苗字は固定になります
6ー(39)夢
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
客がみんな帰って
俺は一人でカウンターでウイスキーを飲みながら店の片付けが終わるのを待ってた
隣にフワッと久美の香りを感じる
『お待たせ』
「お疲れさん」
『帰る?もう少し飲んでく?』
「久美んちで飲みたいわ」
『え?』
「行ってもええやろ?」
『うち、めっちゃ狭いよ?』
「別にええよ、ベッドさえあれば」
『ちょ…ストレート過ぎる!』
「ヒヒッまだ手ぇ出さんよ」
『は?』
「なーんとなく…まだなんや」
『何それフフッ』
「ま、お前が我慢出来んっ!って言うなら別やけどな」
『意志弱すぎ』
「プッ!確かにな」
「せやけど、大切にしたい思うんはホンマやで?」
『そんな事…言われたことない』
「言われた事ないこと多いな」
『大切にされた記憶なんてないから…戸惑う…そう言う甘いこと言われた時ってどう返すのが正解?』
「ニコッとしときゃええんやないか?」
ふーんと言って久美がニコッと笑った
そのまま、後頭部をガッチリ抑えてキスをした
『...んはぁ…苦しいってば』
「キスだけでそんなにトロンとした眼すな」
『すな、って言われても…』
ポンポンと頭を軽く叩いて
「行くか」
『うん』
初めて来た久美の部屋は
物がほとんどなかった
ベッドとテーブル、冷蔵庫は、ママがお古をくれたらしい
「なんもない部屋やな」
『そんなに部屋に居ないしね、寝に帰るだけ』
「ほんなら、俺ん家来るか?」
『えー!?いきなり?』
「家賃勿体ないやろ」
『アタシ、ご飯とか全然作れないよ?』
「作れると思うとらん、キッチン見りゃわかるわ」
そこには、調理器具なんてものはない
『ブッ!バレてる』
「ヒヒッ、別にそんな事求めとらん」
「少しでも一緒に居りたいだけや」
『…』
「なんや」
『なんでこんなアタシに…』
『アタシ、なんにも持ってないよ?真島さんにあげれるもの』
ベッドに座って、久美を後ろから抱きしめる
「あんな?お前は笑顔で生きてくれとるだけでええで」
『言うことが、見た目とのギャップ凄いね』
「ああ?」
『そんな台詞、ドラマの甘いマスクの俳優でしか聞いたことないよフフッ』
「俺も言ったことないわ」
いや、前は…言ってたのかもな
せや、なんか口から勝手に出てきよる
こんな歯の浮くような言葉思い浮かんだこともないのに
「お前、私なんかってよく言うけどな俺だってんな褒められた人間やないで?ヤクザやし」
『確かにフフッ』
「だから、そんな事もう言うなや」
『癖で言っちゃうんだよ』
「アカン癖やなぁ〜」
『ホント、やんなっちゃう』
「ま、んなもんそのうち直るやろ」
『ホンマかいな』
「お前のそのわざと明るくするんも癖かいな」
『暗くなるよりいいでしょ』
「ええから、そんなせんでも」
後ろから、久美の肩に顎を乗せて
「俺とお前、似とるんかもしれんのぅ」
『そう?』
「まあ、俺の方がまだ恵まれとるかもしれんけどな」
『…』
「せやから、俺に任せろや。お前くらい背負えるで」
『重いよフフッ』