真島side

久美から電話かと出るとサエちゃんだった
声が震えとる
電車の中で、アイツ…久美に暴力を奮っていたアイツが現れたと…
後をつけとったんか？
なんでわかったんや

直ぐに西田を呼んで駅まで走らせる
駅に着くと外まで人が走り出てくる
パトカーも来とった
駅から走り出てくる人が
「やべぇよ！刺されたんじゃねぇ？｣

言葉を聞き終わる前に走り出した
階段を一段抜かしで昇って見えたのは
ホームで今、崩れるように倒れる久美
倒れる久美の上に馬乗りになろうとする男

俺は、息が切れるのも感じないくらい
怒りがソイツへと向かう

勢いがついたままソイツの顔面を殴りつけた
ソイツは吹っ飛んで人垣の中へ
持っていた刃物は違う方向へ滑って行った
周りの奴らが慌てて逃げる
お巡りがソイツを押さえつけた

久美を見ると
焦点が定まってない
しっかりせぇ！久美！
抱き起こして必死に名前を呼ぶ
サエちゃんに、病院にと言われて
抱き上げた

「おい！君たち！｣
「ああ？なんや！急いどるんや！｣
「救急車が外にいるから！それに乗せて！｣

お巡りがアイツを取り押さえながら叫ぶ

「わぁーったわ！｣
｢おいっ！逃がさねーぞ！絶対また見つけてやるからな！久美っ！｣
｢おまえ…今度来たら一発じゃ済まさんぞ｣

俺は久美を抱えて駅の階段を降りる
直ぐに救急隊が駆け寄って来て

「怪我人ですか！？｣
「腹刺されとる！｣
「直ぐに乗せてください！｣

久美を抱えて救急車に乗り込む
サエちゃんも一緒に乗ってきた

「久美？久美！もう大丈夫やからな！｣
「久美！｣

救急隊員が、止血をしたり呼吸器を付けたり
病院へ電話したりする中
俺はずっと声をかけ続けた