あんな騒動も時間が経てば関係者以外は直ぐに忘れていく
そう、そんなもんだ

私はまた、せっかく落ち着いたはずの心の傷が
開いてしまってサエや真島さんにもとても迷惑をかけてること申し訳なくて…

体の傷は順調に回復してて、退院して家に帰ったけど、まだ仕事には復帰出来てない

早く仕事行きたいな
日常に戻したい
日常からは、かなりかけ離れた事になってるんだけど…

あれから、真島さんは私を昼間は組の事務所に連れて行ってずっと一緒にいる
一緒に居れるのは嬉しいんだけど…
な、なんと言うか…
組員さん達が凄く良くしてくれるんだけど
慣れなくて…

「姐さん、今日は親父本部なんで昼飯は出前取ろうと思うんですけど、何がいいですか？」
『あ、はい…えっと…皆さん何にするんですか？』
「おい、お前らなに頼む？」
「俺ラーメン」
「俺カツ丼」

次々と皆さん頼むものを決める
何にしようかな〜と思ってると

「おい、姐さんにラーメンとかっていいのか？親父に怒られんじゃね？」
『そ、そんな事ないですよ！ラーメン大好きですし…私もラーメンにします！餃子も追加で！』

ホントはそんなにペコペコでもなかったけど、なんか気を使わせて申し訳ない気持ちでつい…

そして、皆さんと一緒に昼食を食べる
皆さん何も話さず黙々と食べてる

『あの…』

私が話し出すと皆さんがギョッとする
何故？

『皆さんは、どうして真島組へ入ったんですか？』
「…」
皆さん、顔を見合わせてそして、西田さんへ助けを求めてる！

「姐さん、コイツら親父に気安く話すなって言われてんすよ」
『そんなことを？いいですよ！話してください』
「で、でも」
『内緒にしておきます』

「俺は…親父の喧嘩してるとこを街中で見て惚れ込みました！」

うん、凄いわかる

「俺は、大勢にボコられてるのを親父に助けられたのが切っ掛けです」

へぇ〜なんかそんな感じなのかなとは思ってたけど、人望あるんだな真島さん

『皆さんに好かれてて安心しました』
「そりゃもう！親父のことみんな尊敬してますよ！」
『だけど、結構厳しいところあるんで…心配だったんです』
「いやいや、極道なんてこんなもんですよ、親父なんてまだ優しい方かもな」
「そうだよな、一時期の堂島組なんて、ヤバかったって聞いたもんな」
「その堂島組を親父は、ほとんど一人で潰したらしいからな」

え…凄い…

そう言えば、真島さんの昔の話ってまだ聞いたことないな