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Happy Birthday この日に感謝を
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今日も仕事帰りのネオン煩い神室町
どんなに惨めな夜もこの町はホラホラと背中を押してくる
「おい、そんなんでいいのか?もっと楽しめ!」って…
そして少しだけ軽くなる足取りであの店を目指す
「久美?」
不意に呼ばれた方へ振り返る
『あ、桐生さん』
「仕事帰りか?」
『はい』
「1杯引っ掛けに行くんだろ?」
『フフ…はい』
「なんかあったのか?」
『ですね〜』
立ち止まって話している私達を邪魔そうに避けていく人達
「俺も一緒に飲もうかな」
『アハハ、愚痴聞かせちゃいますよ?』
「俺には新鮮な話だな」
そんなこんなで二人でBarに入った
散々愚痴をこぼして大分酔ってきた頃に
プルプルプルプル♪
「あ、すまん」
桐生さんの携帯が鳴る
「ああ、あ?兄さん?」
『え〜、真島さんですか〜?えへへへ〜』
―「なんや?久美ちゃんも居るんか?」―
「ああ、たまたま会ってな」
―「どこやどこや!」―
「なんでだよ」
―「おま、二人でずるいやないか〜!」―
「ずるくねーよ!」
―「ええから場所教えろや」―
「ったく…」
『ええ〜、真島さんも呼びましょ呼びましょ!』
「なんだよ…クソッ…」
不機嫌そうに私を睨む桐生さんは、場所を伝えて電話を切った
『ああ〜もっかい愚痴言えるぅ〜♪』
「あ?兄さんにも聞かせるのか?」
『はい!お二人のアドバイスも聞きたいです』
「お前…職場で出入りの業者の若い男に勘違いで付きまとわれて変な噂流されて辞めたい…とかいう愚痴を兄さんに言って兄さんがどう言うかなんてわかるだろ」
『ん〜』
「マジかよ…」
「へ〜イ!お二人さん!おまたぁ〜」
上機嫌で入ってきたのは真島さん、早いな…
お二人にはこの神室町で出会った
お二人別々に同じ日に絡まれてるところを助けてもらったんだ
後日お礼に食事に行ったときにお二人が知り合いだとわかったの
で、それからは三人で飲んだりする事もあった
「久美ちゃん、なんや酔っとるんか?」
『あ〜なんか愚痴ってたら酔いが回ってしまって』
「愚痴ぃ〜?なんやなんや!このカウンセラー吾朗にも聞かせなさい」
『カウンセラー!?アハハ!』
「はぁ…」
「そら久美ちゃん!ワシがその男永久に顔出せんようにしたるわ!」
「ほらな…」
『え〜それはまた物騒ですね!』
「んな事で仕事辞めんでもええやん」
『でも…もう周りの人達にもそんな目で見られるの嫌なんですよ〜』
「なんや人の噂もなんとやらっちゅうやろ?」
『えへへ…そこまで耐えられそうもないですね!また職探しだぁ〜』
「それなら」「そんなら」
『ん?』
「なんだよ、兄さん」
「桐生ちゃんこそなんや」
「あ?俺は久美の次の仕事に―」
「お!?待て待て待てや〜!ワシが先や!」
「なんでだよ!」
「ワシ、社長やし?ヒヒッ」
「クッ…」
『何なんですか〜?社長?またまたぁ〜』
「なんや、言った事なかったかいな?」
「ズルいぞ兄さん!」
「ズルいもクソもあるかいな、これが現実や!」
『フフっ』
「ワシの会社に来るか?」
『でも…』
「辞めとけ久美」
「だぁーっとけや!」
『とりあえずは、今の職場を無事に辞めてから…と言うことで!』
「ん、まぁ急がんでもワシの会社は潰れたりせんからな!」
「フンッ」
「桐生ちゃんこそ、久美ちゃんに何紹介しようとしてたんや?まさかキャバクラじゃないやろな〜」
「んなわけあるか!」
『さすがにこの歳でキャバ嬢は無理ですよ〜』
「そんなことないぞ!」
『え…まさかホントに?キャバ嬢?』
なんかモゴモゴ言ってる…
「そんで、毎日通うつもりなんやこの男は」
『アハハ!それいい!』
「はぁ〜?」
『No.1も夢じゃない!?』
「おいこら!んならワシは、キャバ嬢より給料出したる!」
『ええ!?ホントですか〜?』
「あったりまえや!ワシ社長やで?」
ニヤッと笑う真島さん
『ん〜ちょっと考えときます』
「焦らすやないか〜」
『フフっ』
それからひと月後…
勘違い男が家までやって来るという暴挙に出始めてこれは早々に対処しないとヤバイ事になりそうだととりあえずは真島さんに電話してみる
『…っということになってしまいまして…』
「そら久美ちゃん、危ないで?すぐ迎えに行くわ」
で、何故か真島さんのマンションへ
「その辺適当に座ってや」
『あ、はい』
広い…
『やっぱり、社長ともなると凄いところに住んでるんですね〜』
「そんな帰っても来んけどな」
『そうなんですか、お忙しいんですね』
「せや、暫く居ってもええで?」
『え?そんな申し訳ないですよ』
「せやけど、帰ったら怖いやろ」
『ま、まぁ…』
「俺、そんなここに帰らんから好きに使うてええ」
『は、はあ…』
「取って食ったりせんよ、ヒヒッ」
『え!そんな事…私なんて…おこがましい…』
「あ?なんや、食ってもええんか?」
『いやいやいや…そうではなく、私なんてなんの魅力もないですし、平凡過ぎる女ですから真島さんなんて鼻にもかけないと…』
真島さんは淹れてくれた珈琲を持って私の隣に座る
「久美ちゃん?俺な〜めっちゃ必死になっててん…」
『?』
「この前桐生ちゃんと飲んどったやん」
『あ、はい』
「結構二人で飲んどるよな〜」
『そうですか?真島さんともよくご飯食べに行きますよ?』
「せやけどあんな酔ったりせん」
『…あれ…は―』
「桐生ちゃんに気ぃ許しとるんか?」
『ん〜…真島さんにもそうだと思いますけど』
「ちゃうねん!あんなんお持ち帰りされても仕方ないで?」
『ま、まさかぁ〜…』
ため息をつきながら頭を抱える真島さん
「鈍感にも程があるわ…」
バッと顔を上げた真島さんは、グイッと顔を近付けてくるので、思わず仰け反ってしまった
「俺、久美ちゃんのこと欲しいねん」
『は?』
「せやから〜…ホ、ホ、ホレたんや!」
『…』
「なんか言えや」
『え…ありがとうございます…』
「桐生ちゃんも惚れとると思うで?」
『まさかまさか〜!』
「あんな?惚れとるからなんとかしてやりたい思うんやで?困っとったら助けてやらな!ってな?」
『いい人達…です…』
「まぁ、その分じゃまだまだ頑張らな久美ちゃんの心は奪えんようやな…」
あの頃の真島さんは
本当にとっても強引で、私はいつもタジタジだったな
それから程なくして心を奪われたんだけどフフッ
まるでお姫様のように扱われて絆されない女性がいるのかアンケート取りたいくらい
それに、どんどん真島さんの事が格好良く見えてきて、会うたびにドキドキしちゃって
何気なく人混みの中守りながら歩いてくれる紳士な所を見せられ
そうかと思えばいきなり妖艶な色っぽい表情で甘い言葉をくれたり
なんだか、私の方が振り回されて
気付いたときにはその広い胸に抱き込まれてた
あれから5年
今日もその日がやって来た
私にとってとっても大切な日
だって、大切な大切な人の生まれた日
この世に生まれて私と同じ時代を生きてそして出会ってくれた感謝の日
仕事から帰ってくるのを御馳走を作りながら待つこの時間も幸せで
全部与えてくれたのはあなたで
ガチャガチャ
おかえりなさいと迎えられることが
その足音を聞くことが
その声を聞くことが
「久美〜ただいまやで〜寂しかったやろ〜」
毎日同じ事言ってるけど…
『おかえりなさい〜ご飯出来てるよ』
あなたという人と
この何気ない時間を過ごせる事に
そしてまた今年もこの日を迎えられたことに
『Happy Birthday!真島さん!』
あ、桐生さんは暫く不貞腐れて日本中飛び回ってる(笑)
2025/5/14
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