どうせまた遅れてくるんだろう
アルプスに入ってコーヒーを頼む
スマホをイジりながらふと窓の外を見た

少し離れたところに若めの男二人と
十代っぽい女の子
何となく気になってずっと見ていると
女の子の腕を引っ張っている
明らかに嫌がってるな…

周りの人達は、まあ、見て見ぬふり
はぁ…見ちゃったら知らん顔できないよね
自分も似たような目に遭ってきた身だ

『すいません、ちょっと席外しますけど戻って来ますから』

店員にそう言うと
訝しげながら｢はい…｣
と返事

急いで道を渡り、あの3人の所へ走る

｢やめてよ〜！｣
｢うっせぇー来いっつってんだろ！｣

『ちょっと、やめなさいよ！』

女の子の腕を掴んでる男の腕を掴む

｢あ〜！？なんだてめぇ｣
『こんな女の子に恥ずかしくないの？』
｢てめぇに関係ねぇだろ！｣
『嫌がってんの見て知らん顔出来るわけないでしょ！』
｢邪魔だ！どけっ！｣

思いっきり反対の手で突き飛ばされる

『痛ったっ』
｢所詮女だろ！女が男に楯突くんじゃねぇーよ！｣

カチンと来た！

『ふざけんじゃないわよ！離しなさいっ！』

負けずに女の子の手を離させようと腕に掴みかかる
もう1人の男が、私のその腕を掴みあげて
思いっきり頬を叩いてきた

クラクラとする意識の中で
フラッシュバックする

『や、やめて！』
咄嗟に両腕で頭を庇った
｢なんだよ、結局弱ぇんだから黙ってろっての｣
｢おねえさん！…｣
｢おら、行くぞ！｣
｢やだぁー！｣
『ま！待ちな…さい』

何とか立ち上がる
前に進もうとすると
その前に立ちはだかる影

｢お前はここに居れ｣
『え…！？』