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29−(63)緊急事態
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あの女の事はひとまず片付いて久美もいつもの笑顔が戻ってやれやれやで
女が嘘をついてた事を伝えたら少し黙って
『そうやってどんどん自分を傷つけちゃうのなんかわかるな』
と呟いた
久美も色々と大変な時期もあったし普通なら相手の女に殺意すら湧くやろ〜に
こんなふうに考える所も良いとこや
「憎らしい相手の気持ちも考えられるんやな」
『そんな良いもんじゃないよ、ゴローちゃんがちゃんと帰ってきてくれたし結果何もなかったからだよ〜』
と笑った
『もし、本当に何かあったんなら…アタシ何したかわからないよ?』
「おお、そんだけ俺に惚れとるっちゅうことやな!」
『ポジティブだな〜フフッ』
そんな平和な日が戻ってきた
ある朝、仕事に行く準備をしとったら久美が起きてきておはようと小さな声で言って手洗いに行ってそのまままた寝室に戻っていった
まだ眠いんやろなと思い家を出るときに声をかけようと部屋を覗くと
ソファに上半身を凭れ何か唸るような声を出す久美がいた
「久美?どないした?」
『…』
「おい、腹でも痛いんか?」
『…だい、じょうぶ…』
チラッとこちらを見た顔は青白くとても大丈夫には見えん
「久美?どこが痛いん?」
『…ん…お腹…』
「病院行くか?」
『…やだ…』
「でも痛いん嫌やろ」
『薬飲んだし…すぐ、治る』
「顔真っ青やし、脂汗かいとるやん!相当痛いんやろ!?」
『…ッう』
吐き気まで来てるようでこれはただ事じゃないと流石に俺も慌ててきた
「病院行こっ!なっ?」
『…ぅ…ハァハァ』
「アカン!救急車呼ぶで!?」
『やだ…平気…』
「どう見ても平気やないやん!駄目や!呼ぶで?」
すぐに救急車を呼ぶべく電話をかけ
質問に答えながら久美の様子を見ていた
その間もずっと息は荒く痛さに唸りながら耐えてるようやった
「すぐ病院行けるからな、行ったほうが痛いの治るやろ?」
『…ん…』
救急車が到着して救急隊が部屋に入ってきたらやっぱり安心したんやろ久美は始めて『痛い』と言ったんや
ホンマ我慢し過ぎや
救急車で受け入れ先を探すにも時間がかかる
その間もこないに痛がっとるのにと頭に来たが俺がやれる事がないから悔しくてただ黙っとった
やっと最寄りの市民病院へ運ばれたんやけど
少し調べて婦人科系やと
あいにくそこの病院は婦人科がなく救急隊からまた受け入れてもらえる病院を探すと言われた
処置室で痛み止めの点滴をされとる久美は、相変わらずずっと唸っとる
薬が効かないらしい
俺は処置室の外の長椅子でただ待っとるしか出来んかった
それから二時間は経ったやろか
やっと受け入れ先が見つかりここから一時間かかる総合病院まで行くことに
俺は病院を聞いて先に車で行くことにした
処置をしてくれた医者が
CTで見た感じやと結構大きな腫瘍があるらしいと
大きいと悪性の事が多いからと言われたんや
今まで痛がってる事はなかったかとか聞かれたんやけど、全然わからんかった…
頭が真っ白や
悪性の腫瘍?
久美が?
車を運転しながらドキドキと大きくなり続ける鼓動を鎮められずただ何も出来ん自分に腹が立つだけやった
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