ガチャ

「おお、こん娘か？」

兄弟も来たで

「冴島さん」
『冴島さん…だ』
「兄弟の事も知っとるんやな」
「あ？どっかで会うたかいな」
「ちゃうねん、なんか久美ちゃんワシらの事知っとるらしいで」
「こないヤクザを？」

ホンマそれや
俺らヤクザやで？

「なんかな、階段から落ちたら会長室にいたらしいでヒッヒッ」
「なんやそら、映画みたいやな」
「とりあえず、なんかわかるまではここに居てもろうて、追々考えよってな感じやな」
「ほぉか、ま、宜しくな久美」

カァーっ！

赤くなりおった

『よ、宜しくお願いします』

「ここじゃ男ばっかりだし、居心地悪いだろうから早くなんかわかるといいな、元いたとこに帰れるとか」
『え…』
「なんや、帰りたくないんか？」
『いえ…階段から落ちたので、物凄い怪我とかしてたら嫌だなぁ〜と思いまして…』
「せやな、打ち所悪かったらな？」

まさか、元の世界では死んどる可能性もあるんか
そらちと可哀想やな

「今日は、錦山もこっちに居るんか？」
「ああ、そうですね」
「んなら、久美ちゃんの様子ちょくちょく見といてやれや」
「真島さんは？」
「ワシは組に帰るわ」

ハッとした顔で俺を見る久美ちゃん
ん？なんや？
目が合うと急いで逸らしたで

『…』
「ま、なんかあったら連絡して来いや」
「わかりました」

とりあえず、ここに居っても仕方ないから
組に帰るで

待たせてた車に乗って組へ帰る
西田が「桐生さん一体どうしたんですか？」
「あ？なんや本部に突然女が現れたんやと」
「へ？」

まあ、その反応が普通やな

「なんですかそれ」
「ああー説明めんどくさいねん！」

俺はその時はこの久美ちゃんが
俺達にとって物凄い重要な存在になるとは思うとらんかった