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四十章 ケジメ
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カランカラン♪
扉を開けるとカウンターには、デッカイ背中に金髪
ゆっくりこっちを振り向くその人は、紛れもなく龍司さんだ
『あ…お久しぶりです…』
「おう、久美元気そうやな」
『お、お陰様で』
「なーんや、堅苦しいのぅ、久美早う座れ」
『あ、はい』
カウンターに、龍司さん、私、吾朗さん
だから、なんで真ん中にするの!
どちらの顔も見れず、ただただグラスを見つめる私
「クックック…」
龍司さんの方から聞こえる笑い声
チラッと見ると
「なんやそれ」
『なんやってなんですか』
「ヒッヒ、久美、緊張しとるん?」
吾朗さんも、笑いながら言う
なんか二人して楽しんでない?
『あ!そう言えば、龍司さん吾朗さんにも世話になったって言ってたけど、いつの話なんですか?それ』
無理やりに話題をねじ込んだ
「めっちゃ昔やで」
「せやなぁ〜龍司がまだクソガキの頃や」
『え!?』
「ワシ、小学生やったわ」
『えぇ〜!』
「真島はん、キャバレーの支配人しとる時やな、ボンタンみたいの履いて」
「せやから、あれはボンタンやないって言ったやろ」
「コイツ、小学生のくせにボンタン狩りやっててん」
『へぇ〜』
ボンタン狩りがなんなのかいまいちわからないけど、まあいっか
「俺のタキシードのズボンをボンタンやって言って狩ろうとすんねん」
「んなズボンの違いなんか分からへんわ」
「んでな、喧嘩したんや」
『え、小学生と?』
「小学生言うたってコイツ俺と変わらんくらいのデカさやったで」
『マジですか…』
「それなのにランドセル背負って、クックック!」
「真島はんも若かったやないか、髪ひとつに結んで」
『え?髪長かったんですか?』
「ああ、せやな」
「エエ男やったで?真島はん」
「ほれ、言ったやろ?若い時の俺もカッコ良かったって」
『見てみたかった』
「あん時からお前義理人情に熱かったのぅ」
「フンッ」
「同級生が、高校生にカツアゲされた仕返しでボンタン狩ってたんやで?」
『へぇ〜、優しい』
『でも、どう見ても吾朗さんその頃って高校生には見えませんよね?』
「せやな、24くらいか」
『若〜い!』
「その後にも会ったことあんのやけどな、あん時気づかんかったわ」
「近江の本部にな、組の解散言いに来おった…あん時も大した男やなと思うたわ、まさかボンタン狩ろうとしたあの男やとは思わんかったけどな」
『なんだかんだ因縁あるんですかね…』
言ってから、ヤバい!と思った
「せやな、同じ女に惚れたしな」
「フンッ」
「まさか、まだ惚れとるんやないやろな?」
「アホか」
「もう俺の嫁やからなぁ〜」
「そりゃ、おめっとさんですな」
「羨ましいやろ〜」
「ああ、羨ましいな…」
『は!?』
「ホレ見ぃ」
こうして喧嘩する流れに持っていってるんじゃないかと疑う
「んならいっちょ―」『ストープッッ!』
「な、なんや」
『喧嘩はダメです!』
『お礼を言うために来たんですよ!』
「ああ、んなもんもう言うたわ」
『は?』
「礼なんて要らんわ」
「ってことや」
「なら、後はする事は1つ」
『だめだめだめぇー!』
「わぁーったわぁーった」
『もぅ!』
「ホンマ、仲エエんやな」
『え?あ、そ、そうかな…』
「顔、赤くなってんで?」
「覚えとるか?また会った時に幸せそうな顔しとらんかったらかっさらうで?って」
『お、覚えてる』
「安心したわ」
『え?』
「最初にあった時より幸せそうな顔になっとるで?」
私は恥ずかしくて俯く
「なんや、そんな事言っとったん?」
『は、はい』
「俺の今世での使命やからなぁ、久美のこと幸せにすんの」
『そんな大袈裟な』
「人一人幸せにすんのも大変やで?ワシには出来んかったわ」
『龍司さん…』
「ヒヒッ、久美、攫われたんが龍司で良かったのぅ」
「本気で言うとるんか?それ」
「大本気やで?」
「久美は、今まで男にろくな目に遭っとらんかった…だから、もう辛い目に遭わせんようにするつもりやった、せやけど、あんな事になってしもうて、俺は守ってやれんかった」
『吾朗さん』
「あれは、たまたまワシが耳にしたからや」
「そのたまたまってのが味噌なんやなぁ」
「俺と久美が出会ったのもたまたまやで?なあ?」
『ま、まぁ…そうですね』
吾朗さんは、タバコを一本取り出すと
「こんだけ人間が居る中で、たまたま関係する事になったっちゅうのは偶然なんやろか」
『…』
「散々な目に遭うてきた久美が、命の危機で出会ったんが龍司や」
「フンッ、あんたらしくないわ、いつもなら殴りかかって来るやろ」
「大事なもん大事に守って貰っといて喧嘩売るかいな」
「意外に常識人なんやな」
「ホンマに…感謝しとる、おおきに」
吾朗さん…
こんな人いる?
いないよね、世界に一人だよね
「ホンマ、大した男や」
龍司さんとは、そこで別れる
「この後どうするんや?」
「ああ、堂島の龍でも尋ねてみるわ」
「ヒヒッ喧嘩すんなよ」
「桐生ちゃんは、ワシの獲物や」
「フンッ」
「久美幸せにな」
『はい、龍司さんも』
扉を開けるとカウンターには、デッカイ背中に金髪
ゆっくりこっちを振り向くその人は、紛れもなく龍司さんだ
『あ…お久しぶりです…』
「おう、久美元気そうやな」
『お、お陰様で』
「なーんや、堅苦しいのぅ、久美早う座れ」
『あ、はい』
カウンターに、龍司さん、私、吾朗さん
だから、なんで真ん中にするの!
どちらの顔も見れず、ただただグラスを見つめる私
「クックック…」
龍司さんの方から聞こえる笑い声
チラッと見ると
「なんやそれ」
『なんやってなんですか』
「ヒッヒ、久美、緊張しとるん?」
吾朗さんも、笑いながら言う
なんか二人して楽しんでない?
『あ!そう言えば、龍司さん吾朗さんにも世話になったって言ってたけど、いつの話なんですか?それ』
無理やりに話題をねじ込んだ
「めっちゃ昔やで」
「せやなぁ〜龍司がまだクソガキの頃や」
『え!?』
「ワシ、小学生やったわ」
『えぇ〜!』
「真島はん、キャバレーの支配人しとる時やな、ボンタンみたいの履いて」
「せやから、あれはボンタンやないって言ったやろ」
「コイツ、小学生のくせにボンタン狩りやっててん」
『へぇ〜』
ボンタン狩りがなんなのかいまいちわからないけど、まあいっか
「俺のタキシードのズボンをボンタンやって言って狩ろうとすんねん」
「んなズボンの違いなんか分からへんわ」
「んでな、喧嘩したんや」
『え、小学生と?』
「小学生言うたってコイツ俺と変わらんくらいのデカさやったで」
『マジですか…』
「それなのにランドセル背負って、クックック!」
「真島はんも若かったやないか、髪ひとつに結んで」
『え?髪長かったんですか?』
「ああ、せやな」
「エエ男やったで?真島はん」
「ほれ、言ったやろ?若い時の俺もカッコ良かったって」
『見てみたかった』
「あん時からお前義理人情に熱かったのぅ」
「フンッ」
「同級生が、高校生にカツアゲされた仕返しでボンタン狩ってたんやで?」
『へぇ〜、優しい』
『でも、どう見ても吾朗さんその頃って高校生には見えませんよね?』
「せやな、24くらいか」
『若〜い!』
「その後にも会ったことあんのやけどな、あん時気づかんかったわ」
「近江の本部にな、組の解散言いに来おった…あん時も大した男やなと思うたわ、まさかボンタン狩ろうとしたあの男やとは思わんかったけどな」
『なんだかんだ因縁あるんですかね…』
言ってから、ヤバい!と思った
「せやな、同じ女に惚れたしな」
「フンッ」
「まさか、まだ惚れとるんやないやろな?」
「アホか」
「もう俺の嫁やからなぁ〜」
「そりゃ、おめっとさんですな」
「羨ましいやろ〜」
「ああ、羨ましいな…」
『は!?』
「ホレ見ぃ」
こうして喧嘩する流れに持っていってるんじゃないかと疑う
「んならいっちょ―」『ストープッッ!』
「な、なんや」
『喧嘩はダメです!』
『お礼を言うために来たんですよ!』
「ああ、んなもんもう言うたわ」
『は?』
「礼なんて要らんわ」
「ってことや」
「なら、後はする事は1つ」
『だめだめだめぇー!』
「わぁーったわぁーった」
『もぅ!』
「ホンマ、仲エエんやな」
『え?あ、そ、そうかな…』
「顔、赤くなってんで?」
「覚えとるか?また会った時に幸せそうな顔しとらんかったらかっさらうで?って」
『お、覚えてる』
「安心したわ」
『え?』
「最初にあった時より幸せそうな顔になっとるで?」
私は恥ずかしくて俯く
「なんや、そんな事言っとったん?」
『は、はい』
「俺の今世での使命やからなぁ、久美のこと幸せにすんの」
『そんな大袈裟な』
「人一人幸せにすんのも大変やで?ワシには出来んかったわ」
『龍司さん…』
「ヒヒッ、久美、攫われたんが龍司で良かったのぅ」
「本気で言うとるんか?それ」
「大本気やで?」
「久美は、今まで男にろくな目に遭っとらんかった…だから、もう辛い目に遭わせんようにするつもりやった、せやけど、あんな事になってしもうて、俺は守ってやれんかった」
『吾朗さん』
「あれは、たまたまワシが耳にしたからや」
「そのたまたまってのが味噌なんやなぁ」
「俺と久美が出会ったのもたまたまやで?なあ?」
『ま、まぁ…そうですね』
吾朗さんは、タバコを一本取り出すと
「こんだけ人間が居る中で、たまたま関係する事になったっちゅうのは偶然なんやろか」
『…』
「散々な目に遭うてきた久美が、命の危機で出会ったんが龍司や」
「フンッ、あんたらしくないわ、いつもなら殴りかかって来るやろ」
「大事なもん大事に守って貰っといて喧嘩売るかいな」
「意外に常識人なんやな」
「ホンマに…感謝しとる、おおきに」
吾朗さん…
こんな人いる?
いないよね、世界に一人だよね
「ホンマ、大した男や」
龍司さんとは、そこで別れる
「この後どうするんや?」
「ああ、堂島の龍でも尋ねてみるわ」
「ヒヒッ喧嘩すんなよ」
「桐生ちゃんは、ワシの獲物や」
「フンッ」
「久美幸せにな」
『はい、龍司さんも』