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元の世界
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思い出した…
そっか…元の世界のアタシはもういないのかもしれない
全てのピースがピタッとハマった…
アタシには恋人がいた
その男にいつも暴力を振るわれて…
アタシは…死んでここに来たのかもしれない
ここは実際いた時代より数年過去になる
まだ…アイツに出会う前の頃の
アタシになってたから思い出せなかったんだ
アイツは、「逃さない」と言ってた
思い出したら凄い寒気に襲われた
ここの世界にはアイツは居ないだろう
だけど怖い…
もしも、もしも
出会ってしまったら…
ブルブルっと寒気がして
なんだかクラクラする…
寒い…寒くて寒くて震えが止まらない
どうしたんだろ…
「久美!久美!」
ユサユサと揺らされて
目が覚める
『んん…』
目の前がグルグルまわる
『はぁ…ま、真島…さん』
「久美!凄い熱やぞ!」
えっ?熱?
「病院連れてったるからな!西田!車出せや!」
「は、はい!」
兄さんに背負われて柄本医院にやって来る
「風邪だな」
「ああん?風邪?ホンマやろな!?もしもっと大変な病気だったら承知せぇへんぞ!」
「何言ってんだ?風邪だって万病の元だ!」
「あん?」
「とにかく、薬飲ませてゆっくり寝かせてやれ」
「お、おぅ」
「久美?大丈夫か?」
『…は…い』
「俺がずっとついててやるからな、心配いらんで」
『…ふふ』
「せや、俺に移せば治るんやないか?のぅ?キスしよか?久美」
『だ、駄目ですよ…真島さん…忙しいんですから…』
「久美より大事なものなんてあらへんぞ」
「おい!お前らここでイチャイチャするのはやめろ!」
「うっさいわ!」
「久美、帰ろか、西田が待っとるからな」
そして、家に帰ってきたアタシに兄さん特製のお粥が振る舞われた
兄さんって、何気に料理上手。パパっと作っちゃうんだよね
美味しくて全部食べちゃった!
お粥食べて薬飲んでベッドに入ると
兄さんが横で背中をポンポンとしてくれる
ホントに子供扱いだ
『今日…』
「ん?」
『夢を見たんです…』
「ほぉ、どんな夢や?」
『元の世界の自分です』
「ほぉん」
『…記憶から抜け落ちてた部分がありました』
「そか…」
兄さんは、無理に聞いてこようとはしない
『アタシ、逃げてきたんです。ココに』
「…」
『元の世界で、暴力を振るわれてました。恋人に。逃げても逃げても追いかけてきて連れ戻されて…また殴られて…』
『もう、生きていたくなかったんです…毎日毎日言われるんです。お前は誰からも愛されないって…』
「久美…」
『夢で見た最後の場面は、アイツに首を締められてるところでした』
『アタシ…死んだのかもしれません…』
ガバッと兄さんに抱き締められる
「久美?よぉ聞けよ」
「お前はここにちゃーんと居る。ちゃーんと生きとる。久美の体温ちゃーんと感じとるぞ俺は」
「ずっと俺の側に居ればいい。な?」
『はい…』
「俺は、こんなにお前を愛しとるで」
「紛れもないこれが現実や」
「久美の人生は、ここで続いとる」
『っ…うぅ…ぐ…』
『怖くて…アイツがまた追いかけてくるんじゃないかって…』
「もし来てもそんな奴なんぞ俺がブチのめしてやるで」
『ぅ…』
「大体、弱い女に暴力振るう男なんてもんはな、クソ弱い奴やで」
「大丈夫や、俺の強さ知っとるやろ?」
『はい…』
「なーんも心配いらん!なっ!」
優しく髪を撫でてくれる
この手をずっと求めていたのかもしれない
この手を探してここに来たのかもしれない
「久美…愛しとる」
『アタシも…』
「俺はずっとお前の味方や。どんな事からも守ってやる、いつだってそばにいる、信じろや」
『うん…』
ヨシヨシと頭をポンポンとされて
また自然と笑顔になる
安心したら、瞼が重くなる
そのまま今度は幸せな夢の中へ落ちていく
「久美…そないな辛い目に会うてたんやな…俺らの前に突然現れたのは、きっと神さんが久美のことを助けてくれたんや、お前は誰からも愛される存在やと教えたかったんや。だからこれからはもっと幸せにしたるからな…」
兄さんの呟きを
遠くで聞きながら
アタシは深い眠りについた
そっか…元の世界のアタシはもういないのかもしれない
全てのピースがピタッとハマった…
アタシには恋人がいた
その男にいつも暴力を振るわれて…
アタシは…死んでここに来たのかもしれない
ここは実際いた時代より数年過去になる
まだ…アイツに出会う前の頃の
アタシになってたから思い出せなかったんだ
アイツは、「逃さない」と言ってた
思い出したら凄い寒気に襲われた
ここの世界にはアイツは居ないだろう
だけど怖い…
もしも、もしも
出会ってしまったら…
ブルブルっと寒気がして
なんだかクラクラする…
寒い…寒くて寒くて震えが止まらない
どうしたんだろ…
「久美!久美!」
ユサユサと揺らされて
目が覚める
『んん…』
目の前がグルグルまわる
『はぁ…ま、真島…さん』
「久美!凄い熱やぞ!」
えっ?熱?
「病院連れてったるからな!西田!車出せや!」
「は、はい!」
兄さんに背負われて柄本医院にやって来る
「風邪だな」
「ああん?風邪?ホンマやろな!?もしもっと大変な病気だったら承知せぇへんぞ!」
「何言ってんだ?風邪だって万病の元だ!」
「あん?」
「とにかく、薬飲ませてゆっくり寝かせてやれ」
「お、おぅ」
「久美?大丈夫か?」
『…は…い』
「俺がずっとついててやるからな、心配いらんで」
『…ふふ』
「せや、俺に移せば治るんやないか?のぅ?キスしよか?久美」
『だ、駄目ですよ…真島さん…忙しいんですから…』
「久美より大事なものなんてあらへんぞ」
「おい!お前らここでイチャイチャするのはやめろ!」
「うっさいわ!」
「久美、帰ろか、西田が待っとるからな」
そして、家に帰ってきたアタシに兄さん特製のお粥が振る舞われた
兄さんって、何気に料理上手。パパっと作っちゃうんだよね
美味しくて全部食べちゃった!
お粥食べて薬飲んでベッドに入ると
兄さんが横で背中をポンポンとしてくれる
ホントに子供扱いだ
『今日…』
「ん?」
『夢を見たんです…』
「ほぉ、どんな夢や?」
『元の世界の自分です』
「ほぉん」
『…記憶から抜け落ちてた部分がありました』
「そか…」
兄さんは、無理に聞いてこようとはしない
『アタシ、逃げてきたんです。ココに』
「…」
『元の世界で、暴力を振るわれてました。恋人に。逃げても逃げても追いかけてきて連れ戻されて…また殴られて…』
『もう、生きていたくなかったんです…毎日毎日言われるんです。お前は誰からも愛されないって…』
「久美…」
『夢で見た最後の場面は、アイツに首を締められてるところでした』
『アタシ…死んだのかもしれません…』
ガバッと兄さんに抱き締められる
「久美?よぉ聞けよ」
「お前はここにちゃーんと居る。ちゃーんと生きとる。久美の体温ちゃーんと感じとるぞ俺は」
「ずっと俺の側に居ればいい。な?」
『はい…』
「俺は、こんなにお前を愛しとるで」
「紛れもないこれが現実や」
「久美の人生は、ここで続いとる」
『っ…うぅ…ぐ…』
『怖くて…アイツがまた追いかけてくるんじゃないかって…』
「もし来てもそんな奴なんぞ俺がブチのめしてやるで」
『ぅ…』
「大体、弱い女に暴力振るう男なんてもんはな、クソ弱い奴やで」
「大丈夫や、俺の強さ知っとるやろ?」
『はい…』
「なーんも心配いらん!なっ!」
優しく髪を撫でてくれる
この手をずっと求めていたのかもしれない
この手を探してここに来たのかもしれない
「久美…愛しとる」
『アタシも…』
「俺はずっとお前の味方や。どんな事からも守ってやる、いつだってそばにいる、信じろや」
『うん…』
ヨシヨシと頭をポンポンとされて
また自然と笑顔になる
安心したら、瞼が重くなる
そのまま今度は幸せな夢の中へ落ちていく
「久美…そないな辛い目に会うてたんやな…俺らの前に突然現れたのは、きっと神さんが久美のことを助けてくれたんや、お前は誰からも愛される存在やと教えたかったんや。だからこれからはもっと幸せにしたるからな…」
兄さんの呟きを
遠くで聞きながら
アタシは深い眠りについた