「兄さん！」
「あ？なんや騒がしいのぅ、兄さん言うなって言っとるやろ」
「大変なんだ！」

一応、事のあらましを説明すると
やっぱり兄さんだな…興味を持ったみたいだ
よし、連れて行こう

本部で、あの女と兄さんを会わせてみたら
色々とわかってきた
まず、名前は【久美】
兄さんの事も知ってるようだ
俺は、動揺して名前も何も聞き出せてなかった

落ち着いて女…久美を見ていると
やはり、少し怯えているのか？
いや、兄さんや後から来た錦の事も
キラキラした眼で見てる
一体何なんだこの久美という女は…

兄さんが、組に帰ったから仕方無しに相手をする
冴島も錦も今はいない

「久美…その…お前は俺達の事を知ってるみたいだが」
『はい…知ってると言うか…見たことがあると言うか…』
「どういうことだ」

久美が、言い淀む

『信じて貰えないと思うんですけど』
「言ってみなきゃわからん」
『はぁ…』
「とりあえず言ってみろ」

そこで説明されたことは信じろという方が無理だろ
俺達がゲームの中の人間だなんて
『あ、でもこれは出来れば皆さんには内緒にして欲しいです…』
「どうしてだ？」
『頭が可笑しいと思われそうなので…』
「なんで俺には話した」
『桐生さんは、なんと言うか…いつも困った人を放っておけない方だと思って…すいません！なんか図々しくて…でも、ここでは私は存在しない人間だと思います。直ぐに一人で生きていけるか不安で…』

なるほど…
まあ、確かに
言ってることが本当ならそうだな
峯に調べさせるか