目が覚めると…そこには真っ白い天井…
どこ？
なに？


「久美…」

横を見ると…

………
誰？
悲しそうな顔
なんでそんな顔でアタシを見てるの？

久美？誰？

「久美？｣
『誰のことですか？』

「…っっ！久美！声が…」
『？』
「お、おい久美？俺や！わからんのか？」
その人は、アタシの肩を揺さぶる
『…っ！』

その時、急にある光景が浮かぶ

恐ろしい形相の男たちが
アタシにのしかかって来る
手足を押さえつけられ、たくさんの手が伸びてくる

『い、いやぁぁぁーーー！』

「久美！｣

「どうした！」
「お、おい！久美がおかしいんや、俺のこと見てもわからんみたいで…」

『いやぁ…触らないで…』

「おい！久美声が！」
「ああ、声が出とる…でも自分の名前もわからんみたいで…」

「なんだって！？」
「久美？わかるか？」
『…』
ブルブル震え止まらない
なんでこの人たちはアタシの事を久美って呼ぶの？
わからない！怖い！

「真島…ちょっと来い」

「ショックを受けたせいで記憶が飛んでるのかも知れない…だが、一部分と言うよりは名前も忘れてるということは、かなりヤバイぞ」
「どういう事やねん」
「記憶喪失は、いつその記憶が戻るかわからん。一生戻らんかもしれん…」
「そ、そんな…」
「とにかく、暫くはここに置いとけ。いきなり知らん男の所に連れて行くのは不味い。それに、さっきの様子だと、襲われた記憶は断片的にありそうだ」

「そんな…なんで…」


さっきの人たちは何だろう
なんか…怖い…