P5R
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ようこそ、認知上の世界・マイパレスへ。
どこからか聞こえた声の方向に目をやると、小柄な男の子が立っていた。よく見ると、鼻や耳が作り物めいていて……まるで人形のよう。そんな彼はわたしと目が合うとにっこり微笑んだ。
もう少し詳しく教えてくれる?と頼んだが、それ以上はちょっと難しいかなー、と少年は金色の瞳を細めながら返す。
「えっと、こういう時は確か……そうだ。
考えるな、感じろ、って言うんだよね?」
無邪気な笑みを向けられて、ああこれ以上は何も聞けないなと肌で理解させられた。よくわからないけれど、ありのままを受け入れるしかなさそうだということが。
とにかく。この不思議な空間に存在することを許されているのだ。よくわからないけど害を加えられるわけでもないし。せっかくだから中をゆっくり見て回ることにしよう。そう考えた。
広々とした屋内をゆっくり歩いてみたのだが、目についたのは異形の生物を形取った展示物の数々。そして様々な施設の原寸大ジオラマたちだった。あっ、釣り堀もある。本当に不思議だ。
まるで原寸大のドールハウスみたい。そんなことを考えていると、わぁっという歓声が聞こえてくる。なんだろうと視線を向けると、プレイコーナーのような一角があり。なにかのゲームに興じている様子だった。
距離があるため詳しくはわからなかったが、聞こえてくるやり取りから察するに「大富豪」で盛り上がっているようだ。声の大きな金髪の男の子が興奮したように叫ぶ。
「おいおい!このまま完封勝ちかよ、明智!」
囲まれたギャラリーの隙間から、栗色の髪がちらりと見える。そこにいたのはわたしの幼馴染・明智吾郎だった。
——
「で、どうだったの?勝負の行方は」
「最初は芳しくなかったけど、最終的に逆転勝ち、かな」
口元に手を当て、満足そうに吾郎は微笑む。よっぽどいい勝負になったのだろう、浮かべる笑みは今まで見たことがないほど輝いて見えた。
あの人たちと一緒だから引き出せるのかな。少なくともわたしはここまで楽しそうな吾郎の姿を見たことがない。そんなことを考え、少しあの人たちに嫉妬の感情を抱いた。
「知ってる?ここの内装、変えられるんだってさ」
「そうなの?」
全体的に青を基調とし、上品でありながら不思議な様子の空間になっているけど……変わるんだ。知らなかった。認知ってすごい。
「怪盗団のリーダーに声をかけて頼んでみよう。金ピカの美術館や、大金降り注ぐ銀行とか色々できたんじゃないかな」
「ぴかぴかの美術館に、お金まみれの銀行……なんだか趣味悪いなぁ……」
と、答えはしたが気になって少しワクワクしているのも事実だ。そんなわたしの様子を察知してくれたらしい。
吾郎は楽しそうに目を細め、わたしの手を取る。
せっかくだし一番上の階へ行こう。そう言ってずんずんと歩き始めた。
そんな彼の様子は、幼い頃のそれを彷彿させて。わたしはなんだか幸せな気持ちでいっぱいになった。
どこからか聞こえた声の方向に目をやると、小柄な男の子が立っていた。よく見ると、鼻や耳が作り物めいていて……まるで人形のよう。そんな彼はわたしと目が合うとにっこり微笑んだ。
もう少し詳しく教えてくれる?と頼んだが、それ以上はちょっと難しいかなー、と少年は金色の瞳を細めながら返す。
「えっと、こういう時は確か……そうだ。
考えるな、感じろ、って言うんだよね?」
無邪気な笑みを向けられて、ああこれ以上は何も聞けないなと肌で理解させられた。よくわからないけれど、ありのままを受け入れるしかなさそうだということが。
とにかく。この不思議な空間に存在することを許されているのだ。よくわからないけど害を加えられるわけでもないし。せっかくだから中をゆっくり見て回ることにしよう。そう考えた。
広々とした屋内をゆっくり歩いてみたのだが、目についたのは異形の生物を形取った展示物の数々。そして様々な施設の原寸大ジオラマたちだった。あっ、釣り堀もある。本当に不思議だ。
まるで原寸大のドールハウスみたい。そんなことを考えていると、わぁっという歓声が聞こえてくる。なんだろうと視線を向けると、プレイコーナーのような一角があり。なにかのゲームに興じている様子だった。
距離があるため詳しくはわからなかったが、聞こえてくるやり取りから察するに「大富豪」で盛り上がっているようだ。声の大きな金髪の男の子が興奮したように叫ぶ。
「おいおい!このまま完封勝ちかよ、明智!」
囲まれたギャラリーの隙間から、栗色の髪がちらりと見える。そこにいたのはわたしの幼馴染・明智吾郎だった。
——
「で、どうだったの?勝負の行方は」
「最初は芳しくなかったけど、最終的に逆転勝ち、かな」
口元に手を当て、満足そうに吾郎は微笑む。よっぽどいい勝負になったのだろう、浮かべる笑みは今まで見たことがないほど輝いて見えた。
あの人たちと一緒だから引き出せるのかな。少なくともわたしはここまで楽しそうな吾郎の姿を見たことがない。そんなことを考え、少しあの人たちに嫉妬の感情を抱いた。
「知ってる?ここの内装、変えられるんだってさ」
「そうなの?」
全体的に青を基調とし、上品でありながら不思議な様子の空間になっているけど……変わるんだ。知らなかった。認知ってすごい。
「怪盗団のリーダーに声をかけて頼んでみよう。金ピカの美術館や、大金降り注ぐ銀行とか色々できたんじゃないかな」
「ぴかぴかの美術館に、お金まみれの銀行……なんだか趣味悪いなぁ……」
と、答えはしたが気になって少しワクワクしているのも事実だ。そんなわたしの様子を察知してくれたらしい。
吾郎は楽しそうに目を細め、わたしの手を取る。
せっかくだし一番上の階へ行こう。そう言ってずんずんと歩き始めた。
そんな彼の様子は、幼い頃のそれを彷彿させて。わたしはなんだか幸せな気持ちでいっぱいになった。