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22ー(56)嘘
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それからは、西田の言う通り神室町中の夜の女達にその噂はまたたく間に広がった…
あまり夜の女に手を出さんかった事が余計にその噂を広がらせた
尾ひれはヒレを付けまくって
久美の耳にも入るのは時間の問題やった
俺は余計に家に帰りづらくなり、久美との物理的な距離が広がった…
そんな時に事務所に珍しいお客さんや
「兄さん、ちょっと時間あるか?」
「ん?なんや桐生ちゃん、また喧嘩のお誘いか?」
「んなこと言ってる場合じゃないぞ」
「あぁ?」
桐生ちゃんと組長室のソファに向かい合って座る
西田がお茶を持ってきて部屋を出たら桐生ちゃんが大きな溜息を吐いた
「んで?なんや」
「兄さん、家に帰ってるのか?」
「あ?んー…忙しゅうてなぁ」
「ちゃんと連絡取ってるのか?久美と」
「な、なんでそないなことお前に言われなアカンのや」
「見たんだ」
「あ?」
「何をや」
少し俯いて両手を組んでギュッと手に力を入れた桐生ちゃんが
「久美が男と歩いてた」
「…」
「は?」
何言っとんのやコイツ
「客かなんかやろ?」
「まあ、そうかもしれないが…何というか、雰囲気が…」
「なんや、ハッキリ言えや」
「なんか、久美の表情が…すごく…女っぽかった…」
何が言いたいのかよくわからん
そらアイツはホステスや、客には女の顔する…
いや、久美は俺の恋人になってからは確かに店でもそんなふうに振る舞ってはいなかった
俺がいない時は正直わからんが、でもアイツはいつも明るくニコニコ楽しくしていて、キャバ嬢みたいに女を武器にするっちゅうことはなくなっとったよな
「それで、それはいつの話や」
「ああ、2、3日前だったか」
「昼か?夜か?」
「夜だ」
「店終わった時間か?」
「店に行く時間くらいだな」
…
とてつもなく熱いものがグラグラと湧き上がってきた
「そら、どんな男や」
俺から発せられた声はそれはそれは低く
地鳴りのような声やった