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猫の飼い主ー短編ー
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『私、二年間片思いをしてまして…』
猫とは全く関係なさそうな所から話が始まる
『その、お相手の方がですね、三日後の土曜日に私の部屋に来てくれるんです…』
顔真っ赤やで?
『その方が…猫…猫アレルギーなんです…うぅッ』
そこ泣くとこ?
「片思いが実ったっちゅうことか?」
バッと顔を上げて俺を食い入るように見る
こ、怖いで
『実るわけないんですぅ!』
「は?」
『だって、とっても素敵な方で人気もあって…私のような女がどうこう出来るわけない…』
「んなら、何しに来るんや?」
『あ、営業ですよ…』
「なんや、ホストか?」
『…』
図星か…
「悪いこと言わん、ホストなんかにハマってもろくな事ないで?搾り取られて終わりや」
『…わかってます…でも、私に優しくしてくれるの、彼しかいないんです』
別に見た感じ可愛ええ子やけどな〜
「アイツらが優しくするのは仕事やからな」
『…』
『…ですよね…わかってるんです』
「姉ちゃんなら、もっとマトモな男出来るで?」
『そんな…』
俺は、なんでこんな所で知らん女慰めてんのやろ…
「だから、可愛いコイツ追い出してまでそんな男家に上げるんやない」
俺はポンを撫でながらソイツに言う
「せや、姉ちゃん名前は?」
『え、あ…久美…です』
「久美ちゃんか、俺は真島や」
『真島さん…』
「さ、ポン連れて帰り?もう遅いで、な?」
久美ちゃんは、少し俯いてパッと顔を上げて
ニコッと笑った
んなッッ…!エラい可愛ええ顔して笑うやないか…ドキッとしたわ
『ありがとうございました!なんか、目が覚めました、私…』
ポンを抱き上げて
『ポン、ごめんね…』
「ンニャ」
「ええで、って言っとるわ」
『…フフッ、ポンありがと、真島さんと出会わせてくれて!』
「…ッ」
『それじゃ、真島さん…また!』
なんや、このままお別れもちと勿体ない気がしてきたが…
俺、それどころやないんやった
「ああ、またな」
「ニャン♪」
「ヒヒッ、ポンもまたな」
ペコっと頭を下げてポンを抱きしめて歩き出すその後ろ姿を見えなくなるまで見とった…
ふぅ…
なんや久しぶりやな
こんな普通の時間過ごしたんも
「さて、帰るか…また会えるかのぅ…」
そんな独り言を言いながら、やっとベンチから立ち上がり事務所へと歩き出した