GB series
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「カザミ、ねぇ、待ってってば、ねえ」
「うるせえな、ほっとけよ!」
「……ほっとけるわけ、ないじゃん」
なじみの店でGBNをプレイした帰り、カザミはずっとわたしに背を向け続けていた。わたしと同じくらいの高さの男の子の背中が、いつもよりずっと小さく見えた。
事の経緯はそう、少し前に約束をしたフォースの見学だった。初心者歓迎で、学生でも気軽に入れる。そんなフォースをちょうど見つけたので、依頼のメールをしていたのだけど。結果は快諾。
フォースリーダーも凄く優しくて、わからない事があれば何でも聞いてね、とフレンド登録もしてくれた。
簡易のチーム戦をやってみようと持ち掛けられ、カザミとわたし。そしてフォースの比較的新人ダイバーの二人とでタッグ戦をやってみたのだけど……惨敗。
どうやらGBNにインすると少し気が大きくなるのか。カザミは現実世界の時以上に前へ前へ突っ走る性格になっていた。
彼の愛機も前線で活躍するようなカスタマイズになっているのだからある意味当然なのだろうけど。
わたしはわたしで火力が高すぎる武装を詰め込み過ぎたせいで、カザミの援護射撃を買って出たはずが彼の周囲ごと吹き飛ばしてしまう結果になり……要はお互いがお互いの足を引っ張ったような決着となったわけだ。
お互いに自信のあるガンプラが作れていたし、それなりに動けているつもりだったからか。
敗北の経験をすなおに受け止めるのは中々に酷で。
リーダーの、きっとわたし達を思いやった一言もとどめを刺す一撃にしか思えなかった。
「くそっ……なにが『君たちはタッグでのバトルは初めてでしょ?それ用のカスタマイズや戦い方もあるからよかったらうちで教えるよ』だっつーの……すげぇ馬鹿にされてるみたいだ……」
「それは流石に考えすぎ……だけど、負けて悔しいのは、わたしだって同じだよ。今までこんな気持ちになったこと、ほとんどないもん」
「……そうなのか?そうならすげぇ珍しいな。シオンがそんなのめりこむなんてさ」
感慨深いように呟いたカザミの一言をゆっくり咀嚼する。そうだ。今までたいていのことは人並み以上にこなせたし、結果も出してきた。だからガンプラ製作やガンプラバトルも同じだと心のどこかで思っていた。のだけど、実際はそうじゃなかった。わたしは、わたしが思っていた以上にガンプラに夢中になっていたみたいだ。
「すっごく悔しい!……ね、また機体調整してログインしよう、カザミ。それで、今日戦った二人にリベンジしようよ!」
「……だな!よっし!それじゃあ早く帰って色々考えるか!」
お互いに見合って、頬を叩く。ぱんっと小気味の良い音を鳴らしてわたし達は家路を駆けたのだ。
「うるせえな、ほっとけよ!」
「……ほっとけるわけ、ないじゃん」
なじみの店でGBNをプレイした帰り、カザミはずっとわたしに背を向け続けていた。わたしと同じくらいの高さの男の子の背中が、いつもよりずっと小さく見えた。
事の経緯はそう、少し前に約束をしたフォースの見学だった。初心者歓迎で、学生でも気軽に入れる。そんなフォースをちょうど見つけたので、依頼のメールをしていたのだけど。結果は快諾。
フォースリーダーも凄く優しくて、わからない事があれば何でも聞いてね、とフレンド登録もしてくれた。
簡易のチーム戦をやってみようと持ち掛けられ、カザミとわたし。そしてフォースの比較的新人ダイバーの二人とでタッグ戦をやってみたのだけど……惨敗。
どうやらGBNにインすると少し気が大きくなるのか。カザミは現実世界の時以上に前へ前へ突っ走る性格になっていた。
彼の愛機も前線で活躍するようなカスタマイズになっているのだからある意味当然なのだろうけど。
わたしはわたしで火力が高すぎる武装を詰め込み過ぎたせいで、カザミの援護射撃を買って出たはずが彼の周囲ごと吹き飛ばしてしまう結果になり……要はお互いがお互いの足を引っ張ったような決着となったわけだ。
お互いに自信のあるガンプラが作れていたし、それなりに動けているつもりだったからか。
敗北の経験をすなおに受け止めるのは中々に酷で。
リーダーの、きっとわたし達を思いやった一言もとどめを刺す一撃にしか思えなかった。
「くそっ……なにが『君たちはタッグでのバトルは初めてでしょ?それ用のカスタマイズや戦い方もあるからよかったらうちで教えるよ』だっつーの……すげぇ馬鹿にされてるみたいだ……」
「それは流石に考えすぎ……だけど、負けて悔しいのは、わたしだって同じだよ。今までこんな気持ちになったこと、ほとんどないもん」
「……そうなのか?そうならすげぇ珍しいな。シオンがそんなのめりこむなんてさ」
感慨深いように呟いたカザミの一言をゆっくり咀嚼する。そうだ。今までたいていのことは人並み以上にこなせたし、結果も出してきた。だからガンプラ製作やガンプラバトルも同じだと心のどこかで思っていた。のだけど、実際はそうじゃなかった。わたしは、わたしが思っていた以上にガンプラに夢中になっていたみたいだ。
「すっごく悔しい!……ね、また機体調整してログインしよう、カザミ。それで、今日戦った二人にリベンジしようよ!」
「……だな!よっし!それじゃあ早く帰って色々考えるか!」
お互いに見合って、頬を叩く。ぱんっと小気味の良い音を鳴らしてわたし達は家路を駆けたのだ。