苗字は固定になります
大阪へ〜真島side
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
冴島さんと兄さんが大阪へ行ったときの話
「ったく、なんでやねん!」
「まぁだ言っとんのか」
「久美一人にしてくるなんて嫌や」
「お前な…そないな事言うても仕方ないやろ」
「んじゃ、兄弟は久美を独りぼっちにしてこーんなに離れた場所に行けるんか?」
「あ?何言っとんのや、アホか」
「はぁ… 久美に会いたいのぅ…」
「ホンマにアホや…」
桐生ちゃんに頼まれて兄弟と大阪に来た
ったく、なんでワシが来なきゃアカンねん
大吾ちゃんとかでエエやろが
大体、なんでワシらの方から行かなアカンねん
近江から来いや
あー!苛つくで!ホンマ
大阪着いたら早速近江の奴が駅まで迎えに来よった
「なんや、直ぐ仕事かい」
「何しに来たんや、兄弟」
「まぁ、サッサと片付けて帰ろうかのぅ」
「明日もあるんやで」
「くっ…」
「はぁー横に久美が居らんと寝れんわ」
「アホか」
車で近江の本部まで来たわ
会長は、渡瀬やな
めっちゃゴツい顔やで
「本日はご足労ありがとうございます」
「おう、そんなんエエねん!サッサと終わらせよーや」
「真島さん、なんやおなごに夢中らしいでんな」
「ああ?」
「兄弟、やめぇ」
「いやいや、嫌味やあらへん。羨ましいと思いましてな」
「フンッ」
なんやら良くわからんけど、昨今の極道事情についてこれからの方針をどうしていこうとか、そんな事話しよったわ
どーでもエエわ!
ほとんど話聞いとらんかったけど、兄弟が聞いてるからエエな
とりあえず、今日のところは…なんて言って終わったけどたったこんだけの為に俺は久美を置いてきたんかいな…ったく
兄弟が酒でも飲み行こう言うから
渡瀬のオススメのキャバクラに来たけど
あーつまらん!
俺はキャバクラなんてもんになんの興味もない
兄弟は、ムショ暮らしも長かったからのぅ
ま、付き合うてやるか
「ゴローちゃーん♪」
あ?誰や
よく見たら、神室町のキャバクラにいた小百合やんけ
うちのケツ持ちの店や
たまに西田やら連れて行くくらいしか行ったことないがこの小百合っちゅうのがしつこかったのぅ
こんなとこで会うなんてついてないわ
「おう」
「ね、ね、なんで?なんで大阪いるの?」
「仕事や」
「アタシに会いに来てくれたのかと思った♪」
「んなわけあるか」
ベタベタ触ってくんなや
適当に酒を飲んでたら電話や
久美かのぅ
「誰や」
「あ、真島さん?僕です秋山」
「はあー?なんでお前がワシに電話なんかしてくるんや」
「あ、いやいや、今度みんなで集まろうって話がありまして…」
「そないなこと帰ってからでエエやろ」
話してると小百合がしなだれかかって甘ったれた声を出してくる
「ゴローちゃーん♥ねぇ〜アフター行くでしょ?」
「うっさいわ、ちょお待っとれ」
「あ、お邪魔でした?すいません!じゃあ帰ってきたらまた連絡しますね」
なんなんやアイツは
はぁーつまらん
小百合を上手いこと撒いて来たんはエエけど
兄弟は、久々のネェちゃんに満足したんかいな
二人で蒼天堀を歩いていると
また電話や
出ようと思った所で、思いっくそ肩がぶつかる
「あん?」
「イッテェーなー!」
「フンッ!チンピラかいな」
「兄弟、やめ」
「イライラしとんねん!コッチわ」
「なんだぁー?やるんか?」
「エエで…可愛がったるわ」
兄弟に止められたけど、一発で伸してやったわ
そう言えば、今電話鳴っとったな
見たらもう切れてたけど、久美からやった
クソっ!チンピラのせいで出れんかったやんけ!
急いで折り返す
「久美ぃ〜」
『あ、真島さん』
「どないした?」
「おい!真島ぁー!」
は?急におっさんの声に変わったで
「誰やオマエ」
「松島だ!忘れたとは言わせねーぞ」
いや…全く記憶にないんやけど…
「誰や松島って!知らん」
待て、なんで久美の携帯でオッサンと話しとんのや
「お前、なんで久美の携帯で話しとるんや」
「オマエの女と一緒にいるからだよ、へへへ」
なんやて?どういうコッチャ?
「オマエの女ボロボロにして送りつけてやるから待ってろよ」
なんやと!?
「おい!お前待てや!」
切りやがった!
「おい、兄弟?どないした?」
「久美が攫われた!」
「なんやて!」
「急いで帰るぞ!!」
「ま、待て!桐生に電話しろや」
「あん?なんでや!早よせな久美がやられてまうやろーが!」
「どう考えたって間に合わん!桐生に行ってもらう方がエエ!」
「そ、そか…わかった」
プルルル…プルルル…プルルル
早よ出んかい!桐生ちゃん!
「もしもし」
「桐生ちゃん!久美が攫われた!」
「な、なんだって?」
「松島組や!」
「に、兄さんどうすんだ!」
「ワシら間に合わへん!桐生ちゃん久美のこと取り戻しに行ったってくれ!」
「わ、わかった!松島組だな!」
「頼んだで!桐生ちゃん!久美のこと… 久美のこと頼んだで!」
「任せろ!絶対助ける!」
桐生ちゃんには頼んだ。アイツなら絶対大丈夫や。せやけど、焦っていても立っても居られん!
高速かっ飛ばさせてるけど、まだなんか!
「おい!もっと早く走れんのか!」
「む、無理ですよ!捕まったら元も子もないです!」
「兄弟、大丈夫や!桐生がきっと無事に助けてくれる」
「わーっとる!けど、じっとしてられるかっ!」
イライラしながら、久美の無事を祈ることだけしか出来ん自分に苛ついた
なんで攫われたんや…しかも目的は多分俺やろ?俺の喧嘩に久美を巻き込んでしまったんか…
桐生ちゃんから無事に久美は助け出したと連絡が入ったんやが、なんやハッキリせん言い方やな
気になってはいたが、とりあえず無事なら良かったで
そのまま東城会本部に向かう
車が停まる前に飛び出して、会長室まで走った
「久美!」
『ま、真島さん…』
久美が震えとる
怖かったな…すまん、一人にして
久美をよく見てみると、キャバ嬢みたいなドレスを着とる
めっちゃ似合ってる…じゃなくてなんでこんなん着とるん?
しかも、なんや破れとる
「おい、久美?なんでこないな格好しとるんや?しかも破れとるし…やっぱりなんかされたんか!」
久美の目が怯えだす
「兄さん!久美が怯えてる!」
桐生ちゃんに引っ張られて会長室を出る
「なんや!何があったんや!」
「久美は、松島に襲われてるところだったんだ」
「…なんやと」
「俺が駆けつけたときは、手錠をかけられて…その…下着を脱がされそうに…」
「なんやと!!あの野郎ぶっ殺したる!」
「ま、待て!兄さん!今は久美の側に居てやれ」
「松島なら、俺が動けないくらいブチのめしてきた」
「あ、ああ…せやな… 久美!」
部屋に入ると久美はまた倒れるように眠っとった
沢山泣いたんやろな、頬に涙の筋が出来とる
怖かったやろ?俺のせいや
ヤクザと関わらなきゃこんな事にならんかったのに…
久美は俺といて幸せになれんのか?
そんな事を言っても、久美から離れられるわけもなく…情けないやっちゃな俺も
桐生ちゃんによく話を聞けば、元凶は秋山やった。
そのまま殴りに行こうとしたら、兄弟に止められた
「なんでやねん!」
「待てや兄弟!ちょっと時間置いたほうがエエ。とにかく久美が最優先や」
「せやかて、このまま黙っとれん!嘘ついて久美のこと連れ出しよったんやで?」
「ワシらからも秋山には言うとくから、な?」
ああーもう!なんでや!
完全にアイツのせいやんけ!
クソッ!俺の居ない隙を狙いおったことも気に食わん
久美がどないキズを負ったと思っとんねん!
俺は暫くめっちゃ機嫌が悪かった
アイツ、秋山の事は前から気になっとった
久美にちょっかい出しとんのは何となく気づいとったがまさかここまでやるとは
命知らずなんか?俺の女やで?
まぁ、そのうちキッチリ話つけなアカンな
久美は少し元気になってきとる
もう離れとうなくて、幹部会にも連れて行く!言うたら西田に止められた
久美は外に出るのが怖いのかずっと部屋にいた
久々に連れ出してやるか
セレナに行こうと誘ってみたら嬉しそうな顔しおった、かわええのぅ…
セレナに着いたら、居ったで…秋山
俺の顔見たらややビビっとるな
当たり前や!
俺の顔は般若になっとったやろな
「おう、秋山顔貸せや」
「は、はい…」
素直やんけ
「お前、わかっとるよな」
「今回のことは、本当にすいませんでした」
「ほぉ…」
「お前、俺の居ないとき狙っとったな」
「…」
「そんなに惚れたんか」
「え?」
「だから、久美にそんなに惚れとんのかっちゅうねん!」
「あ、はい…」
「せやけどな、お前の欲望のまんま動いてコレや。逆に久美を危険な目に合わせおって」
「はい…」
「好きな気持ちは仕方あらへん。でもな」
「惚れた女守れん奴は惚れる資格ないで」
「…っっ」
「おのれの欲だけ満たしたいなら、他の女にしーや」
「…」
「僕には、久美ちゃんを好きになる資格はないですね…」
「そーゆーこっちゃな」
店に戻ると久美が心配そうな顔しとる
なんであんな奴のこと心配しとんねん
クソやろ
女良いようにしようなんざ虫以下やで
「ちゃーんと【お話しだけ】してきたから心配あらへん」
『はい…』
「せや、思い出した!」
『…?』
「おい!桐生ちゃんよぉー!喧嘩買えや!」
「な、なんだ!」
そうや、コイツ久美の裸見た言うたな
あん時は久美のことが心配やったし、助けてくれたんもあるしでとりあえず許したけど、なんやよく考えたらムカつくで
「お、おい!あれはわざとじゃねぇー!」
「わかっとるけどムカつくんじゃ!」
とりあえず、セレナの裏路地で喧嘩した
少しはスッキリしたわ
桐生ちゃんには、めっちゃ感謝しとるで!
今度からは絶対連れてく!
もう一人にはせん!出来ん!
大事な久美が傷付くのは見とうないんや
あんな震えて目に涙いっぱい溜めて
怖かったんやろな。そりゃそーや。
ホンマ、思い出しただけで胸が痛とうなる
まるで自分の体抉られたようや
久美は俺のもんや
誰にも渡さんし、触れさせん!
この時、俺は覚悟を決め始めてた
最初からそのつもりやったけど、久美をずっと側に置いとく為にもコレが一番だと…
あの真島吾朗が、一人の女と人生を歩く覚悟を決めた