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26ー(60)憾み
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チリンチリン♪
お店の扉が開く音が響いた
『あ、すいません〜まだオープンじゃないんです〜』
と言って、掃除機をかけていた手を止めて入り口の方へ顔を向ける
そこには女が立っていた
『あ…』
「私…真島さんの赤ちゃん出来たみたい」
最初、頭おかしいのか?と思うほど
いきなりど直球で投げかけられた言葉を
アタシは全く理解できず、ただその女と睨み合ってた
『な、なんて言ったの?』
「だから、赤ちゃん…真島さんとの赤ちゃん出来たのよ、私に真島さん渡してくれるわよね?」
『そんな、こと…』
「だって、実際に私のお腹の中に真島さんの子供がいるのよ?」
何も考えられなくて…頭の中が真っ白になる
どのくらい時間が過ぎたのか
気づくとあの女は居なくなってた
アタシは、そのままずっとソファに座って
何も出来なかった
心の中がガサガサと、硬いもので擦られて
どんどん傷ついて血が滲んでくる
一気に切られるよりもずっと痛みが酷い
チリンチリン♪
ハッっと顔を上げる
「あれ…まだオープンしてなかった?」
『あ、三島さん…』
「ど、どうしたの!?」
『いえ、なんでも…アッッ!!』
ガッシャーン!
急いで立ち上がってお店の看板を持ち上げ外に出すために歩こうとしたら、コードが椅子に引っかかり看板と共に派手に転んだ
破片が手のひらを切り、血が滴る
「だ、大丈夫!?ちょっとまって、今そこ縛るから!」
『…ング……』
涙が溢れだした
痛いんじゃないけど、この痛みのせいにして
思いっきり泣きたかった
「ほら、手貸して!」
三島さんはアタシの手を取って、自分のハンカチで傷口をキツく縛った
そして、手を上に上げる
カウンターの下の空間で
そのままジッと目を見つめられ
「何があったの?」
『ホントに、あの…』
「そんな顔して、何もなかったわけがないでしょう?」
『あ…でも…確かめないと』
「はぁ…またあの男の事か…」
『…』
「全く、どれだけあの男に傷を付けられれば気付くんだ?」
『…』
『傷なんて…いくら付いてもいいの!いくら傷付けられても、どれだけ深い傷が付いても…ゴローちゃんとの事は、アタシにはそれも…宝物なの…』
「…」
『だって…どんな事になっても…忘れられないんだもん!アタシにこんな気持ち教えてくれたのも、ここまで生かしてくれたのもゴローちゃんなんだもん!』
「ッッ!」