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――なんでここにいるんだろ?
雑踏を聞き流しながらクレインの脳内に何度目かの疑問が浮かぶ。考えたところで現状は変わらないのでただ心を無にしてこの時間を耐え凌ぐ。
それは作戦前の休息として趣味の機械いじりに没頭しようかなどと考えていた時の事だった。ぽんぽんと肩を叩かれ、振り向くとクリスの笑顔があった。なんとなく嫌な予感がするも、手はしっかりとクレインの肩を掴んでいた。そして「女の子二人じゃ危ないかもだし荷物持ちね」と半ば無理やり連れてこられ、今に至る。
「なーんで女って買い物長いの?」
「君がもう少し協力的なら早く済むかもね?」
そうだろうか。クレインが腰掛けているスツール周辺はすっかり荷物置き場と化していた。
別荘でクリスに連行されていく自分を羨ましそうに眺めていたリヒティに「今の光景を見ても本当に羨ましいと思っているのか?」と問いただしたいが、日頃アピールしては躱されている光景を見るに肯定しか帰ってこなさそうなのが恐ろしい。
色とりどりの服で満たされた店内は鮮やかで、それでいて目に鬱陶しい。どの服も着飾るためだけに置かれているのだ。もっと機械のように無駄を削ぎ落とせばいいのに、と思ってしまうのはクレインがファッション方面への関心を持っていないからだろう。流石にリンダの選んだ服を着たりするのはしないが、作業服のように動きやすく機能的な方が好みだ。
ショッピングモール内の店を回遊魚のように行き来するクリスは実に楽しげで、まだまだ時間がかかりそうだ。大量のショップバッグを提げつつも未だ満ち足りない様子で物色しているクリスを上客と見たのか、スタッフもセールストークとともに次々と商品を勧めている。
今シーズンの新作で、昨日ようやく再入荷した人気商品で、今のトレンドですとこのようなスタイリングはいかがでしょうか?と流れる水のように淀みなく勧める商魂逞しさとトーク力にはある種の感嘆を覚えてしまう。
その話題にファッションに関心の高いクリスが乗って話が弾み、さらに別の商品を勧められ……とまさに無限ループの様相を呈していた。
「ねー、このカットソーはどっちがいいと思う?」
「どっちでもいい。てか、どっちも同じじゃん」
「よく見て!こっちはAラインになっててこっちはタックが入ってるの。ほら、並べるとタック入ってる方がスッキリ見えるでしょ」
「わからーん」
「Aラインの方はゆったりとしたお作りなので体型カバーにもなりますよ」
「うーん……悩んじゃうなぁ」
「お客様は可愛らしくてフェミニンな物もお似合いかと思いますよ」
「ええっ、そうですか?でもフェミニンすぎるのは着ないんです」
「でしたらこのようなアイテムと合わせて甘辛に仕上げてはいかがでしょう」
「やだ、かわいい!どうしよう、フェルトはどう思う?」
「うん。いいと思う」
くたびれた声で答えるのは店員とクリスに促されるまま試着を繰り返してすっかり疲弊したフェルトだ。地上の人混みに慣れていない彼女の気力体力は30分ほど前からレッドゾーンへ到達している。様子を見つつ休憩を挟むよう提言したものの、既に焼け石に水状態。店内備え付けのソファに座らせてはみたものの、先ほど買い与えたミルクティーの缶を握りしめて何を聞かれても虚空を見たまま「うん。いいと思う」を繰り返すようになってしまった。
時間経過とともに碧色の目から生気が失われているのように見えるのはおそらく気のせいではない。
「じゃあこっちにしよっと!」
ウィンドウショッピング中の女性グループやカップルがショップバッグに囲まれたクレイン達をちらちらと見ながら通り過ぎていく。今のオレは姉妹の買い物に荷物持ちとして付き合わされた弟ってところだろうか。
彼氏の視線から同情のようなものを感じる辺り、世の男達は多かれ少なかれ似たような目に遭っているのかもしれない。
「世知辛い世の中だなぁ」
呟いてぼんやりとモール内を眺めていると、とある女性を目に留めた。
商品を物色するそぶりを見せているが、しきりに周囲を気にしている。特定の品やスタッフを探している風でもなく、視線は客やその持ち物を追っていた。
見慣れぬ土地で浮き足立っている観光客や買い物に夢中な客は窃盗犯のカモになりやすい。
特に洋服や靴は試着で手荷物が邪魔になる事も多い。どこかに置いて試着する場合は自然と目を離す機会も増える。セールでもないのに買い込む姿は目につきやすい。現に、クリスのバッグは店員が勧めた空きスペースへ無造作に置かれている。
女性も客の不注意を狙う一人だろう。これだけ爆買いしているとなれば相応の軍資金があると考えて然るべきだ。
少し離れた商品棚からしきりに様子を窺っていた女性がクリスのバッグへと距離を詰めていく。
連れのフェルトは見るからに疲れきっていて気もそぞろ、クレインは見るからに関心がなく暇を持て余している男。クリス付きのスタッフは接客に燃えて他のスタッフも店内で接客に追われているとなれば狙わない手はない。
「悪いけど持ってて」
フェルトに手提げ部分を握らせて腰を上げる。
自分の手荷物かのように自然な仕草で肩にかけ、店外の通りを目指していた。手馴れた様子からして素人の出来心とは考えづらく、人混みに紛れられたら追いつくのは難しくなる。気取られないよう、けれど足早に近付いて女性の肩を掴んだ。
「お姉さん。そのバッグはあの人の物だよね?返してくれる?」
◇
置き引き犯はうろたえながら「自分の荷物と間違えた」というような文言を告げたかと思うと、買い物客を掻き分けながら人混みへと消えていった。
犯人を逃がしてしまったものの店内で窃盗未遂が起きた事を隠したい店舗側と窃盗未遂の被害者として記録を残したくないクリス側。大事にしたくないという利害の一致からショッピングモールの特別優待券を落とし所に、穏便な形で場を収めたのだった。
「今回は気付いたからよかったけど、貴重品の管理はちゃんとしてよ」
BGMに乗せて店内のあちこちから若い女の子達の明るい声が聞こえてくる。ボックス席に二対一の形で座っているのに座席の大部分をショップバッグに占拠されているのでどちらかと言えばクレインまでも荷物のような錯覚さえしてしまう。
「だからごめんってば。お詫びに奢ってあげてるでしょ」
「でもこれ、クリスが食べたがったスイーツだしさぁ」
「細かい事は言いっこなし!お詫びに文句あるなら自腹切ってよね」
それは困る。奢りだからそこそこ値の張るメニューを頼んだのに、とメニューに書かれた値段を見やる。観光地価格なのか付加価値があるのか分からないが、スイーツとしてはかなり割高な部類だ。自分の懐を痛める気にはなれなかった。
「大体買いすぎなんだよ。地上じゃ王留美の別荘くらいしか着ていくところないじゃん」
「女の子はどんな時でもオシャレでいたいものなの。女心分かってないんだから。そんなんじゃモテないよ?」
「死なない程度に食っていけるならどうでもいいや」
「可愛くないの。そのうち好きな子ができた時後悔するよ?大いに悩んで、あの時頼れる年上のお姉さんからの助言を真面目に聞いていればよかったーって」
むくれたクリスの負け惜しみを聞き流しつつアイスを頬張る。爽やかな酸味が生クリームで甘くなった口の中をリセットしていくのが心地いい。
クリスはああ言っているが、誰かに恋をする自分なんて想像できなかった。生きるため人道に反した行いをし、今もソレスタルビーイングの一員として兵器の整備に関わっているような少年に果たしてそんな日が来るのだろうか。
「でも思いつきでクレイン連れてきてよかったーっ。意外と頼れるし、またお願いしようかな?」
「絶対ヤダ。アレルヤかロックオンにしてよ」
「マイスターズはあんまり予定合わないんだもん。地上に降りててもミッション入ったりするし誘いづらいのよね」
ロックオンはすぐどこかに行っちゃうし、とスプーンを唇に宛てながら肩を竦める。
クリスの言う通り、人好きする性格で一見取っ付きやすそうなロックオンだが、自由行動となると一人で足早に出ていく事も多い。どこへ行っていたのか尋ねてもはぐらかされる。それを思うと余暇にインドアな過ごし方をしているアレルヤの方が捕まえやすいだろう。
「んー、じゃあラッセは?リヒティもいるじゃん」
「気を遣うの嫌じゃない。リヒティはなんか頼りなさそうだし、変に期待されたら困るもの」
「ひっでぇ」
リヒティは買い物に振り回されるだけでも喜んで付き合いそうなものなのに。勘違いされても困るという理由で悪印象を返上する機会すら与えられないとは。
裏を返せばクレインは長時間の買い物に付き合わせても問題ないと思う程度には誘いやすく、異性のあれこれを考えなくて済む都合のいい相手と認識されているという事になるのも、ある意味ひどいのかもしれない。
「……ま、こうしていい思いさせてもらえるんならまた付き合ってもいいよ」
――人間関係は円滑にしろってガキの頃散々叱られたしな。
ソレスタルビーイングに馴染めず、周囲と衝突し続けていたクレインに養父は粘り強く、しかし断固とした意思で接してきた。だからこそ現在の、問題こそあるもののそれなりに社交性を身につけたクレインがある。
いい荷物持ちができたと歓喜するクリスと、華やかなスイーツを前にどこかおっかなびっくりな様子でつつくフェルトの様子を眺めながらクレインもまた一口、甘い報酬を味わうのだった。
雑踏を聞き流しながらクレインの脳内に何度目かの疑問が浮かぶ。考えたところで現状は変わらないのでただ心を無にしてこの時間を耐え凌ぐ。
それは作戦前の休息として趣味の機械いじりに没頭しようかなどと考えていた時の事だった。ぽんぽんと肩を叩かれ、振り向くとクリスの笑顔があった。なんとなく嫌な予感がするも、手はしっかりとクレインの肩を掴んでいた。そして「女の子二人じゃ危ないかもだし荷物持ちね」と半ば無理やり連れてこられ、今に至る。
「なーんで女って買い物長いの?」
「君がもう少し協力的なら早く済むかもね?」
そうだろうか。クレインが腰掛けているスツール周辺はすっかり荷物置き場と化していた。
別荘でクリスに連行されていく自分を羨ましそうに眺めていたリヒティに「今の光景を見ても本当に羨ましいと思っているのか?」と問いただしたいが、日頃アピールしては躱されている光景を見るに肯定しか帰ってこなさそうなのが恐ろしい。
色とりどりの服で満たされた店内は鮮やかで、それでいて目に鬱陶しい。どの服も着飾るためだけに置かれているのだ。もっと機械のように無駄を削ぎ落とせばいいのに、と思ってしまうのはクレインがファッション方面への関心を持っていないからだろう。流石にリンダの選んだ服を着たりするのはしないが、作業服のように動きやすく機能的な方が好みだ。
ショッピングモール内の店を回遊魚のように行き来するクリスは実に楽しげで、まだまだ時間がかかりそうだ。大量のショップバッグを提げつつも未だ満ち足りない様子で物色しているクリスを上客と見たのか、スタッフもセールストークとともに次々と商品を勧めている。
今シーズンの新作で、昨日ようやく再入荷した人気商品で、今のトレンドですとこのようなスタイリングはいかがでしょうか?と流れる水のように淀みなく勧める商魂逞しさとトーク力にはある種の感嘆を覚えてしまう。
その話題にファッションに関心の高いクリスが乗って話が弾み、さらに別の商品を勧められ……とまさに無限ループの様相を呈していた。
「ねー、このカットソーはどっちがいいと思う?」
「どっちでもいい。てか、どっちも同じじゃん」
「よく見て!こっちはAラインになっててこっちはタックが入ってるの。ほら、並べるとタック入ってる方がスッキリ見えるでしょ」
「わからーん」
「Aラインの方はゆったりとしたお作りなので体型カバーにもなりますよ」
「うーん……悩んじゃうなぁ」
「お客様は可愛らしくてフェミニンな物もお似合いかと思いますよ」
「ええっ、そうですか?でもフェミニンすぎるのは着ないんです」
「でしたらこのようなアイテムと合わせて甘辛に仕上げてはいかがでしょう」
「やだ、かわいい!どうしよう、フェルトはどう思う?」
「うん。いいと思う」
くたびれた声で答えるのは店員とクリスに促されるまま試着を繰り返してすっかり疲弊したフェルトだ。地上の人混みに慣れていない彼女の気力体力は30分ほど前からレッドゾーンへ到達している。様子を見つつ休憩を挟むよう提言したものの、既に焼け石に水状態。店内備え付けのソファに座らせてはみたものの、先ほど買い与えたミルクティーの缶を握りしめて何を聞かれても虚空を見たまま「うん。いいと思う」を繰り返すようになってしまった。
時間経過とともに碧色の目から生気が失われているのように見えるのはおそらく気のせいではない。
「じゃあこっちにしよっと!」
ウィンドウショッピング中の女性グループやカップルがショップバッグに囲まれたクレイン達をちらちらと見ながら通り過ぎていく。今のオレは姉妹の買い物に荷物持ちとして付き合わされた弟ってところだろうか。
彼氏の視線から同情のようなものを感じる辺り、世の男達は多かれ少なかれ似たような目に遭っているのかもしれない。
「世知辛い世の中だなぁ」
呟いてぼんやりとモール内を眺めていると、とある女性を目に留めた。
商品を物色するそぶりを見せているが、しきりに周囲を気にしている。特定の品やスタッフを探している風でもなく、視線は客やその持ち物を追っていた。
見慣れぬ土地で浮き足立っている観光客や買い物に夢中な客は窃盗犯のカモになりやすい。
特に洋服や靴は試着で手荷物が邪魔になる事も多い。どこかに置いて試着する場合は自然と目を離す機会も増える。セールでもないのに買い込む姿は目につきやすい。現に、クリスのバッグは店員が勧めた空きスペースへ無造作に置かれている。
女性も客の不注意を狙う一人だろう。これだけ爆買いしているとなれば相応の軍資金があると考えて然るべきだ。
少し離れた商品棚からしきりに様子を窺っていた女性がクリスのバッグへと距離を詰めていく。
連れのフェルトは見るからに疲れきっていて気もそぞろ、クレインは見るからに関心がなく暇を持て余している男。クリス付きのスタッフは接客に燃えて他のスタッフも店内で接客に追われているとなれば狙わない手はない。
「悪いけど持ってて」
フェルトに手提げ部分を握らせて腰を上げる。
自分の手荷物かのように自然な仕草で肩にかけ、店外の通りを目指していた。手馴れた様子からして素人の出来心とは考えづらく、人混みに紛れられたら追いつくのは難しくなる。気取られないよう、けれど足早に近付いて女性の肩を掴んだ。
「お姉さん。そのバッグはあの人の物だよね?返してくれる?」
◇
置き引き犯はうろたえながら「自分の荷物と間違えた」というような文言を告げたかと思うと、買い物客を掻き分けながら人混みへと消えていった。
犯人を逃がしてしまったものの店内で窃盗未遂が起きた事を隠したい店舗側と窃盗未遂の被害者として記録を残したくないクリス側。大事にしたくないという利害の一致からショッピングモールの特別優待券を落とし所に、穏便な形で場を収めたのだった。
「今回は気付いたからよかったけど、貴重品の管理はちゃんとしてよ」
BGMに乗せて店内のあちこちから若い女の子達の明るい声が聞こえてくる。ボックス席に二対一の形で座っているのに座席の大部分をショップバッグに占拠されているのでどちらかと言えばクレインまでも荷物のような錯覚さえしてしまう。
「だからごめんってば。お詫びに奢ってあげてるでしょ」
「でもこれ、クリスが食べたがったスイーツだしさぁ」
「細かい事は言いっこなし!お詫びに文句あるなら自腹切ってよね」
それは困る。奢りだからそこそこ値の張るメニューを頼んだのに、とメニューに書かれた値段を見やる。観光地価格なのか付加価値があるのか分からないが、スイーツとしてはかなり割高な部類だ。自分の懐を痛める気にはなれなかった。
「大体買いすぎなんだよ。地上じゃ王留美の別荘くらいしか着ていくところないじゃん」
「女の子はどんな時でもオシャレでいたいものなの。女心分かってないんだから。そんなんじゃモテないよ?」
「死なない程度に食っていけるならどうでもいいや」
「可愛くないの。そのうち好きな子ができた時後悔するよ?大いに悩んで、あの時頼れる年上のお姉さんからの助言を真面目に聞いていればよかったーって」
むくれたクリスの負け惜しみを聞き流しつつアイスを頬張る。爽やかな酸味が生クリームで甘くなった口の中をリセットしていくのが心地いい。
クリスはああ言っているが、誰かに恋をする自分なんて想像できなかった。生きるため人道に反した行いをし、今もソレスタルビーイングの一員として兵器の整備に関わっているような少年に果たしてそんな日が来るのだろうか。
「でも思いつきでクレイン連れてきてよかったーっ。意外と頼れるし、またお願いしようかな?」
「絶対ヤダ。アレルヤかロックオンにしてよ」
「マイスターズはあんまり予定合わないんだもん。地上に降りててもミッション入ったりするし誘いづらいのよね」
ロックオンはすぐどこかに行っちゃうし、とスプーンを唇に宛てながら肩を竦める。
クリスの言う通り、人好きする性格で一見取っ付きやすそうなロックオンだが、自由行動となると一人で足早に出ていく事も多い。どこへ行っていたのか尋ねてもはぐらかされる。それを思うと余暇にインドアな過ごし方をしているアレルヤの方が捕まえやすいだろう。
「んー、じゃあラッセは?リヒティもいるじゃん」
「気を遣うの嫌じゃない。リヒティはなんか頼りなさそうだし、変に期待されたら困るもの」
「ひっでぇ」
リヒティは買い物に振り回されるだけでも喜んで付き合いそうなものなのに。勘違いされても困るという理由で悪印象を返上する機会すら与えられないとは。
裏を返せばクレインは長時間の買い物に付き合わせても問題ないと思う程度には誘いやすく、異性のあれこれを考えなくて済む都合のいい相手と認識されているという事になるのも、ある意味ひどいのかもしれない。
「……ま、こうしていい思いさせてもらえるんならまた付き合ってもいいよ」
――人間関係は円滑にしろってガキの頃散々叱られたしな。
ソレスタルビーイングに馴染めず、周囲と衝突し続けていたクレインに養父は粘り強く、しかし断固とした意思で接してきた。だからこそ現在の、問題こそあるもののそれなりに社交性を身につけたクレインがある。
いい荷物持ちができたと歓喜するクリスと、華やかなスイーツを前にどこかおっかなびっくりな様子でつつくフェルトの様子を眺めながらクレインもまた一口、甘い報酬を味わうのだった。
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