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29ー狂人の策略
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今日も、大吾さんと接待に来てる
相手は大手ホームセンターの社長さん
ここと繋がりが出来れば、全国に派遣される
そうなると、またそこで契約も入り出す
って事で重要な接待
話は大分盛り上がって、先方も前向きな様子
私はいつも通りニコニコとしていただけだ
「いやぁ〜堂島さん、今回のお話前向きに検討させてもらいますよ」
「はい、どうぞ宜しくお願いします」
「仕事の話はこのくらいで、積もる話でもしましょうか」
「そうですね」
「店はこちらで用意してるので、移動しましょう」
「はい、久美さんはもういいですよ」
いつもの流れだな
「あ、秘書さんも一緒にどうぞ。もう人数予約したので」
『え?』
大吾さんが、困ったように私を見る
ま、まだ時間は早いし、大切な相手だから付き合ってもいいんだけどね
大吾さんも一緒だから心配もないし…
『社長、大丈夫ですよ』
「そうですか、ではお言葉に甘えさせていただきます」
「どーぞどーぞ」
そして、ホムセンの社長さんの車で
連れてこられたのは、高級クラブ
わぁ…神室町のキャバクラしか知らない私にはその豪華さに足がすくんだ
『す、凄い所ですね…』
「久美さんはこういう所は縁がないですもんね」
「さあ、どうぞ」
奥まった所にある広いソファに私と大吾さんは腰掛ける
品のあるホステスとママらしき人がやって来た
「ママ、大切なお客さまだから宜しく」
「若松様、かしこまりました」
出されたシャンパンで乾杯をする
話される話題には全くついていけないので、相槌だけしていた
「久美さん、でしたかな?」
『あ、はい』
「堂島社長の恋人…ですかな?」
『え?いえ!とんでもないです』
「彼女には、残念ながら仕事上の秘書しかしてもらってませんよ」
ニコニコとしながら大吾さんが言う
「ほぉ、それは良かった」
『?』
「あ、いやいやこちらの話です」
『は、はあ…』
お酒が追加されて、今度はまた高そうなワインが出てくる
「このワインが、とても美味しいので是非飲んでみて下さい」
私も大吾さんも、勧められたら飲むしかない
私は、そんな高級な舌を持ってないので
きっと飲んでもわからないと思う、 それにワインは苦手
ここまで、結構なんだかんだと飲ませられていた私は、フワフワと酔う寸前という感じ
大吾さんは、全然平気そうだな
「久美さん、無理して飲まなくてもいいですからね」
コソッと大吾さんに気を使われてしまった
その後も、お酒と共に訳の分からない話が続く中、見渡すと他のお客さんが居なくなってる
もう閉店近いのかな?
と思ったその時
突然、大吾さんがソファに倒れ込んだ
『え?社長!?大吾さんッ!』
揺すっても反応がない
「あ〜酔ってしまったんですかね」
『あ、でも社長かなりお酒強いんですけど…』
「大丈夫ですよ、少し寝てるだけですから」
『え?』
社長の両隣にいたホステスさんが立ち上がって
「では、社長、失礼します」
と言って去っていく
「秘書だけど、堂島社長がボディガードみたいなもんか」
『はい?』
「いやぁ〜若松社長、ありがとうございます」
現れたのは、以前接待した若社長だ
『え?渋谷…社長?』
「覚えていてくれたんですね、久美さん」
「では、私はこれで失礼しますよ。あの話宜しくお願いします」
「もちろん」
『えっと…これはどう言う?』
「あはは、びっくりさせてすいません。以前はこの屈強なボディガードのせいで御一緒出来なかったので」
顎で大吾さんを指しながら私の隣に腰掛ける
何かおかしい…
フワフワとして力が入らない
アルコールのせいではない
まさか…私も大吾さんも、何か盛られたのかも?
力が入らなくなった私を
渋谷が支える
「おっと、大丈夫ですか?」
『だ、大丈夫です、あの社長も起こして今日のところは…』
「慌てなくても、時間はたっぷりありますよ」
その不敵な笑みを見て、私も落ちた…