苗字は固定になります
25−(59)本心
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
Rebirthのドアの前で深呼吸をする
「ふぅ…」
腹を括れ!失くしたくないんやろ!
自らに喝を入れて思い切ってドアを開ける
チリンチリンと聞き慣れた音が響いてカウンターに視線を向ければそこには今日片時も頭を離れなかった久美がいた
『あ…』
『い、いらっしゃい』
「おう…」
久美は、カウンターに座る男の客と話していたらしかった
ソイツを一瞥して俺もカウンターに座る
『いつものでいい?』
「ああ…」
ごめんね、とその男に言って俺の前に来てロックグラスにウイスキーを注ぐ
何度も見慣れた光景なのに、どうしてかずっと胸の奥の方からドキドキと鼓動が煩い
「はい、お疲れ様」
『ああ、おおきに』
タバコに火をつけてグラスを呷る
「今日は…」
『ん?』
「…帰って来んのか?」
『ん…帰るよ…ごめんね』
「いや…俺こそ…スマン」
ずっと伏せてた顔を上げれば
久美が微笑んどった
なんとも言えん気持ちになった
ホンマ、俺はガキやな…
「どこ行っとったん?」
久美は少し伸びた前髪を耳にかけながら
『んとね…ここで飲んで、ママのとこに行った』
「僕が誘ったんですけどね」
端に座っていた男が言った
「…」
無言でそっちへ顔を向ければ、ソイツは久美の方を見つめながら
「コレはチャンスだと思ったんだけどな」
『…』
「つけ込んで攫って行こうかと思ったんですけど、駄目でした」
「フンッ」
「終わるまで待っとるから、一緒に帰るか」
『うん…』
「では、僕はコレで…あ、改めて、宣戦布告しておこうかな、まだ諦めないですよ」
『三島さん…』
「ええで?受けて立つわ」
「フッ…では」
男は久美に微笑んで店を出て行った
「エライ肝の据わった男やな」
『ゴロちゃん…』
「俺よりお前の事思っとる奴なんか居らん」
『知ってる』
「あんな…久美…あの時のことやけど」
『ん…』
「悪いのは俺や、久美の気持ち考えんと…甘えてたわ、それなのに久美に当たってしもうた…スマンかった…」
『うん…』
『あのね…』
「ん?」
『会いたくなっちゃって…事務所に行こうとしたときに見ちゃったの』
「…」
『あの人がお店に来たときに、ゴローちゃんが肩抱いてた人だってすぐわかった』
「あぁ…」
『あれからも帰ってこないし、アタシこれは本格的に捨てられちゃうのかもなって』
「んなわけあらへん」
『家の中…一人じゃ静かすぎるんだよ、今まであんなにたくさんの時間を過ごしたのに…一人で…ゴローちゃんの声も聞こえなくて…』
『寂しくて…壊れちゃいそうだった…』