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24ー君がいるから
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どのくらい経ったのか
手術室の扉が開いた
大吾が直ぐに医者に駆け寄る
「命は大丈夫です」
「はぁ…良かった…」
「久美は…大丈夫なんか!?」
「出血は多かったですが、応急処置の止血があったのとなかったのとでは大分違ってたと思います、傷が塞がれば大丈夫です」
ストレッチャーに乗せられ出てきた久美は
まだ青白い顔をしてた
病室に運ばれベッドに寝かされる
腕には点滴が繋がってる
「兄弟、娘に知らせんと」
「あ?ああ、せやな…」
病室を出て、久美の娘に電話をかける
「もしもし?あやちゃん」
「はい、真島さん?」
「ああ、あのな、今久美病院に運ばれたんや」
「え?」
「今眠っとる」
「何があったの?」
「スマン…俺のせいや」
「どういう事?」
「俺の事庇って…刺された」
「え!?」
「でも、大丈夫や、傷が塞がれば大丈夫やて」
「直ぐに行く、何処?」
「ああ、○○医大や」
「わかった」
病室に戻る
「大丈夫か?」
「ああ、直ぐこっち来るって」
「兄弟、お前のせいやない」
「真島さん、どうやらあのチンピラ元東城会の組員みたいです、今連絡が」
「解散に反対だった三次団体の組の下っ端です」
「それが、なんで兄弟を?」
「大きな事をして、箔つけてまた新たに組を立ち上げるための鉄砲玉だったみたいです」
「んな事に…」
「クソッッ!!」
「とりあえず、真島さんは久美さんの側に居てあげて下さい、目を覚ました時に居た方が」
「ああ、せやな」
麻酔が効いてる久美は、まだ眠り続ける
「まさか、カタギになってまでこんな事が起こるとはな…」
「ああ」
「久美、お前の事守ったんやな」
「俺の事なんかええのに」
「お前が久美のこと大事なのと同じで、久美もお前のことが大事なんやで?」
「お前だって、命かけて久美の事守るやろ?」
「せやな」
「だから、お前のせいやないで、自分の事責めたら久美が悲しむやろ」
「そっか…でも、あやちゃんに会わす顔ないわ」
「やっぱり、極道やめても何時までもついて回るんかな…」
コンコン
病室のドアが開く
久美の娘や
「真島さん」
「まだ、麻酔が効いとるから眠ってるわ」
「久美の娘っこか」
「あ、あの、いつも母がお世話になってます」
「世話になっとるのはこっちやで」
「あやちゃん…ホンマにスマン」
「…」
「こんな事に巻き込んでしもうて…」
「庇ったって、ホントですか?」
「せや」
「なら、ママ…真島さんが何ともなくてホッとしてると思います」
「あやちゃん…」
「だって、今までホントに良くしてくれて、自分には何も無いから恩返しも出来ないっていつも言ってたし…」
「ママにとっては、真島さんが凄く大事な存在だっただろうから、そこまでやれたんだと思う」
『ん…』
皆一斉に久美を見る
『んッ…』
「久美ッ!」「ママ!」
『んん…真島…さん、あや?」
「久美大丈夫か?」
『あれ…私…』
「久美…刺されたんや、でももう大丈夫やからな」
『刺さ…れた』
『ハッ!真島さん!大丈夫?真島さんは?大丈夫なの?!』
「俺はなんともないわ、久美のおかげや」
「ママ…」
『あや、ごめん…心配かけて』
「ママ、カッコイイよ」
『え?』
「好きな人守るなんてカッコイイしかないじゃん」
「さすが、久美の娘やな、兄弟」
「ああ…」
『良かったぁ…真島さんが無事で』
「無茶すなよ…」
『まさか、私が刺されるとは思わなかった』
「ホンマ…死ぬかと思うたわ、こんなんなら自分がやられた方がマシや」
あやちゃんは、久美の無事を確認して
俺に後はよろしく言うて帰って行った
兄弟と大吾も、また明日来ると言って帰っていく
二人きりになって、俺は今まで我慢してたのか深い溜め息が漏れた
『真島さん?』
「ホンマ…久美が死んだらどないしよと…その先のことなんて…考えられんかった」
「久美の居ない未来なんて…考えられんかった」
「ホンマ…スマン」
『やだ、謝らないでってば』
「ヤクザなんかの女になったばっかりに」
『もう!そういうの言いっこなし!』
『やめてよ、いつもの真島さんでいて』
『強くて、楽しくて、優しい真島さんでいて』
「全部、久美が居るから出来るんや…」
『いるじゃん、ちゃんと』
「もう無茶すんなよ」
『でも、命懸けで守るよ』
「おまえ…」
『だって、絶対に失くしたくないんだもん』
「俺もや」
『じゃあ、私たち最強じゃんフフッ…あ!イタタ…』
「おい、大丈夫か?」
『さすがに刺されると痛いんだね』
「んな経験積まんでええ」
久美の頭を撫でながら
『で、何だったんですか?あの男』
「ああ、元東城会の三次団体だったとこの若いもんや、解散に納得しとらんかったらしい」
『ヤクザをやり続けたい人もそりゃ居るのか』
「まあ、せやな」
『でも、もうこっちはヤクザじゃないから…どうするんですか?』
「サツに任せるしかないな」
『真島さんだけじゃなく、大吾さんも冴島さんも自衛した方がいいですね』
「俺らは大丈夫や、久美は…もう傍から離しとうないな」
『でも、今回は私が狙われたわけじゃないから、大丈夫ですよ』
「んな事言ってもなぁ…心配なんや」
『ホント心配性』
髪を撫でてた俺の手に久美の手を重ねてきた
『生きてて良かった』
「…」
『また、こうやって触れられて』
「ああ…ホンマや」
少し身を乗り出して
久美の唇にキスをした