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9−(42)はじめての朝※
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久美の荷物を持って階段を降りる
アパートの前に車が待ってた
「親父、お疲れ様です!」
「おう」
『え?車?アタシ乗っていいの?』
「ええに決まっとるやろが」
助手席に荷物を置いて
二人で後部座席に乗り込む
タバコを咥えると前から火が出てくる
窓を少しだけ開けて
もう片方の手は、久美の肩に回した
「今度、一緒に大阪行くか…」
『ん?なんで?』
「俺らも墓参りや」
『うん』
車が俺のマンションに着いた
『わぁ…凄っ』
「行くで」
久美の荷物を持ってやり手を繋ぐ
キョロキョロしながら着いてくる
エレベーターで最上階へ
『なんか、ホテルみたいだね』
「そうか?」
部屋の扉を開けると『おじゃましまーす』と言って入っていく
窓の近くへ行くと
『わぁ!夜景凄いね!』
「ああ、毎日見とるとそうでもないで?」
『贅沢だな〜毎日見ても飽きないよ』
「んなら、毎日ここから見ればええ」
『んふッ、夢見たい…そんなの』
「ん?」
『真島さんがヤクザでも、アタシ凄く今幸せだな〜って感じてるよ』
久美の横顔が今までにないくらい穏やかに微笑んだように見えた
『アタシ…最初は真島さん気まぐれでアタシの事構ってるだけだと思ってた、可哀想な女をただ構ってるだけだろうなって…』
「フンッ」
『良く言ってたじゃん、アタシと会うこともこうなる事も決まってたって、何言ってんだろって思ってたけど、最近感じるの…こう言う幸せをアタシずっと求めてたのかもなって…』
『一人で平気って思ってたけど、二人でいる事の大切さ知ったら…なんか…』
「なんやねん」
『アタシの生きてる目的ってこれを知る事だったんじゃないかって思って…ごめんね、馬鹿だから上手く言えなくて…』
俺は久美のことを抱きしめながら
「俺な…信じてくれるかわからんけど、前にも久美と一緒に居ったんや」
『え?』
「前世っちゅうんか…わからんが、前にもお前と居って、何が理由なのかわからんが離れてしもうた…でも、約束したんやその時…絶対にまた探し出してやるってな」
『…それで…あんな事言ってたんだ…』
「ああ、変な話やけどな…突然蒼天堀で思い出したんや、大事な約束があった事。探さなアカン女が居ったこと」
『それがホントにアタシなの?』
「お前、言っとったやろ?俺が寝言で久美の名前呼んでたって」
『…うん』
「それでハッキリわかったわ、たまに見てた夢で隣に居ったのはお前やったわ」
「だいたい、名前も知らんかったのにこんな偶然あるわけないやろ?ヒヒッ」
『それは、ホントにね』
「久美と居るとどんどん色んな事思い出すんや」
「せや、匂いや」
『匂い?』
「お前の匂い…懐かしい匂いやった…めっちゃ好きなな」
『それなら、アタシも真島さんの匂いすごく落ち着く…』
「ホンマか?」
『うん』
『今度からはそういうの教えてよ、アタシも思い出すかも』
「せやな」