なんでこない事に…
久美のあの姿を見たら
頭の中が真っ白になった
久美から話を聞いたんやが、考えられん今は…

組の事務所で
俺はどうする事も出来ない思いが
爆発寸前だった…

バンっ！

「兄弟！」
「あ？なんや」
「お前…なんでここに居るんや」
「…」
「おい！なんで久美の側にいてやらんのやっ！」
「居れるか！」
「見たくないねん…」
「何言っとるんや、今一番傷ついとるんは久美やろが」
「あ？アイツだって秋山のこと―」
「アホっ！んな事あるわけないやろが！」

兄弟に胸ぐらを掴まれる

「やめや…」
「無理や、アイツの顔見れん」
「お前…そんなもんなんか？」
「ああ？」
「お前の久美に対する思いは！そんなもんなんかって言っとるんや！」
「ほなら、兄弟なら許せんのか？なぁ？秋山に抱かれたアイツ許せんのか！？」

「おまえ…そんなん久美のせいちゃうやろ？」
「久美から電話が来たんや、お前が出て行っちゃったって泣いとった」
「…」
「話は大体聞いたわ、久美は騙されたんやないか、悪ぅない」
「秋山ンとこにも寄ってきた。どうしても我慢出来んかったと言っとった…それでも許される事ではないわ」
「はんっ！…」

なんやそりゃ
我慢出来なくなったやと？
それで久美を騙して無理矢理ヤッたやと？

「お前が久美んとこ戻らんなら俺が行くけどいいんか？」
「フンッ勝手にせい」

そう言ったら兄弟は出ていった

わかっとる…久美がそんな女やないことくらい
今日の朝の事を思い出す
でも、無理なんや…
俺だけは信じてやらんと…そう思うのに
出来ん
アホや…俺は
こんなに好きなんに…何やっとるんや
このまま…久美を失ってもいいんか？

久美を…失う？
俺の毎日から久美が居なくなる？


そう思うと事務所を飛び出していた

俺は、急いで家に戻った