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真っ白
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夜になって、俺は仕事終わりに久美を迎えに行った
『あ、真島さん!お疲れ様です!』
「おう!お疲れさん」
な、なんやお帰りって迎えてくれてた久美と同じやな
「支度出来とるか?」
『はい…』
「どした?」
『な、なんか少し緊張しちゃいます…』
「大丈夫や。みんな顔は怖いやろが、基本エエ奴らやで?」
『顔…怖いんですか?』
「んん…俺よりは怖くないかもな」
『フフフっ!』
『真島さん、とっても男前ですよ!』
「そ、そか?あは…」
アカン…照れて「あは」なんて言うてもうた…
「よし、じゃ行こか!」
『はい!』
セレナに向かって歩いてると
『あの…』
「なんや?」
『な、なんかみんな避けて行きますけど…』
「んあ?ああ…」
久美ちゃんには、俺らが極道だって事は隠しはしとらんが特に言うた事はない
俺に関しては、いつも入れ墨見えまくりやから、久美ちゃんが【極道】と言うものを知っていればわかっとるやろ
なんて言えばいいのか迷ってると、前から兄弟が歩いてきた
「久美」
『あ!冴島さん!』
「兄弟に連れてきてもろうたのか」
『はい』
「んじゃ、一緒に行こか」
『はい!心強いです!』
「なんやそら」
「緊張しとるらしいで?」
「なんでや」
『だ、だって…これから会う方々は仲良しさんなんですよね…その…そこに急にアタシが入っても良いのかなって…』
「仲良しさん?!」
「ガハハハハハハ!」
『え?』
「ヤクザに仲良しさんって!そないなこと言われたことないわな!兄弟」
「お、おい!」
『ヤクザ…』
「なんや?久美ワシらのことなんやと思うとったんや」
『え、あ…特に考えたことなかったです…』
「兄弟なんて、モンモンこないに見せとるのに?」
『あ、確かに…じゃ…コレから会う方々も?』
「せやで?」
「ああ!久美ちゃん!大丈夫や、怖いことあらへんから」
『真島さん…で、ですよね!真島さんと冴島さんがいれば怖くないですね!』
「せや!」
そして、セレナへ
カランカラン
「いらっしゃいませ」
「おう!邪魔するで」
「お疲れ様です」
「久美ちゃん?」
「…」
「久美」
「ああ!お前らなぁ!ちゃんと初めましての挨拶せーよ!」
『あ、あの…久美です…』
「ああ…久美ちゃん。おれ錦山宜しくな」
「久美、俺は堂島大吾。大吾で良いからな」
「僕は秋山。このビルでスカイファイナンスっていう会社やってるんだ」
「その秘書の花です!」
「私は、峯と申します、宜しく」
「久美…桐生だ」
『き…りゅ…う…』
「あん?どないした?」
『桐生…さん?』
「!?」
「おま、まさか桐生ちゃん覚えとるんか?」
『ハッキリとは…でも、なんか聞いたことがあるような…』
なんやて!?桐生ちゃんの事をか?
俺の事はスッカリ忘れとったってのに…
「久美、俺の事…」
『あ…っ!あ、あの…すいません!よく思い出せないんですけど…』
「久美ちゃん、無理すんなや」
どういうこっちゃこりゃ
「ま、まあ…とにかく座ろうや」
『はい』
「久美ちゃん何飲むんや?」
『え?えっと…』
久美がメニューを見とる。俺は少しの賭けに出た
『あ…モスコミュール』
「!?」
『モスコミュールがいいです』
「久美ちゃん、それ好きなんか?」
『うーん…なんか大切な思い出のお酒な気がして…』
「そ、そうなんか」
なんや、さっきまでちと桐生ちゃんにヤキモチ妬いとったのに…今ので全部帳消しになったで。俺も単純やな…
よし、勝負や
久美ちゃんがモスコミュールを飲む
「美味いか?」
『はい!』
「んじゃ、一口くれや」
『え?』
久美ちゃんの返事を待つ前にグラスを取る
「甘ぁ〜!」
久美ちゃんが、俺をびっくりした顔で見とる
ペロっと唇を舐めた
ポーっと赤くなる
「俺のも飲んでみるか?」
『え、は、はい』
ゴクリと久美ちゃんの喉が上下する
『カッっ!あ、熱いです!真島さん!』
「ヒヒ!そらそーや!40度や」
『えー!真島さん、わざとやりました?』
「酔った久美ちゃんも見たくなってのぅ」
『…!』
「ん?」
『…』
なんや久美ちゃんの様子がおかしい
ちょっと強すぎたか?
『…なんか、この場面見たことある気がして…』
まだ、思い出すわけはないか…
「デジャヴってやつかいな」
『そうなんですかね』
「ヒヒ!その相手も俺なら光栄や」
『フフッでも、なんか…そうだといいな…』
なんや、嬉しゅうて顔がニヤけてまう!
アカン!
久美ちゃんが、不意に胸のネックレスを指でイジっとった
癖なのか?
よう見てみたら、俺が久美の誕生日にやったネックレスや
そっか…あの時からきっと着けっぱなしなんやな
久美ちゃんの指がネックレスを触っとるのをみてたら、それは正しく俺の嫁の久美や!なんて当たり前やろ…だけどなんか確信してもーた
ここまで、なんや俺の知らん久美を見てるようなそんな感じで接してた気がする
でも、やっぱり久美ちゃんは久美や!
何言うとんのかわからんけど…そうなんや!
『真島さん?』
「ん?なんや?」
『皆さん…あの…アタシの事を知ってるんですか?』
「んあ、ああ。せやな」
『そうなんですね…』
「んでも、久美ちゃんは気にせんでエエ。初めましてでエエよ」
『はい』
「まだ、混乱してまうからな」
「真島さん、大丈夫なんですか?」
「あ?ああ。また最初から口説いてプロポーズするんや!言うとるで」
「はぁ…真島さんの久美への愛って…ホントに深いですね…」
「せやな。誰もが生きとるうちにそんな相手に出会えるかもわからんな」
「ホントにそうですね。色んなことが二人に起こるけど、本人達は辛いときも多いだろうけど、羨ましくも見えちゃいます」
「俺は、そんな相手と出会える気しねーなー」
「錦は、いろんな女に手を出しすぎだ」
「桐生に言われたくねぇ!」
「え?桐生さんって…そうなんですか?」
「何言ってんだ!そんなわけ無いだろ!」
「お、お前まさか…まだ久美ちゃんのこと?」
「ち、違うっ!」
「こりゃ、当たりやな」
「あの二人見てて、まだなぁ…」
錦がそう言うと
みんなでカウンターにいる二人を見る
二人は、笑い合ってる
それはまるで…夫婦になったあの時と何も変わらないように
「あんまり遅うなると悪いから送ってくわ」
『はい、ありがとうございます』
「ワシ、久美ちゃん送ってくるわ」
「おう、頼むわ」
「ほなな」
二人が店を出て行く
「で、久美ちゃん妊娠は大丈夫だったんだよな」
「ああ、それがホンマに何よりや」
「クソぉ!佐々木の野郎」
「兄弟…恐らく初めて殺ったのかもな…」
「え!?」
「佐々木の死体を呆然と見とった」
「でも、そりゃ殺りますよ」
「ホンマや、殺られて当然の奴や」
「せやけど、まだ久美の命があって良かったわ、あの時もしかして…と思うた」
「兄さん…よく乗り越えたな」
「ホンマや。あんな状況見て、オマケに自分の事忘れられてるなんて…兄弟が何したって言うんや」
「でも、真島さんの強さがわかりましたよ。僕には太刀打ちできない」
「ああ、それは俺も思ったな」
「今だって、久美ちゃん笑ってたよな。確か最初は怯えてたって…」
「せや、誰も近づけなかったわ」
「兄さんは…最初もそうだった」
「久美が突然現れた時だ」
「この先どうなるのか怯えてた久美が、心底笑ったのは、兄さんといる時だった」
「だから、今度もきっと大丈夫だと俺は思ったぜ」
「兄弟は…ずっとあまり人を寄せ付けない所があったんや。久美といる時は狂犬やない普通の男や」
「真島さんって…そのあんまり自分の事話さないし関心ないっていうか…そんなふうに見えてました」
「兄さんは、人の事ばかり考える人だ」
「せやな。あの目もそのせいで失くしたようなもんや」
「へーくしょい!」
『真島さん、風邪ですか?』
「あ?いや、誰ぞが噂でもしとるんかのぅ」
『フフッじゃあ、カッコイイ真島さんの噂ですかね!』
「あ?こんなオッサン碌な噂やないで」
『真島さんはオッサンじゃないですよ』
「そりゃ嬉しいのぅ」
『フフッ!』
『真島さん!』
「ん?」
『いつもありがとうございます!』
「なんや?」
『いつもいつも笑わせてくれて!』
「ヒヒッ!オモロイオッサンかい!」
『違いますよぉー!』
「久美ちゃん、ホンマに可愛らしいのぅ」
『いやだ!もう!』
「ホンマやで?」
『は、恥ずかしいです!』
「…」
『真島さん?』
「あー!もう辛抱堪らんわぁ」
「早よ、久美ちゃん抱き締めたいわ!」
『ええ?』
「ずっと我慢してんねん」
「まだ…怖いやろ?」
『あ…あ、そ、そうですね』
「久美ちゃんが大丈夫になるまでは、オッサン我慢するでぇ〜!」
『プッ!オッサンじゃないですってば!』
ふざけながら歩いてると、フッと手が触れた
『…っ!』
「…」
ガっとその手を掴んでみる
『っ!』
「ほれ、おてて繋いでかーえろ!や!」
『アハハハハ』
ブンブン手を振って歩く
恋人のような雰囲気ではないが、それは久しぶりに感じられた久美の温もりだった
『あ、真島さん!お疲れ様です!』
「おう!お疲れさん」
な、なんやお帰りって迎えてくれてた久美と同じやな
「支度出来とるか?」
『はい…』
「どした?」
『な、なんか少し緊張しちゃいます…』
「大丈夫や。みんな顔は怖いやろが、基本エエ奴らやで?」
『顔…怖いんですか?』
「んん…俺よりは怖くないかもな」
『フフフっ!』
『真島さん、とっても男前ですよ!』
「そ、そか?あは…」
アカン…照れて「あは」なんて言うてもうた…
「よし、じゃ行こか!」
『はい!』
セレナに向かって歩いてると
『あの…』
「なんや?」
『な、なんかみんな避けて行きますけど…』
「んあ?ああ…」
久美ちゃんには、俺らが極道だって事は隠しはしとらんが特に言うた事はない
俺に関しては、いつも入れ墨見えまくりやから、久美ちゃんが【極道】と言うものを知っていればわかっとるやろ
なんて言えばいいのか迷ってると、前から兄弟が歩いてきた
「久美」
『あ!冴島さん!』
「兄弟に連れてきてもろうたのか」
『はい』
「んじゃ、一緒に行こか」
『はい!心強いです!』
「なんやそら」
「緊張しとるらしいで?」
「なんでや」
『だ、だって…これから会う方々は仲良しさんなんですよね…その…そこに急にアタシが入っても良いのかなって…』
「仲良しさん?!」
「ガハハハハハハ!」
『え?』
「ヤクザに仲良しさんって!そないなこと言われたことないわな!兄弟」
「お、おい!」
『ヤクザ…』
「なんや?久美ワシらのことなんやと思うとったんや」
『え、あ…特に考えたことなかったです…』
「兄弟なんて、モンモンこないに見せとるのに?」
『あ、確かに…じゃ…コレから会う方々も?』
「せやで?」
「ああ!久美ちゃん!大丈夫や、怖いことあらへんから」
『真島さん…で、ですよね!真島さんと冴島さんがいれば怖くないですね!』
「せや!」
そして、セレナへ
カランカラン
「いらっしゃいませ」
「おう!邪魔するで」
「お疲れ様です」
「久美ちゃん?」
「…」
「久美」
「ああ!お前らなぁ!ちゃんと初めましての挨拶せーよ!」
『あ、あの…久美です…』
「ああ…久美ちゃん。おれ錦山宜しくな」
「久美、俺は堂島大吾。大吾で良いからな」
「僕は秋山。このビルでスカイファイナンスっていう会社やってるんだ」
「その秘書の花です!」
「私は、峯と申します、宜しく」
「久美…桐生だ」
『き…りゅ…う…』
「あん?どないした?」
『桐生…さん?』
「!?」
「おま、まさか桐生ちゃん覚えとるんか?」
『ハッキリとは…でも、なんか聞いたことがあるような…』
なんやて!?桐生ちゃんの事をか?
俺の事はスッカリ忘れとったってのに…
「久美、俺の事…」
『あ…っ!あ、あの…すいません!よく思い出せないんですけど…』
「久美ちゃん、無理すんなや」
どういうこっちゃこりゃ
「ま、まあ…とにかく座ろうや」
『はい』
「久美ちゃん何飲むんや?」
『え?えっと…』
久美がメニューを見とる。俺は少しの賭けに出た
『あ…モスコミュール』
「!?」
『モスコミュールがいいです』
「久美ちゃん、それ好きなんか?」
『うーん…なんか大切な思い出のお酒な気がして…』
「そ、そうなんか」
なんや、さっきまでちと桐生ちゃんにヤキモチ妬いとったのに…今ので全部帳消しになったで。俺も単純やな…
よし、勝負や
久美ちゃんがモスコミュールを飲む
「美味いか?」
『はい!』
「んじゃ、一口くれや」
『え?』
久美ちゃんの返事を待つ前にグラスを取る
「甘ぁ〜!」
久美ちゃんが、俺をびっくりした顔で見とる
ペロっと唇を舐めた
ポーっと赤くなる
「俺のも飲んでみるか?」
『え、は、はい』
ゴクリと久美ちゃんの喉が上下する
『カッっ!あ、熱いです!真島さん!』
「ヒヒ!そらそーや!40度や」
『えー!真島さん、わざとやりました?』
「酔った久美ちゃんも見たくなってのぅ」
『…!』
「ん?」
『…』
なんや久美ちゃんの様子がおかしい
ちょっと強すぎたか?
『…なんか、この場面見たことある気がして…』
まだ、思い出すわけはないか…
「デジャヴってやつかいな」
『そうなんですかね』
「ヒヒ!その相手も俺なら光栄や」
『フフッでも、なんか…そうだといいな…』
なんや、嬉しゅうて顔がニヤけてまう!
アカン!
久美ちゃんが、不意に胸のネックレスを指でイジっとった
癖なのか?
よう見てみたら、俺が久美の誕生日にやったネックレスや
そっか…あの時からきっと着けっぱなしなんやな
久美ちゃんの指がネックレスを触っとるのをみてたら、それは正しく俺の嫁の久美や!なんて当たり前やろ…だけどなんか確信してもーた
ここまで、なんや俺の知らん久美を見てるようなそんな感じで接してた気がする
でも、やっぱり久美ちゃんは久美や!
何言うとんのかわからんけど…そうなんや!
『真島さん?』
「ん?なんや?」
『皆さん…あの…アタシの事を知ってるんですか?』
「んあ、ああ。せやな」
『そうなんですね…』
「んでも、久美ちゃんは気にせんでエエ。初めましてでエエよ」
『はい』
「まだ、混乱してまうからな」
「真島さん、大丈夫なんですか?」
「あ?ああ。また最初から口説いてプロポーズするんや!言うとるで」
「はぁ…真島さんの久美への愛って…ホントに深いですね…」
「せやな。誰もが生きとるうちにそんな相手に出会えるかもわからんな」
「ホントにそうですね。色んなことが二人に起こるけど、本人達は辛いときも多いだろうけど、羨ましくも見えちゃいます」
「俺は、そんな相手と出会える気しねーなー」
「錦は、いろんな女に手を出しすぎだ」
「桐生に言われたくねぇ!」
「え?桐生さんって…そうなんですか?」
「何言ってんだ!そんなわけ無いだろ!」
「お、お前まさか…まだ久美ちゃんのこと?」
「ち、違うっ!」
「こりゃ、当たりやな」
「あの二人見てて、まだなぁ…」
錦がそう言うと
みんなでカウンターにいる二人を見る
二人は、笑い合ってる
それはまるで…夫婦になったあの時と何も変わらないように
「あんまり遅うなると悪いから送ってくわ」
『はい、ありがとうございます』
「ワシ、久美ちゃん送ってくるわ」
「おう、頼むわ」
「ほなな」
二人が店を出て行く
「で、久美ちゃん妊娠は大丈夫だったんだよな」
「ああ、それがホンマに何よりや」
「クソぉ!佐々木の野郎」
「兄弟…恐らく初めて殺ったのかもな…」
「え!?」
「佐々木の死体を呆然と見とった」
「でも、そりゃ殺りますよ」
「ホンマや、殺られて当然の奴や」
「せやけど、まだ久美の命があって良かったわ、あの時もしかして…と思うた」
「兄さん…よく乗り越えたな」
「ホンマや。あんな状況見て、オマケに自分の事忘れられてるなんて…兄弟が何したって言うんや」
「でも、真島さんの強さがわかりましたよ。僕には太刀打ちできない」
「ああ、それは俺も思ったな」
「今だって、久美ちゃん笑ってたよな。確か最初は怯えてたって…」
「せや、誰も近づけなかったわ」
「兄さんは…最初もそうだった」
「久美が突然現れた時だ」
「この先どうなるのか怯えてた久美が、心底笑ったのは、兄さんといる時だった」
「だから、今度もきっと大丈夫だと俺は思ったぜ」
「兄弟は…ずっとあまり人を寄せ付けない所があったんや。久美といる時は狂犬やない普通の男や」
「真島さんって…そのあんまり自分の事話さないし関心ないっていうか…そんなふうに見えてました」
「兄さんは、人の事ばかり考える人だ」
「せやな。あの目もそのせいで失くしたようなもんや」
「へーくしょい!」
『真島さん、風邪ですか?』
「あ?いや、誰ぞが噂でもしとるんかのぅ」
『フフッじゃあ、カッコイイ真島さんの噂ですかね!』
「あ?こんなオッサン碌な噂やないで」
『真島さんはオッサンじゃないですよ』
「そりゃ嬉しいのぅ」
『フフッ!』
『真島さん!』
「ん?」
『いつもありがとうございます!』
「なんや?」
『いつもいつも笑わせてくれて!』
「ヒヒッ!オモロイオッサンかい!」
『違いますよぉー!』
「久美ちゃん、ホンマに可愛らしいのぅ」
『いやだ!もう!』
「ホンマやで?」
『は、恥ずかしいです!』
「…」
『真島さん?』
「あー!もう辛抱堪らんわぁ」
「早よ、久美ちゃん抱き締めたいわ!」
『ええ?』
「ずっと我慢してんねん」
「まだ…怖いやろ?」
『あ…あ、そ、そうですね』
「久美ちゃんが大丈夫になるまでは、オッサン我慢するでぇ〜!」
『プッ!オッサンじゃないですってば!』
ふざけながら歩いてると、フッと手が触れた
『…っ!』
「…」
ガっとその手を掴んでみる
『っ!』
「ほれ、おてて繋いでかーえろ!や!」
『アハハハハ』
ブンブン手を振って歩く
恋人のような雰囲気ではないが、それは久しぶりに感じられた久美の温もりだった