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魔法のランプ戴天の調査エピ見てひっくり返った。



「あ、荒鬼くん!雨竜くんから聞いたんだけど、たまに野宿してるって本当?!」
 彼の肩を掴み、これでもかというほどがったんがったん揺らしながらそう詰め寄る。
 
「あ、ああ、してっけど」
 荒鬼くんは私の剣幕に少し困惑した表情を浮かべているけれど、そんな顔したいのはこっちの方だよ。このご時世に野宿なんてそんな野蛮な。
 ……普段の廃ホテル暮らしもよく考えたらよろしくないような気がするけどそれは今は置いておこう。
 
「ダメだよ野宿なんて!何で私を頼ってくれなかったの!?荒鬼くんのためなら家の一つや二つくらい喜んで用意するのに!!」
「お、おう……」
 彼は困ったような顔をしつつ宥めるように私の頭を撫でてくれる。何だか嬉しかったので、とりあえず揺らすのはやめて大人しくする事にした。

 でもこれだけでは私の気は収まらない。この際なので色々と小言を言ってやろう。
「荒鬼くん、野宿なんて危ないよ?穴掘って寝るとか正気の沙汰じゃないし、風邪引いちゃうし、それにもし荒鬼くんに何かあったらどうするの!?私心配だよ!」
 私の勢いに気圧されたのかたじろいでいる彼の姿がなんだか新鮮でちょっとキュンとした。
 今なら何言っても彼に勝てるかもしれない。
 
「もう!これからは野宿なんてしないでね?私がいつでも泊まれるようにお部屋用意するし、ご飯だって作るからね!(レオンが)」
「お、おう……ありがとな」
「絶対に絶対だよ!約束だからね!!」
 そう言うと荒鬼くんはこくりと小さく頷いてくれた。
 うんうん、ひとまず約束を取り付けられて一安心かな。これで荒鬼くんが危険に晒されることはなくなるだろう、多分!
 
「ほんと心臓に悪ィんだよな、お前のその行動力は」
「えへへ、それほどでもー」
「褒めてねェよ」
「ちぇー、残念」
 荒鬼くんの鋭いツッコミを受けつつ、私は頬を膨らませる。
 
 でもこういうやり取りがすごく楽しくて幸せだなぁと感じながら、私は荒鬼くんの腕にぎゅっと抱きつく。
「あ、今日泊まってく?一緒にお風呂入る?一緒の布団で寝る?」
「お前ほんとそういうとこ」
 呆れ顔でため息をつかれても気にしない。だって、私は荒鬼くんが大好きだからね!
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