一体何処が似てると言うのか

「生に、執着してないだろ」
『え？』
「いつ死んでも悔いは無いって顔だ」
『そんなことないですよ、私はもっと生きていたいです』
「死を恐れてないって事だ」
『…』

私は…何も言えなかった

「当たったみたいだな」
「兄さんもそうだ、喧嘩の時は常に命をかけてる」
「だからこそ…お前は大丈夫なのか？」
『大丈夫です』

桐生さんは、間髪入れずに応えた私を驚いた顔で見る

『大丈夫です、私も覚悟はちゃんとして好きになりましたから』
「そうか…余計なお世話だったな」
『そんなことないです、心配してくれて嬉しいです』
「まあ、兄さんは…極道の中でも特殊な人間だからな、それに…そう簡単には死んだりしないはずだ」

手の中のグラスを見つめながら桐生さんはそう言った

『特殊？』
「あ？ああ、まあ喧嘩はもちろんだが、何やらせてもそつなく熟すな。建設会社もやってるのは知ってるだろ？」
『はい…』
「恐ろしいほど仕事を取ってくるぞ」
『フフッ、極道クビになっても大丈夫そう』
「ホントにそうだな、冴島も戻ってきたしもう極道やってなくてもいいのにな…」
「でも、喧嘩の腕も一流だ、兄さんが負けることなんてないだろうな、色んな意味で東城会が兄さんを手放す事は無いな」

そんなに凄いんだ…

『なんか、凄すぎて…ちょっと尻込みしちゃいますね…』

バーーーンっ！

いきなり店のドアが乱暴に開けられた
そこに立っていたのは…