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27-(61)葛藤
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「…う、嘘やろ…」
『…わからない…でも、あの人がそう言ってたの』
「大体、ホンマにヤったんかもわからんのに…」
思わず頭を抱えた
過去一番どうすればいいかわからんくらい
そして、忘れたくても忘れられないあの出来事も、頭の隅の方から顔を出してくる
久美と神室町で再会する少し前に
俺は離婚したんや
その理由が…子供やった
この話は、久美にした事は無かった
バツイチやって事はチラッと話したが
久美はさして気にする素振りも見せんかった
「あんな、久美…」
『ん?』
「俺な、バツイチやって言うたやろ?」
『うん』
「お前と神室町でまた会うた少し前やった、離婚の理由は特に久美には言うとらんかったけどな…」
ここに来て、ホンマに久美に伝えていいものか…不安が襲う
『…』
久美も緊張してるような顔で俺を真っ直ぐ見つめてくる
「前の嫁がな、俺に言わんと子供堕したんや」
『え…』
「前の嫁さん、自分の夢のため…なんやろうけど、俺、許してやれんかったんや…」
『子供…欲しかったの?』
「わからん…欲しかったから怒ったのか、何も言うてくれんかった事に怒ったのか…、やけど、その時に、俺の家族が、俺の子供が居った事は事実として、んでやっぱり少し残念やった」
『…そりゃそうだよね…』
『なら…今回も、欲しい?』
「それが、わからんのや」
「こんな稼業しとって何言うとんのやってな…でも、もしも俺の子やったら…でもな、俺は久美と一緒に居る、これからもや」
『でも…』
「まあ…あの女と話せなアカンな、せやけどお前嫌やろ?俺があの女と会うの」
『…ん、でも…』
「大丈夫や、間に誰か入れるわ、女がどうしたいのか聞かなアカンし、産みたい言うたらその後DNA鑑定すりゃええし、嘘ならその前に白状するやろ」
『確かに…』
「俺はど〜も腑に落ちんのやわ」
『ん?』
「あの日な、ホンマ珍しいくらい酔っとったんや、記憶無くすなんてそらもう何十年なかったんやから」
「…せやからなぁ〜…」
『…?』
「やれんと思うんや…俺も、んな若くないしやなぁ」
『…』
「…なんか言えや」
『ノーコメントで』
「今更若いねぇちゃん目の前にしてもな」
「せやから、これは賭けや、産みたい言うならそれでもええ、俺は認知はしてやる、ホンマに俺の子ぉならな、そら責任がある。でも違うたらアイツも産まんやろ、本人が一番わかってるはずや」
『うん…』
「久美には…嫌な思いぎょうさんさせてホンマスマン」
『…』
「もし、それでも俺を許せんかったら…その時は言うてくれ」
『…そんな…』
「ん?」
『それでも、ゴローちゃんと…一緒に居たいって…変かな…』
『もし、その赤ちゃんがゴローちゃんの子供だったとして、パパを取っちゃってもいいのかな』
「それは…その時にまた考えたらええ、俺が言える立場やないけどな」
『ん…』
とりあえず、俺は久美にどうしても伝えたいことは言えた
後は、あの女がどう出るかだ
久美は不安そうな顔をしとる
そらそうやな
こんな顔をさせたことにホンマ自分を殴りたくなる
俺らの間には子供は出来ん
そこに不満なんぞなかった
こんな父親なんかアカンやろ
俺は、久美と居れればそれで良かったんや
今までも、これからも
欲しいもんはそれだけなんや…