真島さんが立ち止まった所は、セレナと言うスナック？
なんにも言わないからよくわからず付いてきてしまった…怪しいところではなさそうかな…

「邪魔するでぇ」

「真島さん、いらっしゃい」
「おう」
「兄弟やないか、珍しいの」

真島さんの後ろにいる私の姿を見たそこにいた皆さんが、一瞬息を呑んだ…気がした

「久美ちゃん確保してきたんや〜」

「兄弟、無理矢理連れてきたんやないやろな」
「よお、久美」
『あ、あ、さ、冴島さん、桐生さんお疲れ様です…』
「無理矢理なんか、するかいな！ちゃーんとデートのOKもろうたからのぅ」
『あ、あ…あはは』

「さーて、久美ちゃん何飲むん？」
『え？あ、はい、えっとーとりあえずビールで…』
「せやな、仕事終わりは先ずビールや」
「兄弟、どないして久美を連れ出したんや？」
「人聞き悪いで！人助けして来たんやで」
「人助け？兄弟が？」
「ワシかてそんぐらいするわ！」
『あ、あの、絡まれてるところを助けて貰いまして…』
「せや！」
「久美、絡まれとったんか」
『は、あー、はい…』

真島さんが、悪〜い顔をする

「久美ちゃんゴツっついで、男相手に啖呵切りおったわ」
「は？んなわけ無いやろ、こない大人しそうなおなごなのに」
「ヒッヒッ！やろ？そう思うやろ？これがまた…」
『あああー！あの！』
「なんや久美ちゃん、そない焦って」
『いや、あの…その』
「ホンマらしいの」
「ヒッヒッヒ、ワシ、めっちゃ興味湧いてしもーたわ」

ゾクゾクっとし、背筋を冷たいものが流れた