いか?」
ニカッ、という擬音が聞こえてきそうな笑みを浮かべて藤巻くんは私に問いかける。彼の笑顔に私も同じもので応え、並んで箸を動かす。
話題はいつもの通り、戦線のだれがどうしたとか、武器の話や、最近読んだ本の話とか。
藤巻くんと居ると時間が経つのも忘れちゃう。あっという間に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。もっと一緒にいたいけど、さすがになぁ……などと考えながら私はゆっくり立ち上がる。
「久尾津」
くんっ、と制服の袖を引かれる。その犯人へ視線を落とすと、少し真面目な顔つきをしていた。
どうしたの?と尋ねると彼はあーだのうーだの、頭をかきながら言葉を詰まらせる。何か言いたいことがあると藤巻くんはこうなる。わかっていることなので再度腰を下ろし、根気強くその言葉を待つことに。
「…もすこし、話そうぜ」
ようやく絞り出されたひとことはさっき私が飲み込んだものとほぼ同じで。ほわほわと胸の奥があったかくなるのを感じた。
返答なんて決まってる。イエスだ。私達は揃って立ち上がり、のんびりとトレイを返却しに向かったのだ。
道中、また日向くんと目があって。うんざりしたように「付き合ってるのかよ!」と叫ばれた。訂正しようと口を開いたけど、ちらりと見えた藤巻くんの表情が満更でもない感じで。
そのまま何も言えなくなって、口を噤むしかなかった。
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