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29ー狂人の策略
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その頃、神室町では…
警備会社の事務所のドアが勢いよく開く
「なんや、兄弟だけか?」
「おう、今日は大吾と久美は接待やで?」
「それがな、さっきから久美の携帯繋がらんのや、もう帰ってきてもええ頃やろ」
「ああ?なんやて?」
「大吾のは?」
「かかるけど出んわ」
「なんかあったんやないか?」
「せやから、今日の接待何処とやったのか調べに来たんやけど」
「ああ、確か…大きなホームセンターの社長とだったわ」
「何処の店に行ったかわかるか?」
「確か…」
兄弟が大吾の机の引き出しから何か取り出す
「ああ、菊屋っちゅう料亭やな」
チッ、神室町じゃなければ花屋に聞いても無理か…
とにかく、そのホームセンターの社長っちゅうのに聞くか…
「兄弟、ワシも行くわ」
二人で事務所を出ようとすると
フラフラの大吾が帰ってきた
「おい!大吾!なんやその格好は」
大吾のスーツは破け、髪も乱れさながらホームレスのような風体になっとる
「ま、真島…さん…すいません…」
「あん?」
「せや、お前、久美はどうしたんや」
「どうやら…嵌められた…みたいです」
「なんやと!?」
大吾の話を聞けば、ホームセンターの社長に飲まされた酒には何か薬を入れられていたようだと
目が覚めた時には、都内のホームレスのたまり場に捨てられていたらしい
意識を失ってる間に身ぐるみ剥がされていたと
「何やっとんねん!それで、久美は何処なんや!」
「全く…わかりません…」
「大吾…ッ!」
「待て兄弟、今ここで喧嘩しとる場合やない、早う久美探さな」
「おい、大吾なんか気になったことないんか!」
「そのホームセンターの社長ってのが久美のこと狙っとったんか?」
「いや…あの社長は特にそんな感じは…かなりの歳ですし…」
「んなら、ソイツと繋がっとる奴か」
「考えててもしゃーない、花屋のとこ行って調べてもらうわ」
俺は、急いで賽の河原に走る
「おう、なんか騒がしいな」
「花屋、コイツ調べてくれや」
ホームセンターの社長の資料を渡す
「繋がっとる奴や、裏で」
「何かあったのか?」
「久美が攫われたかもしれん」
「何だと!?」
「まだアンタ狙われてるのか?」
「いや、今回の目的は久美やと思うわ」
「調べて何かわかったらすぐ連絡する」
「頼んだで!」
賽の河原から出て、兄弟に電話をしようとしたところで
「兄さん?」
「桐生ちゃん」
「花屋になんか用だったのか?」
「ああ、久美が行方不明なんや…」
「何だって!?どういう事だ」
桐生ちゃんに、わかっていることだけを説明してやった
「元々、久美のことを狙ってた奴がいたのか…」
「せやな、まさか接待でこんな事にな…」
「兄さん、俺も一緒に探す」
「おお、桐生ちゃん」
二人で、もう一度警備会社の事務所に戻る
「大吾、なんかわかったか?」
「兄弟、桐生も来たんか」
「兄さんと、そこで会って久美のこと聞いたんだ」
「でも、相手はどっかの組の奴なのか?」
「それなんですが…」
「なんや、大吾、なんか思い出したんか?」
大吾が、ソファに座る
「もしかしたら、以前接待で会った社長かも…」
「なんでや」
「いや、あの時接待の後も誘われたんですよ。その時久美さんは先に帰らせたんですけど、どうやら久美さんの事気に入ったらしくて…、その後クラブに行って飲んでた時もやたらと久美さんの事を聞いてきたな、と」
「ソイツ、何処の誰や!」
「東北の方でチェーン展開してる飲食店の若社長、二代目です。名前は確か…渋谷…だったと」
その時、俺のスマホが鳴る
「あ?花屋なんかわかったんか」
「ああ、若松と繋がってたのは渋谷って飲食店の社長だな」
「大吾ちゃん、ビンゴや」
「最近、神室町をウロチョロしてたのも確認済みだ」
「その時から狙っとったのか」
「今、写真を送る」
送られてきた写真を大吾に見せる
「コイツか?」
「はい、渋谷です」
「見るからに坊ちゃんって感じの奴やな」
「真島、警察の情報にちょいとお邪魔してオービスを調べてみたんだか、どうやら東北に戻ってるな、福島だ」
そう言うと、今度は地図が送られてくる
「ここまでわかっとったらやる事はひとつやな」
「兄さん、行こう!一刻でも早く助けてやらねーと何されるかわかんねぇぞ!」
「ああ…せやな」
俺と桐生ちゃんで福島に向かうことになった
兄弟と大吾は、若松の所に行ってどういう事だったのか聞き出す
クソッッ!!
なんで久美ばっかりこんな目に遭うんや
刺された傷がやっと癒えたいうのに…
全部俺に来いや、久美に降りかかる悪いもんは全部…
ハンドルを握りしめながら
久美の無事を祈るしか出来んかった