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十八章 涙
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「俺な…親に逆らって冴島の兄弟と鉄砲玉になりに行くはずやったんや、まあ結局嵌められてアイツだけ捕まってムショに行った」
『…』
「俺は、そん時に左眼を無くした、1年間穴蔵に閉じ込められて拷問受けて…生き延びたんは、どうしても兄弟に謝りたかったからや、それに約束もあったしな…」
「んで、大阪に送られてカタギとして金を稼がされて…どうしても兄弟のために組には戻らなアカンかったから必死やったで?」
その時
ふと、見たことはないけど若かりし頃の真島さんの表情になった気がした
グラスを置くと
「そん時にな、この辺の地上げがピークになっとって、ちょうどミレニアムタワーが建ってるとこや、その土地の持ち主が命を狙われる羽目になったんや」
あ…あの話かな
「持ち主は、目の見えない女で俺もソイツを殺すように言われとった、殺したら組に復帰させてやるってな」
なんとなく、真島さんの顔を見てられなくて
手元のグラスを見つめる
「殺せなくてな…匿ったり逃げ回ったり」
『好きだったんですか?』
真島さんの方を見ずに聞いてみる
「よぅわからん、あの時はただ必死やった、なんの力もない俺がやれることをやっただけや」
『…』
「殺せん、殺せんなら守らなアカンって気持ちが強かったと思うわ」
「まあでも、ぜーんぶ親父の思惑通りになっとっただけだったわヒヒッ、ホンマえげつない親父やで」
「今はもう幸せに暮らしとるみたいや」
『真島さん、昔から優しかったんですね』
「ヤキモチ妬いたか?」
『私もずっと守ってもらってますから』
「なんや、少しくらい妬けや」
本当は…妬いてる
真島さんは、私の肩に腕を回して
「ただの若造だったあの頃と違うてな、今はちゃーんと愛してる女を命懸けで守るで?」
『若かったからこそ純粋な思いだったんじゃないですか?』
「純粋な…んな事ないで、俺はどうしても組に戻らなアカンかった、それを超えるものなんて無かったんや、結局それが答えや」
『…』
『私、今の真島さんと出会って良かったです』
「若い頃の俺もなかなかエエ男やったで?」
『自分で言います?』
「ヒヒッ」
『だって、若い頃だったらきっとこんな私受け入れて貰えなかったと思います』
「せやろな、そこまでまだデカい男になれてないしな」
『もし…今その人と出会ってたら…』
「今だったら?フンッ、せやな〜西田に丸投げやな」
『フフッ、なんでそうなるんですか』
「それだけあの時の俺にはなーんの力もなかったってことや、拳しかな」
タバコを灰皿に押し付け
「帰ろか」
『はい』
「早う抱きたくなったわ」
『はい?』
「なんや」
『元気ですね…』
「惚れた女が目の前に居るっちゅうのに頂かなくてどうすんねん」
『フフッ、帰りましょ!』
過去にヤキモチを妬く…
でも、若かりし真島さんが拳ひとつで守り抜いた人って、どんな人なのかな…
『…』
「俺は、そん時に左眼を無くした、1年間穴蔵に閉じ込められて拷問受けて…生き延びたんは、どうしても兄弟に謝りたかったからや、それに約束もあったしな…」
「んで、大阪に送られてカタギとして金を稼がされて…どうしても兄弟のために組には戻らなアカンかったから必死やったで?」
その時
ふと、見たことはないけど若かりし頃の真島さんの表情になった気がした
グラスを置くと
「そん時にな、この辺の地上げがピークになっとって、ちょうどミレニアムタワーが建ってるとこや、その土地の持ち主が命を狙われる羽目になったんや」
あ…あの話かな
「持ち主は、目の見えない女で俺もソイツを殺すように言われとった、殺したら組に復帰させてやるってな」
なんとなく、真島さんの顔を見てられなくて
手元のグラスを見つめる
「殺せなくてな…匿ったり逃げ回ったり」
『好きだったんですか?』
真島さんの方を見ずに聞いてみる
「よぅわからん、あの時はただ必死やった、なんの力もない俺がやれることをやっただけや」
『…』
「殺せん、殺せんなら守らなアカンって気持ちが強かったと思うわ」
「まあでも、ぜーんぶ親父の思惑通りになっとっただけだったわヒヒッ、ホンマえげつない親父やで」
「今はもう幸せに暮らしとるみたいや」
『真島さん、昔から優しかったんですね』
「ヤキモチ妬いたか?」
『私もずっと守ってもらってますから』
「なんや、少しくらい妬けや」
本当は…妬いてる
真島さんは、私の肩に腕を回して
「ただの若造だったあの頃と違うてな、今はちゃーんと愛してる女を命懸けで守るで?」
『若かったからこそ純粋な思いだったんじゃないですか?』
「純粋な…んな事ないで、俺はどうしても組に戻らなアカンかった、それを超えるものなんて無かったんや、結局それが答えや」
『…』
『私、今の真島さんと出会って良かったです』
「若い頃の俺もなかなかエエ男やったで?」
『自分で言います?』
「ヒヒッ」
『だって、若い頃だったらきっとこんな私受け入れて貰えなかったと思います』
「せやろな、そこまでまだデカい男になれてないしな」
『もし…今その人と出会ってたら…』
「今だったら?フンッ、せやな〜西田に丸投げやな」
『フフッ、なんでそうなるんですか』
「それだけあの時の俺にはなーんの力もなかったってことや、拳しかな」
タバコを灰皿に押し付け
「帰ろか」
『はい』
「早う抱きたくなったわ」
『はい?』
「なんや」
『元気ですね…』
「惚れた女が目の前に居るっちゅうのに頂かなくてどうすんねん」
『フフッ、帰りましょ!』
過去にヤキモチを妬く…
でも、若かりし真島さんが拳ひとつで守り抜いた人って、どんな人なのかな…