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1ー(34)最悪な女
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その出会いはまだ、俺が蒼天堀にいた時だった
グランドの営業を終えて部屋に帰る道すがら
前を歩いてる女がめっちゃ千鳥足やった
高いヒール履いて、危ないでアレ
と思っとったら案の定足首グギっといったわ
思わず抱きとめたんやけど
『んあ?ああ、お兄さん!』
「ねえちゃん飲みすぎやな」
『んなもんアタシの勝手でしょ』
「ま、そりゃそーや」
なんや、礼も言えん女か
しょーもなっ
抱えてた手を離す
まだフラついとるけど、関わると面倒くさそうな女やったから知らん顔して歩き出した
『あいたっ!』
遂に転んだか、と思って振り向くと
地べたにペタっと座り込んでヒールを脱ぎ捨てとる
ホンマ酒癖悪い女やな〜
『ねぇ!お兄さん!』
マジか…
振り向くと手招きをしとる
シカトしようかと思ったんやが、後味悪いなと
仕方なしに戻る
「なんや」
『今夜、泊めてくんない?』
「は?」
『行くとこないんだよね』
「…ねえちゃん、関東の人か?」
『そやねーん』
「アホか」
『ねね、今夜だけでいいからさ』
「ホテルとか取っとらんのか」
『ちゃうねん!ドタキャンやねん!』
「やめろその変な関西弁、イラッとするわ」
『ごめんごめん』
「ドタキャンって、男にでもフラレたんか?」
『は?』
『なんで当てるの?』
「そんくらいしかないやろ」
『お金もあてにしてたからさぁ〜』
「んで、やけ酒かいな」
『そんなとこ、でももう切ろうと思ってたからいいの』
「…泊める言うてもな〜俺ん家ボロいで?」
『そんな良いタキシード着てるのに?』
「これは、仕事着や」
『ん〜ボロくても何でもいいわ、寝れれば』
「風呂もないで?」
『は?今どき?お風呂どうしてるの?』
「銭湯行きゃええやろ」
『銭湯か…たまにはいいかも』
「おい、俺はまだええなんて言っとらんぞ」
『あ!銭湯行く前に下着だけでも買いたい』
「こんな時間に店開いとるわけないやろ」
『そっかぁ…一晩くらいノーパンでもいっか!』
「節操ないやつやな」
『決まり!とりあえず銭湯行こう!』
このマイペース巻き込み女に何故かノせられて二人で銭湯へ
そして、何故か俺はソイツが出てくるのを待つ羽目に
『あ、ごめーん!お待たせ』
「あんなぁ…」
『帰ろ!』
『あ!』
「今度はなんや」
『ビール買ってこ』
「は?まだ飲むんかい」
『寝てて良いよ、私勝手に飲んでるから』