GB series
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
彼と知り合ったのはお互いが小学生の頃。人見知りな性格だったわたしに彼が声をかけてくれたのが始まりだった。
わたしよりも年下で、背も少しだけ低いその男の子は 自信に満ちた表情を浮かべながらわたしの手を引き、町のあちこちへ連れまわしてくれた。小さいけれど大きいその背中は、今でもわたしの記憶に強く焼き付いている。
わたし、久尾津・シオンはその頃からずっとトリマチ・カザミに恋をしているのだ。
「ねぇカザミ、そこにあるニッパー 取ってくれる?」
「なんだよそれくらい自分で取れよ……っと、ほらよ」
ぱちん、ぱちん、と不規則な音が響く約六畳の自室。小さな机で向かい合った男女が熱中するのはもちろん、ガンプラ製作だ。それぞれのパーツが混ざってしまわないよう、空の箱を上手く活かしながらお互いの愛機を組み立てていく。
カザミは相変わらずイージスガンダムをベースに。わたしはティエレンタオツーをベースにそれぞれカスタマイズをしていく予定だ。
といっても最初から手の込んだことはできないので……。とりあえず今日は素組みするところまでやろうという、そんなゆるりとしたやり取りの末、ご近所さんであるカザミをわたしの自室へ招いている。
ちらりと視線を上げると、普段とは違う。真剣な面持ちのカザミがそこにいて。わたしの胸はきゅぅ、と反応してしまった。人のよさそうな垂れた目をすっと細めながら、ひとつ。また一つとパーツを組み上げていく。あっという間に手が、腕が出来上がり。少しずつ形になっていく。
このガンプラが地を駆け、弾丸を薙ぎ払い。そして敵機を撃墜していく様はきっとたまらなく素敵だろうな。そんなことをぼんやり考えていると、ぱんっ と両頬に軽い衝撃。突然のことに驚いて我に返ると、顔を赤らめたカザミの両手がわたしの頬に添えられていた。
「……なんだよシオン、作んねぇの? っていうかさ、そんなじっと見られたら……こっちもやりにくいんだけど」
むっ、という擬音が見えるように顔をしかめるカザミが居心地悪そうに言葉を紡ぐ。その、困った様子がちょっと可愛く思えてしまって。「カザミの事がだいすきだから、ずっと見ちゃってた」と言うとさっきよりもっともっと真っ赤になって慌ててしまった。
冗談なんかじゃないのに。いつになればこの気持ちは貴方に届くのかな。
わたしよりも年下で、背も少しだけ低いその男の子は 自信に満ちた表情を浮かべながらわたしの手を引き、町のあちこちへ連れまわしてくれた。小さいけれど大きいその背中は、今でもわたしの記憶に強く焼き付いている。
わたし、久尾津・シオンはその頃からずっとトリマチ・カザミに恋をしているのだ。
「ねぇカザミ、そこにあるニッパー 取ってくれる?」
「なんだよそれくらい自分で取れよ……っと、ほらよ」
ぱちん、ぱちん、と不規則な音が響く約六畳の自室。小さな机で向かい合った男女が熱中するのはもちろん、ガンプラ製作だ。それぞれのパーツが混ざってしまわないよう、空の箱を上手く活かしながらお互いの愛機を組み立てていく。
カザミは相変わらずイージスガンダムをベースに。わたしはティエレンタオツーをベースにそれぞれカスタマイズをしていく予定だ。
といっても最初から手の込んだことはできないので……。とりあえず今日は素組みするところまでやろうという、そんなゆるりとしたやり取りの末、ご近所さんであるカザミをわたしの自室へ招いている。
ちらりと視線を上げると、普段とは違う。真剣な面持ちのカザミがそこにいて。わたしの胸はきゅぅ、と反応してしまった。人のよさそうな垂れた目をすっと細めながら、ひとつ。また一つとパーツを組み上げていく。あっという間に手が、腕が出来上がり。少しずつ形になっていく。
このガンプラが地を駆け、弾丸を薙ぎ払い。そして敵機を撃墜していく様はきっとたまらなく素敵だろうな。そんなことをぼんやり考えていると、ぱんっ と両頬に軽い衝撃。突然のことに驚いて我に返ると、顔を赤らめたカザミの両手がわたしの頬に添えられていた。
「……なんだよシオン、作んねぇの? っていうかさ、そんなじっと見られたら……こっちもやりにくいんだけど」
むっ、という擬音が見えるように顔をしかめるカザミが居心地悪そうに言葉を紡ぐ。その、困った様子がちょっと可愛く思えてしまって。「カザミの事がだいすきだから、ずっと見ちゃってた」と言うとさっきよりもっともっと真っ赤になって慌ててしまった。
冗談なんかじゃないのに。いつになればこの気持ちは貴方に届くのかな。
1/13ページ