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1ー(34)最悪な女
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『うわぁ、ホントにオンボロだね』
「だから言ったやろ?」
『断るための嘘かと思った』
「俺、嘘嫌いなんや」
『ふーん』
部屋に入れてやり
俺は上着を脱いで、立て付けの悪い窓を開けると一服する
隣にやって来た女も、タバコに火をつけた
『きったない川だよね』
「せやな」
『…綺麗にするにはどうすれば良いのかね』
「汚いもん流さなきゃええやないか」
『なるほど〜』
「美味そうに吸うな」
『え?そう?ま、美味いよ?精神安定剤みたいなもんだからフフッ』
薄らとネオンの光を反射するその女の横顔は、さっきとは真逆の性格を映し出しているような悲しげな顔に見えた
『さーてと、飲も!』
『寝てていいよ?それとも一緒に飲む?』
「あ?ああ…飲むか…」
『フフッ、やな事は〜飲んで忘れるに限る』
「フラれた事かいな」
『そそ』
それから一時間くらいか、買ってきた酒を二人で飲んだ
大した会話もせず…
『ふぁ〜ぁ』
「布団一組しかないから使ってええで」
『いいのいいの、アタシは今日は働いてないから』
「は?」
『お仕事した人はちゃんとお布団で寝て下さい、アタシは平気だから、コンクリートの上より数万倍マシだし』
と言うと、ゴロンとその場に寝転がった
ま、えっか
俺は布団に横になって目をつぶった
昼頃目が覚めると、飲みっぱなしにしとった缶やらツマミやらは綺麗に片付けられ
灰皿まで洗ってピカピカになっとった
テーブルも顔が映るくらい綺麗になって
そのテーブルの上に1枚の紙
(お兄さん、お世話になりました)
とだけ書いてあった
思えば名前も聞いてなかった
その後にあの騒動に巻き込まれることになって
俺はそのままその女の事はスッカリ忘れとった