GB series
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「…………」
自室の窓から外を見る。カザミの部屋には明かりが灯っている、ように見える。
メッセージアプリの画面を開いて、そこで指が止まる。今更何を言えばいいのか。何をどう説明すればいいのか。色々なフォースからわたしだけが誘われていた事実を隠していたという事は揺るがないというのに。
あれから何日か経った。ひた隠しにしていた”勧誘”が明るみになり、それからカザミと言葉を交わせていない。結局あの日もお互い別々のタイミングでログアウトし、一人で家路についたのだ。
何を言えばいいのか、どんな言葉を並べてもそれはただの言い訳にしかならないけれど。それでもまずは、ずっと隠し事をしていたそのことを謝りたい。
そう思って朝の登校、下校時間、通話……色々な事を試みたけれど全てカザミに避けられているのだ。
「……ねぇ、どうすればいいかな」
突き抜けるような蒼穹。晴れた夏空のようなブルーに塗装された愛機を見つめて弱音をこぼす。
ぽたり、とモノアイの目元に滴が落ち、自分が泣いていることを自覚する。
もう二度とカザミと話せなくなるのだろうか。
一緒に学校へ行ったり、帰ったり。新しいガンプラを選んだり、組み上げたり。他愛ない話をしながらヤスリをかけたり、スミ入れをして。
一緒にGBNの世界で遊べなくなるのだろうか。
「その方がずっと嫌……」
カザミに避けられる今も辛いけれど、その状態がずっと続くかもしれない未来の方がわたしは嫌だった。
目元を拭い、窓の向こうを見据える。厚い布に隔たれうすぼんやりと輝くその場所を見つめ、わたしは立ち上がった。
朝の登校も、夕方の下校も避けられて。電話をかけても繋いでくれない。それなら、と愛機であるガンプラを掴んで家を飛び出した。
『窓の外を見て』と一言メッセージを送り、心の中でご近所さんへ謝罪。
夜にこんな真似をするわたしを許してください。と頭を下げて、わたしは大きく息を吸い込んだ。
「と……トリマチ・カザミーっ!」
お腹に力が入る。普段出さない声のボリュームだからか、その一声だけで頭がくらくらしながら二階の窓を見上げていると、勢いよく窓が開かれた。
困惑と驚きと、それらがまじりあった面持ちのカザミと視線がぶつかる。
「わたしと!!ガンプラバトルで戦いなさい!!」
なんとか絞り出したその叫びを、カザミは変わらない表情で受け止めた、ように見えた。
自室の窓から外を見る。カザミの部屋には明かりが灯っている、ように見える。
メッセージアプリの画面を開いて、そこで指が止まる。今更何を言えばいいのか。何をどう説明すればいいのか。色々なフォースからわたしだけが誘われていた事実を隠していたという事は揺るがないというのに。
あれから何日か経った。ひた隠しにしていた”勧誘”が明るみになり、それからカザミと言葉を交わせていない。結局あの日もお互い別々のタイミングでログアウトし、一人で家路についたのだ。
何を言えばいいのか、どんな言葉を並べてもそれはただの言い訳にしかならないけれど。それでもまずは、ずっと隠し事をしていたそのことを謝りたい。
そう思って朝の登校、下校時間、通話……色々な事を試みたけれど全てカザミに避けられているのだ。
「……ねぇ、どうすればいいかな」
突き抜けるような蒼穹。晴れた夏空のようなブルーに塗装された愛機を見つめて弱音をこぼす。
ぽたり、とモノアイの目元に滴が落ち、自分が泣いていることを自覚する。
もう二度とカザミと話せなくなるのだろうか。
一緒に学校へ行ったり、帰ったり。新しいガンプラを選んだり、組み上げたり。他愛ない話をしながらヤスリをかけたり、スミ入れをして。
一緒にGBNの世界で遊べなくなるのだろうか。
「その方がずっと嫌……」
カザミに避けられる今も辛いけれど、その状態がずっと続くかもしれない未来の方がわたしは嫌だった。
目元を拭い、窓の向こうを見据える。厚い布に隔たれうすぼんやりと輝くその場所を見つめ、わたしは立ち上がった。
朝の登校も、夕方の下校も避けられて。電話をかけても繋いでくれない。それなら、と愛機であるガンプラを掴んで家を飛び出した。
『窓の外を見て』と一言メッセージを送り、心の中でご近所さんへ謝罪。
夜にこんな真似をするわたしを許してください。と頭を下げて、わたしは大きく息を吸い込んだ。
「と……トリマチ・カザミーっ!」
お腹に力が入る。普段出さない声のボリュームだからか、その一声だけで頭がくらくらしながら二階の窓を見上げていると、勢いよく窓が開かれた。
困惑と驚きと、それらがまじりあった面持ちのカザミと視線がぶつかる。
「わたしと!!ガンプラバトルで戦いなさい!!」
なんとか絞り出したその叫びを、カザミは変わらない表情で受け止めた、ように見えた。