「で？無事に恋人同士になれたってことか」
「せや」
「夫婦なのに恋人…か」
「ヒヒヒ、オモロイやろ」
「どっちにしても、羨ましいですね」
「せやろぅ〜」

桐生ちゃんと大吾とセレナにて…
先日の祭りの日から俺と久美ちゃんは、恋人になったわけやけど…ま、ホンマは夫婦なんやけどな
俺は、過去よりも今を生きるんや
だから、形にはこだわらん

「で…どんな関係だったのか聞かれても言わなかったと？」
「ああ、もうそんなん関係無いやろ」
「でも、久美の名字は真島ですよね」
「考えとるんだけどなぁ…離婚しよかと」
「なんだって？」
「ちゃうで！離婚するけど恋人や」
「なんかややこしいですね」
「このままやと、俺の嫁って事で縛り付けることにならんかと思ってな」
「でも、ゆくゆくは、その…久美の事は」
「もちろんや。嫁にするつもりや」
「なら、今のままでいいんじゃないですか？」
「なーんか、ケジメ付けたいんよな」
「兄さんの気持ちも、なんとなくわかるが…」
「やろ？」
「でも、離婚するに当たって結局久美には話さないといけないじゃないですか」
「せや、そこや問題は」
「話すとまたややこしいことになる」
「まぁな」
「話すとなると、あの事も…また思い出してしまうかもしれん…」