GB series
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「……はい?」
「えーっと、だから…アズールちゃんあれからフォース決まったのかな、と思ってさ」
GBNをはじめてそれなりの時間が経った。学生生活に支障がない程度に幼馴染のカザミと共に楽しく過ごしていたけれど、相変わらず所属したいフォースは決めかねていて。傭兵のようにあちこちを渡り歩いていた。
わたしとしてはカザミと一緒に入れる場所があればいいなと思っていたのだけど、カザミはそうでもないみたいで。
彼は彼の思う”カッコイイ”を追求するために今のスタイルが性に合っているように見えた。
そんなある日。わたしが先にログインし、エントランスで彼を待っていると以前見学させてもらったフォースのリーダーが声をかけてきた。
やぁ久しぶりだね元気だった?というお約束の挨拶から始まり。一緒に戦った時の立ち回り方や、わたしのガンプラ製作技術、武装なんかをこれでもかというほど褒められた。
自分でも可愛げがないとは思うけれど、幼い頃から褒められ慣れている身としてはそんな舌先三寸、見通せるわけで。彼の本意はどこにあるのか。抜身の言葉を投げかけた。
「ご用件はなんですか?人を待っているので、できれば手短にお願いしたいのですが……」
「は、はは……参ったな……その、さ……アズールちゃん、フォースが決まってないならうちに入りなよ。最近ランクが上がって、フォースネストも豪華になったし。アズールちゃんの実力なら即戦力としてかなり期待できるしさ」
やはりスカウトだった。目の前の男はどうかな、と期待に満ちた視線をわたしに向け、わたしの言葉を待っている。
だけどその前にひとつ、確認しないといけない事があった。
「……そのお誘いは、もちろんカザミも一緒ですよね?」
「…………えっ」
「カザミとわたしの二人を、貴方のフォースに誘ってくれているということですよね?」
「あ……あーっと、その……いや、……彼は……ねぇ、その、うちのフォースにはもったいない、かなってさ……だから、アズールちゃんだけ、だけど……」
「…………」
……こういった誘いは、今日が初めてじゃなかった。必要なのはわたしだけ、カザミは……ということが。その度にわたしは苦しくなる。彼と一緒に楽しもうと思って始めたGBNなのに。わたしの存在が彼を傷つけるかもしれない事が。
もう何度も何度も同じような誘いを断ってきた。繰り返してきた文言を発するだけでいい。「わたしはカザミと一緒じゃないと嫌です」って。
だけど今日この日は、”ほかの誰でもない、わたし自身がカザミを苦しめるかもしれない”という考えに支配されて。
上手く言葉を絞り出せずうつむいていると、聞きなれた大きな声が割って入ってきた。
「オイお前!アズールに何したんだ!」
目の前が少しだけ暗くなる。反射的に視線をあげると見慣れた大きな背中。優しくて大好きなはちみつ色の髪。
「か……カザミ……」
わたしの大好きな幼馴染が目の前に立っていたのだ。
「えーっと、だから…アズールちゃんあれからフォース決まったのかな、と思ってさ」
GBNをはじめてそれなりの時間が経った。学生生活に支障がない程度に幼馴染のカザミと共に楽しく過ごしていたけれど、相変わらず所属したいフォースは決めかねていて。傭兵のようにあちこちを渡り歩いていた。
わたしとしてはカザミと一緒に入れる場所があればいいなと思っていたのだけど、カザミはそうでもないみたいで。
彼は彼の思う”カッコイイ”を追求するために今のスタイルが性に合っているように見えた。
そんなある日。わたしが先にログインし、エントランスで彼を待っていると以前見学させてもらったフォースのリーダーが声をかけてきた。
やぁ久しぶりだね元気だった?というお約束の挨拶から始まり。一緒に戦った時の立ち回り方や、わたしのガンプラ製作技術、武装なんかをこれでもかというほど褒められた。
自分でも可愛げがないとは思うけれど、幼い頃から褒められ慣れている身としてはそんな舌先三寸、見通せるわけで。彼の本意はどこにあるのか。抜身の言葉を投げかけた。
「ご用件はなんですか?人を待っているので、できれば手短にお願いしたいのですが……」
「は、はは……参ったな……その、さ……アズールちゃん、フォースが決まってないならうちに入りなよ。最近ランクが上がって、フォースネストも豪華になったし。アズールちゃんの実力なら即戦力としてかなり期待できるしさ」
やはりスカウトだった。目の前の男はどうかな、と期待に満ちた視線をわたしに向け、わたしの言葉を待っている。
だけどその前にひとつ、確認しないといけない事があった。
「……そのお誘いは、もちろんカザミも一緒ですよね?」
「…………えっ」
「カザミとわたしの二人を、貴方のフォースに誘ってくれているということですよね?」
「あ……あーっと、その……いや、……彼は……ねぇ、その、うちのフォースにはもったいない、かなってさ……だから、アズールちゃんだけ、だけど……」
「…………」
……こういった誘いは、今日が初めてじゃなかった。必要なのはわたしだけ、カザミは……ということが。その度にわたしは苦しくなる。彼と一緒に楽しもうと思って始めたGBNなのに。わたしの存在が彼を傷つけるかもしれない事が。
もう何度も何度も同じような誘いを断ってきた。繰り返してきた文言を発するだけでいい。「わたしはカザミと一緒じゃないと嫌です」って。
だけど今日この日は、”ほかの誰でもない、わたし自身がカザミを苦しめるかもしれない”という考えに支配されて。
上手く言葉を絞り出せずうつむいていると、聞きなれた大きな声が割って入ってきた。
「オイお前!アズールに何したんだ!」
目の前が少しだけ暗くなる。反射的に視線をあげると見慣れた大きな背中。優しくて大好きなはちみつ色の髪。
「か……カザミ……」
わたしの大好きな幼馴染が目の前に立っていたのだ。